
人気沸騰中のピラティスFC 主要ブランドを徹底分析【一覧表公開】
公開日:2025.09.29
最終更新日:2025.09.29
※以下はビジネスチャンス2025年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
【ピラティス業界の今】
・ピラティス市場は年7.8%の成長予測
・コロナ禍以降にFCブランドが急増
・低コスト参入のパーソナル型が普及
コロナ禍以降急増しているマシンピラティス専門店
コロナ以降、20~50代女性を中心にマシンピラティスがブームになっている。日本のピラティス市場は2022年時点で700億円だったが、2028年には1200億円に到達する予測で、年平均成長率は7.8%とされている※。ソーシャルディスタンスを保ちながら清潔さが維持されているピラティスは、コロナを皮切りに普及し、芸能人やインフルエンサーの影響も相まって人気に火が付いた。近年は参入事業者も増加しており、FCも多数登場している。そこで、本誌編集部は新興ピラティスFCの調査を実施した。
※出典:Global Pilates & Yoga Studios Market Report 2022-2028,Statista, Yano Research Institute
月額通い放題制度 約20年前からスタート
現在、FC展開しているマシンピラティスブランドを表にまとめた。国内最大店舗数を誇るのは、ZENPLACE(東京都目黒区)が手掛ける「zenplace」だ。同社は約20年前からピラティススタジオを運営しており、オープン翌年には月額通い放題を導入。これが顧客満足度向上に寄与し、全国140店舗に広がっている。現在は新規FCの募集を停止しているが、HP上では募集再開の可能性ありとされている。
世界規模で言うと、「CLUB PILATES」が群を抜いている。同店は2007年に米国サンディエゴで誕生し、カナダやオーストラリア、シンガポールや韓国など世界各国で1000店舗以上を展開している。日本上陸は2019年で、現在は店舗体制となっている。運営会社は、ボクシングワークアウトスタジオ「RUMBLE」やインドアサイクリングスタジオ「CYCLEBAR」と、いずれも米国発祥のフィットネスブランドを手掛けるWellness X Asia(東京都渋谷区)だ。
代表的なFCブランドの基本情報を一挙公開
ブランド名 | CLUB PILATES | zenplace | TSUTAYA Condition- ing PILATES |
WECLE | KASANE | Beat Pilates | ピラティス R | TwoThree | PILATES AXE |
会社名 |
Wellness X Asia |
ZEN PLACE |
カルチュア・エクスペリエンス |
nobitel |
ワールドフィット |
Forza |
ライフウェル |
ツースリー |
ヴェルディーク |
タイプ |
グループ |
グループ |
グループ |
グループ |
グループ |
グループ |
グループ |
グループ&パーソナル |
グループ&パーソナル |
料金 |
1万4190~4万590円 |
9625~3万2560円 |
1万3200~2万2000円 |
8800~1万4800円 |
1万4000~2万2000円 |
6800~1万7600円 |
1万1000~1万7600円 |
1万3200~2万2000円 |
店舗により異なる |
客単価/月 |
ー |
ー |
1万3860円 |
1万1000円 |
1万6818円 |
ー |
ー |
1万3200円 |
9000~3万円 |
入会金 |
5500円 |
ー |
0円 |
1万円 |
0円 |
1万1000円 |
5500円 |
0円 |
1万1000円 |
登録料 |
ー |
ー |
200円 |
5000円 |
0円 |
ー |
3300円 |
0円 |
3300円 |
その他 |
ー |
ー |
0円 |
0円 |
0円 |
ー |
ー |
3300円 |
ー |
店舗数 |
74店舗 |
140店舗 |
16店舗 |
16店舗 |
5店舗 |
8店舗 |
1店舗 |
20店舗 |
7店舗 |
直営店舗数 | ー | ー |
10店舗 |
11店舗 |
3店舗 |
ー |
1店舗 |
16店舗 |
ー |
FC店舗数 | ー | ー |
6店舗 |
5店舗 |
2店舗 |
ー | ー |
4店舗 |
ー |
会員数 |
ー |
ー |
ー |
ー |
1100人 |
ー |
ー |
3000人~ |
ー |
メイン顧客 |
ー |
40~60代 |
30~50代女性 |
30~50代女性 |
20~40代女性 |
ー |
ー |
20~40代女性 |
ー |
会社設立 |
2018年 |
2003年 |
1993年 |
1993年 |
2017年 |
2016年 |
2008年 |
2013年 |
|
事業開始 |
2019年 |
2006年 |
2023年 |
2020年 |
2024年 |
2024年 |
2024年 |
ー |
|
FC開始 |
ー |
ー |
2023年 |
2024年 |
2025年 |
ー |
2025年 |
ー |
|
加盟対象 |
ー |
ー |
個人・法人 |
法人 |
法人 |
ー | ー |
個人・法人 |
個人・法人 |
オーナー数 |
ー |
ー |
7 |
4 |
3 |
ー |
ー |
4 |
ー |
オーナーの運営店舗数 |
ー |
ー |
1店舗 |
3店舗 | 1店舗 |
ー |
ー |
1~2店舗 |
ー |
初期投資合計 |
5500~7500万円 |
2500~3000万円 |
3000万円 |
3000万円 |
900万円 |
3310万円 |
800~2850万円 |
4450万円 |
加盟金 |
660万円 |
100万円 |
300万円 |
500万円 |
200万円 |
300万円 |
165万円 |
200万円 |
|
保証金 |
なし |
ー |
100万円 |
0円 |
ー |
ー |
0円 |
ー | |
研修費 |
なし |
50万円 |
15万円/人 |
0円 |
ー |
150万円 |
55万円 |
90万円 |
|
ロイヤリティ |
12% |
8% |
25万円 |
~15%+10万円 |
10% |
ー |
12.5% |
ー |
|
FCモデル月商 |
572~1045万円 |
300万円 |
495万円 |
950万円 |
200万円 |
441万8000円 |
300万円 |
450万円 |
|
営業利益率 |
30~40% |
30% |
25~30% |
40% |
ー |
40% |
55% |
43% |
|
損益分岐の会員数 |
ー |
ー |
300人 |
250人 |
ー |
ー |
150人 |
ー |
|
投資回収目安 |
20~50カ月 |
36カ月 |
30~60カ月 |
19カ月 |
ー |
ー |
20~48カ月 |
ー |
|
ピーク時のスタッフの人数 |
ー |
1人 |
3人 |
4人 | ー | ー | 4人 |
ー |
|
坪数 |
45坪以上 |
45~60坪 |
25~40坪 |
38~42坪 |
45~60坪 |
ー |
40坪前後 |
30~40坪 |
40坪~ |
推奨立地 |
路面 |
ー |
地方都市のSC |
地方 |
全国各地 |
地方 |
ー |
駅徒歩10分以内・空中階 |
ー |
現在の展開エリア |
全国 |
全国 |
都心 |
全国 |
東京・千葉・静岡・岐阜 |
首都圏・秋田・滋賀 |
静岡 |
首都圏・九州 |
東京・千葉・大阪・沖縄 |
ブランド名 | La pilates | ルルト | STUDIO IVY | ELEMENT | YUZU | DEP |
会社名 |
La pilates |
理学ボディ |
KRM |
MIGRIDS |
ESS |
DEP |
タイプ |
パーソナル |
パーソナル |
パーソナル |
パーソナル |
パーソナル |
パーソナル |
料金 |
1万2000~7万2000円 |
2万9700~7万2000円 |
1万5000~7万5000円 |
2万2000~5万5000円 |
回数券制 |
1万4800~5万4600円 |
客単価/月 |
2万3000円 |
9000~1万 2000円 |
2万3000円 |
3万円 |
ー |
ー |
入会金 |
1万円 |
2万2000円 |
1万1000円 |
3万3000円 |
ー |
0円 |
登録料 |
0円 |
0円 |
3300円 |
0円 |
ー |
0円 |
その他 |
0円 |
0円 |
0円 |
0円 |
ー |
0円 |
店舗数 |
31店舗 |
55店舗 |
46店舗 |
52店舗 |
36店舗 |
40店舗 |
直営店舗数 |
5店舗 |
39店舗 |
12店舗 |
8店舗 |
ー |
ー |
FC店舗数 |
26店舗 |
16店舗 |
34店舗 |
44店舗 |
ー |
ー |
会員数 |
5500人 |
2000人 |
3200人 |
3000人 |
ー |
ー |
メイン顧客 |
25~34歳の女性 |
30~40代女性 |
20~40代女性 |
30~50代 |
ー |
ー |
会社設立 |
2023年 |
2018年 |
2020年 |
2018年 |
2021年 |
ー |
事業開始 |
2023年 |
2022年 |
2022年 |
2022年 |
2021年 |
2021年 |
FC開始 |
2024年 |
2024年 |
2024年 |
2023年 |
ー |
ー |
加盟対象 |
個人・法人 |
個人・法人 |
個人・法人 |
法人 |
ー |
ー |
オーナー数 |
17 |
18 |
52 |
20 |
ー |
ー |
オーナーの運営店舗数 |
1~2店舗 |
1.15店舗 |
1.7店舗 |
2~3店舗 |
ー |
ー |
初期投資合計 |
1000~1500万円 |
660~930万円 |
500~600万円 |
600~750万円 |
342~567万円 |
ー |
加盟金 |
300万円 |
300万円 |
200万円 |
220万円 |
40万円 |
50万円~ |
保証金 |
100万円 |
0円 |
0円 |
0円 |
ー |
0円 |
研修費 |
25万円/人 |
30万円 |
40万円 |
33~55万円/人 |
40万円 |
0円 |
ロイヤリティ |
12% |
15% |
15% |
10%+5.5万円 |
ー |
10~20% |
FCモデル月商 |
516万円 |
90万円 |
160万円 |
150万円 |
137万5000円 |
ー |
営業利益率 |
25.6% |
37% |
25% |
25% |
ー |
ー |
損益分岐の会員数 |
200人 |
50人 |
20人 |
30~35人 |
ー |
ー |
投資回収目安 |
12~18カ月 |
18カ月 |
6~18カ月 |
24カ月~ |
12~19カ月 |
9カ月 |
ピーク時のスタッフの人数 |
3~7人 |
2人 |
1人 |
4人 |
ー |
ー |
坪数 |
20~32坪 |
13.6坪~ |
7~12坪 |
15~20坪 |
ー |
ー |
推奨立地 |
駅近 |
駅徒歩10分以内 |
駅徒歩10分以内・空中階 |
住宅街・空中階 |
ー |
ー |
現在の展開エリア |
関東中心の全国 |
全国 |
関東・近畿・九州 |
首都圏・中国地方 |
東京・神奈川 |
全国 |
コロナ禍でブームに20年以降に本部急増
今回のピラティスブームはコロナ禍で興った。それが関係してか、上表のブランドのほとんどが2020年以降に誕生している。
中でも、パーソナルマシンピラティスブランドは急激に店舗数を伸ばしており、理学ボディ(東京都渋谷区)が手掛ける「ルルト」は昨年のFC開始から約1年で55店舗、MIGRIDS(東京都渋谷区)が展開する「ELEMENT」は2023年のFC開始から約2年で店舗に拡大している。
パーソナルの場合はマシン1台のマンション1室で開業できるケースもあり、比較的参入ハードルが低い。既存オーナーが多店舗展開するケースも多いことから、瞬く間に普及した。
なお、上記の一覧表は編集部による取材や公式HPの情報をもとに作成している。FCモデル月商や営業利益率の数値はあくまで一例であり、店舗規模や出店立地により変動する可能性がある。
マシンピラティスはグループとパーソナルの2業態で拡大中
ピラティスの日本上陸は1990年代と言われている。当時はスタジオやジム、プールを備えた総合型フィットネスが主流で、中でもスタジオはエアロビクスやヨガ、ボクササイズに席巻されていた。そのため、ピラティスマシンを導入する余地はなかった。その後、24h マシン型ジムやパーソナルトレーニングジム、女性専用フィットネスなどの専門業態が登場。この流れを汲んでマシンピラティス専門店が誕生し、韓国アイドルや海外セレブの影響も相まって一躍ブームとなった。FC本部も続々と誕生しており、市場競争は激化している。ブームの理由と事業成功の秘訣の解説は「識者に聞く」を参照。

ピラティスマシンの1つ「リフォーマー」を使ったレッスン
マシンピラティスが流行中
ピラティスには大きく種類あり、マットの上で自重を利用したエクササイズをする「マットピラティス」と、専用器具を使って負荷を調整しながらエクササイズをする「マシンピラティス」がある。現在流行しているのは、後者のマシンピラティスだ。
マシンピラティスは器具による補助があるため、正しいフォームを維持しながら普段動かしづらい部位を鍛えることができる。また、バネやループを調整することで負荷をコントロールできるため、運動初心者でも取り組みやすくOLや主婦など20~40代の女性から厚い支持を受けている。
一方、マシンピラティスは器具の設置が必須となり、ある程度のスペースを確保する必要があることから、日本では長らくマットピラティスが主流となっていた。
2つのレッスン形態
近年のマシンピラティスFCは、「グループ」と「パーソナル」の2業態に大別できる。グループは、複数人が参加できるレッスンでリーズナブルな料金が特徴だ。ピラティスは従来のジムとは異なり、鍛えることよりも運動不足解消や気分転換を目的にする層も多い。その点、グループは会員同士でコミュニケーションが取れるため、モチベーション向上に繫がりやすい。
一方、会員はレッスンのレベルに合わせる必要があり、人数が多いときはインストラクターのアドバイスがもらえない可能性がある。そこで、最近はグループレッスンで人数を限定するブランドが増えている。たとえば、「WECLE」は、会員6人につきインストラクターが1人付くサーキット型マシンピラティスを提供している。「Two Three」は、最大8人のグループレッスンに加え、1対3のセミパーソナルレッスンも用意している。
パーソナルは、会員とインストラクターのマンツーマンレッスンで、個人に合わせたプログラムで指導するのが特徴だ。各人に適したエクササイズを取り入れるため、無理がなく短期間で効果を実感できる。また、マシン1台で開業できることから、初期投資が低いことも魅力だ。一方、課題は料金が高く予約が取りづらいことだ。これに対し、「STUDIO IVY」は店舗相互利用を可能にすることで、人気店の予約を分散させている。
現在、ピラティスビジネスは破竹の勢いで伸びているが、課題も浮き彫りになりつつある。この課題に対し、各本部がどのような対策を講じているのか事前に確認したい。

「バレル」や「チェア」といったマシンもある
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