フランチャイズ1000店舗達成へ王手

37年かけオーナー同士のつながりを醸成/センチュリー21


センチュリー21・ジャパン

東京都港区

園田 陽一 社長(61)


不動産仲介フランチャイズ国内最大手のセンチュリー21・ジャパンが、FC1000店舗達成を目前に控えている。現在、同社のフランチャイズ店は996店(6月末時点)となっており、遅くとも年度内には大台を達成する見込みだ。今年4月から社長として舵取りを任されている園田陽一社長に、コロナ対応も含めた現状を聞いた。

(ビジネスチャンス12月号「Top Interview」より)


園田 陽一 社長(61)

Profile◉そのだ・よういち

1960年千葉県生まれ、早稲田大学理工学部卒業。83年伊藤忠商事株式会社入社。伊藤忠アーバンコミュニティ株式会社執行役員、伊藤忠都市開発株式会社専務取締役を経て、2019年に株式会社センチュリー21・ジャパン取締役専務執行役員に就任。21年4月から現職。



――37年前にスタートしたフランチャイズ出店も、いよいよ1000店舗が見えてきました。このタイミングで社長に就任されたことも、運命的なものを感じますね。

園田「景色が変わる」とおっしゃる方もいるので、それは見てみたいですね。私自身は社長になる1年半ほど前からこの会社に在籍しておりますが、近年は中古住宅市場の期待感をよりひしひしと感じています。具体的には、世の中全体の流れとしてモノを大事に使おうという気運が高まっているということ。リフォーム業界の方々の努力もあり、ユーザーの方も住宅を綺麗に使うようになりました。中古住宅は大事な社会資本です。そこに対する皆さんの抵抗感が極めて無くなりつつあるとともに、新築信仰が少し緩んできているように感じます。またここに来て、SDGsの取り組みも活発化してきています。当社も取り組みの一環として、伊藤忠商事と共同で加盟店への太陽光蓄電池の提供についても検討しています。



――需要が高まる一方、同時期にコロナの問題が発生しました。攻めと守りの両極を考える、非常に難しい時期です。


園田 20年3月期の業績でいうと、下期は少し回復したものの、4月・5月の2カ月分の落ち込みが年間通じた結果となりました。特に昨年4月からの第1次緊急事態宣言時は、3つの課題が浮き彫りになりました。1つ目が人の流れがパタッと止まったことで、来店と内見の双方で仕事が減少したというもの。2点目は経済全体への不安から売買の動きが止まったこと。そして3つ目がオンラインによる取引技術を早急に取り入れるというものです。幸い6月に入って客足がかなり戻ったため、オンラインの整備も至急ではなくなりましたが、コロナがきっかけで当社の商慣習も大きく変わると思っています。以前のように店舗に来店されてお話しし、成約するということは少なくなっていくはず。ですから、リモート接客やIT重説などのシステム導入についてのコンサルやサポート実施といった仲介支援策も継続して行っていきたいと考えています。



加盟店同士の交流を促進し オーナーのノウハウも蓄積



――御社の直近2期のフランチャイズ加盟店の推移は、年間新規で60店以上が出店していますが、40〜50社超が離脱。純増は10〜20店超です。コロナもそうですが、業績不振店に 対する支援も課題です。

園田 不動産業界に関わってくる課題を常に潰していく機能を、我々自身が常に進化させていかなければならないと思っています。当社はこれまで 40年弱、本部として歴史を刻んできました。つまり、それだけFC本部としてのノウハウがあるということです。本部が直営店を持ち、そこで培ったノウハウを分け与えてくれることに期待をされる方も中にはいらっしゃいますが、それだと場合によっては本部と加盟店で利益相反が起こってしまうケースもある。それよりはあくまでも本部としてノウハウ提供に徹しているというのが当社のスタンスなのです。


――FCにしっかり稼いでもらうために、本部が黒子に徹すると。

園田 当社のような形態でフランチャイズを運営していくと、必然的にフランチャイジー同士の結びつきが強くなります。これは持論ですが、企業経営者は孤独で部下に相談できないことも多い。そしてその時に相談したいのは本部のサラリーマンではなく、自分と同じ立場で経営しているオーナーなのです。横と横のつながりで教え合える文化が当社の長い歴史の中で出来上がっていますし、オーナーもその環境を潜在的に求めている。私はこの歴史を崩してまでメリットを追求するほどの価値はないと考えています。


――加盟店同士の交流を促進させることで、オーナーそれぞれの独自性が生まれ、施策として出てくることもあるというわけですね。

園田 実は先ほど申し上げた昨年の緊急事態宣言下でも、加盟店さんの中で大きく業績を伸ばしたところもありました。この会社は対面接客ができなくなったと分かった途端、思い切 って電話営業にシフトをしてお客様との接触頻度を増やし、関係を繋ぎとめたそうです。またある加盟店さんは、店舗来店が減ることを見越してWEB広告を強化し、このような状況であるにも関わらず商圏を拡大させるために支店を出店されたケースもあります。このように本部でも想像できないことをスピード感を持ってやられた点は、本部としても改めて気付かされる点でもあります。こうした各オーナーのノウハウも含め、本部として蓄積していくというのが当チェーンの特徴です。


――加盟店はどのような属性の方が多いのでしょうか。

園田 やはり主流は不動産の売買仲介業の方で、7割〜8割。基本的には我々も不動産事業者の方々にこのフランチャイズを役立てていただきたいと考えています。いわゆる業界のプロの方でもさらに売上を伸ばしたい、また経営効率を上げたいという方もまだまだいらっしゃいます。そのような方たちのニーズを拾っていくことが中心でしょう。


一方、直近ではコロナの影響で業容を広めたいということから、異業種の参入の方の比率も増えてきています。そこで当社でも、4月からFCコンサルティング部内に専門チームを立ち上げ、不動産ビジネスや集客手法を学べる「スターティングフォローパック」といったパッケージを作りました。


――40年近くフランチャイズ運営を されていますが、まだ加盟店の増加の伸びしろはあるものなのでしょうか。

園田 宅地建物取引業者数は6年連続で増加し、令和2年度の法人事業者数は11万2477社となりました。 ただその一方で、感覚値ですが不動産FCチェーンの合計店舗数は6000〜7000店程度。つまり業者登録しているうちの5〜6%しかフランチャイズに加盟していません。しかしこれから5年先を考えたときに、自社の看板で営業を続けるのが 少し心配だなという方も少なからずいらっしゃるはずです。また業績だけではなく、人材の問題もあります。事業承継の気運が高まる中、ノウハウを伝えようにもそれを受け止めら れる人材がいないと難しい。そういった方たちを支援できる機能が当社にはあります。人材育成も我々の一つの強み。今後の飛躍に向けて、こうした点もさらに工夫を凝らしていきたいですね。





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