商業立地に特化して出店を加速/ブルースカイランドリー

自治体と協定結び災害対応拠点としても機能


ジーアイビー

愛知県名古屋市

鈴木 衛社長(51)


「ブルースカイランドリー」を全国に144店舗(11月現在、直営12、FC132)展開するジーアイビー(愛知県名古屋市)は、来年8月の200店舗オープンを目指している。コロナ禍で着実に実績を伸ばす同社の特徴は、「出店立地」。同社の強みを鈴木衛社長に聞いた。

 

鈴木 衛社長(51)


PROFILE:すずき・まもる

1970年1月生まれ、岐阜県出身。大学卒業後・会計事務所勤務に7年勤務。2000年中小企業のためのコンサルティングサービスを提供するセンチュリオンコンサルタンツ株式会社を設立。2010年、中小企業のためのビジネスマッチング及び商材コンサルティングのため株式会社ジーアイビーを設立。2015年コインランドリー FC事業開始。現在にいたる。

 

立地は「主婦がリピート」する場所

布団洗いの比率も上昇



―「ブルースカイランドリー」の特徴の一つは、商業施設への出店です。

鈴木 当社のランドリービジネスは、元は私がコンサルタント時代にクライアント向けに開発したビジネスから来ています。中小企業経営者の資金調達力を生かして、資産形成しながら手離れの良い業態を模索していたところ、コインランドリーに出会いました。そしてコインランドリーを調べていくうちに気付いた問題が、立地でした。既存の店舗の近くに作られてしまうと、どうしても売上が下がってしまうのです。そのような中でも、私にとっては  20年来の付き合いがあるお客さまに提案するのならば、20年後も満足いただきたい。そこで安定して立地の優位性が発揮できる場所を探していたのですが、結果的にスーパーしか ありませんでした。ロードサイドではどこでも攻め込まれてしまいますからね。


―スーパーに出店したことで、自然に利用者層も他社と差別化され、主婦層になっていったわけですね。

鈴木 コインランドリーは自前で集客をすることが本当に大変な業態です。これまで業界の常識はコインランドリーにマーケティング戦略はなく、目立つようにしてじっと待つというものでした。戦略とは言えませんよね。そこで当社はコンセプトを「ショッピングでコインランドリー」とし、主婦が車でリピートする場所にコバンザメのように出店する方針を固めました。なぜなら、コインランドリーの洗濯待ち時間で何をされているか調査をした際に、ほとんどの方がスーパーで買い物をされたり、お子さんの送迎をされていたからです。コインランドリーは時間短縮ビジネスですから、「時間短縮のさらに時間短縮」が叶う場所にし たかったのです。


―御社の場合、商業施設内に立地はしていますが、あくまでも店舗は独立して設けています。なぜそのような形態になっているのですか。

鈴木 利便性の観点から建屋はあった方が良いです。それも、商業施設の正面ではなく端にあった方が良い。なぜなら施設内や正面では、コインランドリー以外のお客さまで駐車場が埋まってしまう可能性があるからです。大きな洗濯物を持って遠くまで歩けませんし、わざわざ商業施設へ出店しているメリットも薄れてしまいます。ですから駐車場が目の前にあり、歩いて行ける立地が肝です。 また最近では、布団洗いを利用される方の売上が20%程度となっている店舗もいらっしゃいます。布団を持ち込む場合、ただでさえ両手が塞がりますし、子どもの手を引きながらでは難しい。雨の日であれば傘を差しながらですから、なおのこと難しい。ですからアプローチを良くすることで、布団持ち込みの比率を高めるようにしています。


―最近では、「災害対応型コインランドリー」という言葉を前面に打ち出していますね。

鈴木 この取り組みは、2019年の台風15号の災害を目の当たりにしたことがきっかけ です。千葉県にあるゴルフ練習場の鉄塔がなぎ倒されて家屋が倒壊したのですが、その隣町に当社のカインズ市原店があり、店舗は災害発生の翌々日から店頭に行列ができて夜の23時まで続いたのです。この時は急遽、商業施設に許可をいただいて24時間営業をしたので すが、それが契機となり、災害対策拠点も兼ねたランドリーになろうと決意したのです。


―このランドリーはどのような仕様になっているのですか。

鈴木 洗濯、発電、炊き出しに活用できるLPガスユニットを設置しています。現在は名古屋市や西尾市、 稲沢市や和歌山市、和泉市や豊橋市で災害協定を結んでおり、災害時は無料で自由にお使いいただけるようにしています。最近では高齢者の核家族化が進み、災害時にどうしたら良いか分からずうろたえる方も多いそうです。ですから年に1、2回でも商業施設を巻き込んだ防災イベントや炊き出しを行い、地域の方々に防災対策のアンテナを張ってもらいたいですね。現在は35店舗が災害拠点となっていますが、今後は全店に設備導入していく予定です。



―事業として実益を得ていくだけではなく、地域や社会に貢献していくことも重要ですからね。

鈴木 私たちは、コインランドリーを通じた便利なライフスタイルの提案を行っています。 自分たちの売上をあげようという視点だけでは、世の中に受け入れられないでしょう。付加価値をつけることで、より幅広い層からご利用いただけると考えています。たとえば、店舗に設置された55インチのディスプレイ画面は、自社広告ばかり流すのではなく、地域の野球少年の団員募集ビデオなどを制作して放映しています。これは本部で集中管理をしているので、「この5店舗はこれを流す」「これは全店一斉」など、ターゲットを絞ることも可能となっています。




公式アプリ会員は10万名

キャッシュレス決済にも対応





―地域の方々に寄り添った面白い拠点になりそうですね。ちなみに利用者の集客はどのように行っているのでしょうか。

鈴木 今年5月からLINE公式アプリをスタートさせており、こちらを使った集客が好調です。元々本部 がアンケート調査をするために用いているツールでもあるのですが、現在の会員は10万名程度で、アンケートを送ると7000名ほどの回答があります。顧客属性のマーケティングにも有効な上、そこにイベント告知や割引クーポンを配信することができるので、集客にも寄与しています。この公式アプリは「ブルスカなび2」という店舗の集中精算機とも連動させており、キャッシュレス決済への対応や、洗濯終わりのメッセージ通知もできるようになっています。


―競争激化となって久しいコインランドリー業界ですが、鈴木社長はこの先をどう見通していますか。

鈴木 ある地域では3㎞以内に4店舗のランドリーが出店したりしているなど、地域によっては確かに飽和状態を迎えています。ただその中でも、手前味噌ですが商業施設出店はやっぱり強いです。当社にはこれまで6年間の出店データもありますから、今後もこの路線を踏襲すれば拡大はできると考えています。また需要という面でも、日本人は効率化が好きですから、綺麗でカッコいいランドリーがあると知っていただければ、今以上に利用者は増えるでしょう。


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