誰でも楽しめるラケットスポーツ「パデル」を事業化

更新日:9月30日

FC開始に向け管理システムを開発、1000コートを目指す/パデル


Padel Asia(パデルアジア)

東京都千代田区

玉井勝善社長(46)


世界で1580万人が親しむスポーツ「パデル」は老若男女、誰でも気軽にプレーできるのが特長。「パデルとパデル文化を日本国内に広めたい」パデルに魅了されたPadel Asiaの玉井勝善社長はさらなるマーケット拡大を図り、FC事業に本格的に乗り出した。

(2021年ビジネスチャンス10月号「注目のNEW FCビジネス」より)



玉井勝善社長(46)

新感覚のおもしろさに惹かれ起業



-パデルとは聞き慣れないスポーツですが、新しく登場したのですか。

玉井 パデルはスペイン発祥のラケットスポーツで、すでに40年以上の歴史があります。テニスとスカッシュを合わせたものとイメージしていただければよいでしょう。2対2の ダブルスで対戦します。日本でのパデルの認知度はまだ低いのですが、スペインではサッカーの次に競技人口が多く、既に国民的スポーツです。パデルの世界の競技人口は1580万人といわれ、今後、オリンピックの正式種目になることも期待されています。

ちなみに、元プロサッカー選手のベッカムはじめ、メッシやイニエスタなどもパデル好きとして有名です。日本では「キャプテン翼」の作者の高橋陽一さんもパデル愛好家です。なお、高橋陽一さんは2019年4月より一般社団法人日本パデル協会の名誉会長も務められています。



―玉井社長はパデルと運命的な出会いをされたと聞いています。

玉井 友人に誘われ、パデルと南米風バーベキュー(アサード)を組み合わせた「パデル&アサード」というイベントで初めてパデルをやってみたら、その魅力に完全に心を奪われました。2015年5月のことです。そこから程なくして前職のITシステム会社の運営を副社長に託して退任。パデルとの出会いから約5カ月後の10月には、現在の会社「Padel Asia」を立ち上げていました。


―とても早い展開です。それだけパデルが魅力的だったのですね。

玉井 私自身はテニス歴が長かったこともあり、「テニスの方が楽しいに決まっている!」と思っていましたが、食わず嫌いでした。実際にやってみると、テニスとは違う新感覚のおもしろさがあります。パデルコートは10m×20mとテニスコートよりも狭く、周囲を強化ガラスと金網で囲まれています。ガラスの壁を使ったプレイもできて、ラリーが長く続くのも楽しさのひとつです。また、厳粛な空気の中で行われるテニスと違い、パデルではプレイ中に音楽をかけたり、コートの外で皆がわいわいBBQをしたりと、楽しい雰囲気があります。スポーツとしてだけでなく、ソーシャルスポ ーツとしての魅力を感じました。



コロナ禍でも280万円の最高収益


▲老若男女を問わず気軽に楽しめるのが特長


―Padel Asiaではパデルの施設を展開するだけでなく、自分で運営したいという事業者のサポートもしています。フランチャイズ事業も予定されています。

玉井 フランチャイズ化は、日本国内でのパデルの普及スピードを上げるのを一番の目的として、今後力を入れていく予定です。本部でのコーチや支配人の研修や管理システムの提供を検討しています。開発中のシステムでは、利用者はコートの空き状況やイベントの確 認ができるほか、将来的には戦歴などをもとに戦績や住所などを入力し、レベルの合う人やコートの利用時間が似ている人をマッチングさせる機能も追加予定です。施設側の集客にも役立つものを考えています。


―実際のパデル施設では、どのように利用率・継続率を上げているのでしょう。

玉井 現在、PadelAsiaでは3施設の運営を行っています。善福寺公園テニスクラブ内にある「パデル東京(東京都練馬区)」、商業施設の屋上にある「パデル名古屋(愛知県名古屋市)」の2施設、運営委託でパデルとフットサルの複合施設である「晴れのち晴れ(千葉県浜野市)」です。オペレーション上必要な人員はコート2面に対し、社員1名とアルバ イトスタッフ2〜3名です。主な収益はスクール事業とレンタルコート事業とイベント事業で、売上はスクールが50%、レンタルコートが30%、イベントや物販20%という割合です。利用者間でコミュニティが生まれれば、スクール卒業後もコートをレンタルして利用してくれます。施設運営側は、仲間作りが進むよう、イベントを開くなどの工夫が必要ですね。


 現在はコロナ感染防止のため実施していませんが、BBQなども有効です。PadelAsia所属のパデルコーチ陣は、日本バーベキュー協会のインストラクター資格を取得したスタッフも多数おり、BBQに関してもプロ級の腕前ですよ。

スクールの利用料金は 80分×4回分で、平日だと1万1400円。1時間のコートレンタル料金は平日で4050円です。パデル東京では、コート1面あたり月平均100万〜120万円の売上を上げています。 なお、コロナ禍でも2面で月280万円という過去最高収益を出せました。


―開業の費用と投資回収のめやすは。

玉井 屋外2面コートの場合、基礎工事を含めて1600万円、事業計画やスクール準備などのパデル事業プロデュースが3カ月分で120万円、コーチやマネージャーは2名育成で60万円、パデル用品やその他200万円で、開業費用は概算2180万円です。月間売上200万円、営業利益20%を想定していますので、4年で投資回収できる試算です。


―既存のコートは、公園近くや商業施設の屋上、海沿いなどにあります。

玉井 いずれも騒音が気になりにくい場所です。これから出店される場合も、ショッピングモールや商業施設の屋上などが向いています。クラブハウスの建設には数千万円かかるので、更衣室やシャワールーム、ロッカーなどがすでにある施設、またはその近隣が望ましいですね。パデルのついでに買い物をという流れが生まれるため、コートの導入は商業施設の集客方法としてもよいと思います。また、経営中の店舗の余っている土地や遊休地を有効活用したい場合にもお勧めできます。


―日本ではまだ新しいスポーツですから、伸びしろが大きいですね。

玉井 パデルはコートが狭く4人でプレイするので、年齢を問わず楽しんでいただけるスポーツです。80代の方もスクールに通われていますし、お子さんにパデルを習わせたいとい う保護者の方も増えています。短いラケットは幼児でも打ちやすいですし、パデルはまだ競技人口が少ないので、上を目指しやすい状況です。 この楽しさを日本にもっともっと広めていきたいです。


―展開に向けて、今後の目標をお聞かせください。

玉井 「50コートの法則」というのがあります。最近ではフットサルがそうだったのですが、日本国内に50コートを超えたところから一気に普及スピードが上がりました。現在、 日本国内にパデルコートは17あり、競技人口は約2万人、選手登録者数は約450名です。「2030年までに1000コート、競技人口100万人」を目標に掲げています。

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