グループの総合力を活かした個別指導塾/個太郎塾

ICT技術を取り入れ個別最適化した教育を提供


「個太郎塾」は、個学舎が運営する小学生から高校生までを対象とした個別指導塾で、現在は関東を中心に234教室(直営69/FC165)を展開している。同社の母体は予備校や家庭教師の派遣、教育コンテンツの開発など教育事業全般を行う市進教育グループであり、幅広いコンテンツの提供力が強みとなっている。グループの総合力を活かしたビジネスモデルについて、同社の金澤匠時社長に話を聞いた。



個学舎

東京都文京区

金澤 匠時 社長(50)



金澤 匠時 社長(50)

Profile◉かなざわ・しょうじ

2001年、株式会社市進に入社。16年に個学舎統括本部本部長、19年に個学舎取締役に就任し、20年に代表取締役社長となる。市進ホールディングスの執行役員も務める。



――個学舎が発足して23年目を迎えましたが、その間、生徒たちの学習環境も大きく変化したと思います。御社が現在強化しているポイントについて教えてください。

金澤 市進教育グループは1965年に設立され、30年ほど経った時に個別指導の個太郎塾をスタートさせました。当時は個別指導ということ自体が珍しく、「個別で見ます」という謳い文句だけで、教室を開けば生徒が来てくれるような状態でした。しかし運営を始めて10年も経つと周りに個別指導の塾が増え、個別指導以外の差別化が必要になってきました。当社では以前よりICT教育(デジタル化をともなった教育方法)に注力してきました。これは文部科学省の「GIGAスクール構想」という、全国の小中学生一人ひとりにタブレットやPCなどの通信端末を整備する取り組みですが、これが近年のコロナの影響もあり一気に加速したのです。まるで明治に文明開化が起きたようなインパクトの大きい改革が起こっています。


――ICT教育が進んだことにより、個太郎塾での指導にはどのような変化があったのでしょうか。

金澤 映像を使った授業やAI技術を使った問題演習コンテンツなどを導入しています。その問題演習は正誤を回答するシステムになっていて、生徒のデータをどんどん蓄積し、AIが自動でその生徒の苦手な問題の傾向を把握して、適した問題を提供してくれるようになっています。さらに生徒に適した映像授業の視聴を促すこともできます。最近「個別最適化」という言葉がよく使われるようになりましたが、ICT教育を取り入れたことで、本当に一人ひとりに合わせた教育の提供ができるようになりました。市進教育グループには、映像授業を販売するウイングネットという会社があるので、グループ内のコンテンツを活用して、ICT教育に上手く対応することができています。当社では「コーチ」は人、「ティーチ」はAIと役割を決め、人とAIができることをきっちりと分けています。私たちは〝褒める〞ことをとても大切にしていますが、それは人にしかできません。生徒とコミュニケーションを取る、モチベーションを上げるといった生徒との関わりは徹底して人が行うようにしています。


――ICT教育を取り入れることができたのは、市進教育グループで上手く連携が取れているからなのですね。

金澤 「個太郎塾」は個学舎という会社のブランドですが、市進教育グループに属していることが大きな強みで、グループ内の教育ノウハウを活用することができます。グループ内には小学校受験を対象とした「桐杏学園」、小学校低学年を専門にした教室「パンセフロンティエル(パンセ)」、小中高校生対象の進学塾「市進学院」など、幼児から高校生まで垂直展開をしています。個太郎塾は小中高生を対象にしていますが、もし小学校低学年に力を入れたいと思うFCオーナーがいたら、パンセの教材を取り入れることができます。高校生に力を入れたいのであれば、進学塾である市進学院の力を借りて、難関校への合格カリキュラムを共有してもらうことも可能です。グループとしての総合力があり、商品のラインナップが豊富なため、加盟オーナーが得意なところで勝負ができるようになっています。また現在、多くの塾で講師不足の問題がありますが、「市進学院」や「市進予備校」を卒業し大学生となったOB・OGに講師のアルバイト募集をすることができるので、人材不足の心配もほぼありません。


――個太郎塾の開業資金や収益モデルは。

金澤 開業資金は、加盟金一括タイプと分割タイプの2パターンがあります。分割タイプの場合は、加盟金、研修費など合わせて約80万円、設備関係費が約390万円、物件取得費が約140万円、合計約610万円で開業することができます。年間の想定収益モデルは、年平均生徒数40名の場合、営業利益率が32・6%で営業利益は約545万円。年平均生徒数60名の場合、営業利益率が40・8%で、営業利益は約1024万円です。現在は直営で育てた既存店の譲渡をすることも多く、開校月から売上が見込めるリスクの少ないプランもあります。


――加盟オーナーに対するサポート体制についても教えてください。

金澤 SVが教室を適宜回ってサポートや指導、オンラインを使って保護者との面談練習などをしています。また現在力を入れているのが、直営もFCも一緒に参加する教室長に向けた学習会です。毎月上手くいっている教室の成功事例を共有したり、新しい教育情報のアップデートをしたりします。上手くいっているFC加盟オーナーから話をしてもらうことで、他のオーナーも聞きやすく参考にしやすいようです。教室が上手くいくかは立地ももちろん大事ですが、教室長の腕次第というところがあるので、教室長の育成には重点を置いています。イベントや定期テスト対策講座をやるにしても、保護者に対するトークマニュアルをその都度作り、電話するタイミングなど営業方法も細かく作り込んだ上で、加盟オーナーに提供するようにしています。


――現在は関東圏を中心に出店を行っていますが、今後は全国展開も視野に入れている。

金澤 先ほど申し上げたように、当社はどこに行っても負けない商品力があると思っています。出店のペースは年間15〜20教室で考えており、地方にも積極的に展開していきたいと考えています。私はこの事業は非常に尊いものだと思っています。生徒たちが定期テストのため毎日小さな目標を立て、それをクリアする習慣を身に付けさせることは、大げさではなくその子どもの人生を変えることだからです。実際に当社でも、社会人になった時、結婚した時などの節目に報告をくれる生徒も多く、あの当時の勉強が今に繋がっていると実感できます。こうした感動をやりがいにしていただける方と一緒に事業を拡げていきたいですね。



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