【エンパワー】買取FCナンバーワンの1500店舗超えを達成
公開日:2026.02.02
最終更新日:2026.01.23
※以下はビジネスチャンス2026年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
潜在顧客を掘り起こし、2027年には3000店舗体制へ
エンパワーが手掛ける買取FC「買取大吉」は、今年9月期に店舗数1500店を突破し、買取専門フランチャイズでナンバーワンの店舗数を達成した。現在も加盟件数は毎月70店舗ペースで増え続けており、今後の出店意欲も旺盛で、既存店との兼ね合いに慎重になりながらも2027年には3000店舗まで拡大できると見込む。同社の増井俊介社長に、マーケットリーダーとして「今後の出店余地」「撤退へのリスク回避」についてどう考えているか、今後のビジョンも踏まえて話を聞いた。

現在でも毎月70店のペースで加盟が増加
IKKO氏の起用とバレーボールで認知度と信頼性を獲得
2009年以降、リユース市場は毎年右肩上がりで成長しており、2023年には初めて3兆円を突破。業界全体が伸びる中でも、「買取大吉」の店舗数拡大はひときわ目立っている。特に直近数年での伸び率は顕著で、その理由は広告施策の効果も大きい。4年前からイメージキャラクターにタレントのIKKO氏を起用し、広告を展開。また、2年連続で「バレーボールネーションズリーグ」のメインスポンサーとなり、企業ブランドの価値向上に注力してきた。

中古品への抵抗感の薄れ節約志向で市場が急拡大
-リユース業界全体が伸びているとはいえ、買取大吉の近年の伸び率は目を見張るものがあります。1500店舗以上を展開し、リユース業界でナンバーワンの店舗数になりました。
増井 私がこの業界に参入した10年程前は、まだ中古品を買って身につけることに抵抗を感じる人が多かったように思います。しかし、この10年で、節約志向が高まり、新品よりも安価な中古品を求める人が増加しています。日本の平均年収はこの20年ほぼ横ばい。
いらないモノを売るという行動が、キレイごとでも贅沢でもなく、「生活を守るための手段」になったのだと感じています。この結果、リユース市場が大きく伸び、その中でも「買取大吉」は圧倒的な伸び率を誇っています。直近の店舗数は、直営店187店舗、FC1436店舗の計1623店舗(12月2日時点)です。これだけ店舗数が増えても、現在も加盟ベースで、毎月70店舗増加しています。
―なぜそんなにも加盟希望が多いのでしょうか。
増井 まずは、事業リスクが低く参入しやすいうえ、高単価商品が扱えるという魅力があるからだと思います。「買取大吉」は、在庫リスクを持たない仕組みになっているうえ、1人でも運営が可能な省人化モデル。また、オンラインによる独自の査定サポートシステムを導入しており、本部が真贋・査定を依頼した商品の売却額を保証しています。そのため、査定が未経験であっても適切な査定が可能です。
「買取大吉」FC本部を立ち上げた当初は、圧倒的に脱サラをした個人オーナーが多く、法人は3割程度。しかし、近年は、不動産、福祉、IT、物流、飲食など、さまざまな業種からの法人加盟が増えて、割合が逆転し、現在は7割が法人です。業種問わず、小規模企業から上場企業まで加盟していただいています。
―なぜそんなにも法人加盟が増えたのでしょうか。
増井 やはりコロナの影響は大きかったように思います。リユース市場はコロナ禍でも伸びていたため、既存事業が立ち行かなくなり、新規事業として選ばれるケースが増加しました。
また直近では、創業200年、300年といった老舗企業からの加盟問い合わせもありました。これは10年前では考えられなかったことです。リユース業界全体の地位が上がってきたことを実感しています。
歴史が長く、地元に根差し信用力のある企業が加盟してくれるのは非常にありがたいことです。ユーザーも安心して売りやすいですから。

本社に隣接する「大吉オークション」会場

複数の販路と高い買取価格 好循環で加盟店の利益率アップ
―数ある買取業の中でも「買取大吉」が選ばれる理由は。
増井 当社は自社運営の『大吉オークション』を軸に、国内外の販路を複数持っています。複数の販売チャネルがあり、「どんな商品も価値に変える」仕組みがあることが大きな強みです。
また、『大吉オークション』では海外に販路を拡大していることから、世界中のバイヤーに比較的高値で販売することができます。そのため、加盟店にその分の粗利を取ってもらいやすい仕組みになっています。さらに、相見積もりになった際は、他社よりも高い金額での買い取りが可能なため、高い成約率を実現。結果として「他社より高く買い取れる」「成約率が高い」「利益が出やすい」という好循環が生まれています。
さらに、近年はブランド力の強化のため、IKKOさんをキャラクターに起用し、広告費用を積極的に投下してきたので、その効果も大きいと思います。
―確かに今では、買取大吉といえば IKKOさんのイメージが定着しているように思います。
増井 4年前に、「買取大吉」のロゴを変更。時を同じくしてIKKOさんを起用したテレビCMを展開し始め、その後、メディア露出を意識して増やしてきました。
以前は、多くのユーザーが買取店の区別がついていない状況でした。そこで他店舗と区別を付けるため、店名をしっかりと覚えてもらえるよう、インパクトのある広告塔が必要だったのです。IKKOさんを起用した効果は、十分に発揮されていると思います。
また、昨年から「バレーボールネーションズリーグ」のタイトルスポンサーを始め、その効果も大きく信頼性も上がっています。直営店の1カ月の来店数が120人から250人に増加しました。
―なぜタイトルスポンサーを始めたのですか。
増井 買取店の利用が普及していく中で、「買取店といえば買取大吉だよね」とユーザーに認識してもらうためには、認知してもらうと同時に信頼性が何よりも重要になります。その信頼性アップのため、国際大会のスポンサーに名乗りを上げたのです。スポーツの国際大会になると、そのスポーツに興味がない層も観戦します。まだ知らない層に届け、信頼性を上げるために国際大会は打ってつけだと考えました。
買取店を利用するメインのターゲット層は40~50代の女性。バレーボールは、我々のターゲット層と親和性が高いコンテンツです。
IKKOさんのCMによる認知度の向上、バレーボール国際大会のタイトルスポンサーによる企業イメージや信頼性の向上により、テレビ番組からの取材依頼が急増しています。
最近色々な会合に積極的に参加しているのですが、「買取大吉」というと「IKKOさんですね」と、ほとんどの人に認知してもらっています。

IKKO氏を起用したテレビCMはSNS上でも話題に。2年連続で「バレーボールネーションズリーグ」のスポンサーに。
ドミナント効果で既存店の売上がアップ
急成長を続ける「買取大吉」だが、店舗数の拡大に伴い、既存店とのカニバリゼーションや撤退リスクへの懸念も高まる。しかし増井氏は「既存店の売上は減っていない」と話す。むしろドミナント効果で売上が上がるケースもあるという。潜在市場の掘り起こしと来店数増加施策により、さらなる成長余地があると見込む一方、若年層への認知拡大という新たな課題も見えてきた。
出店余地が急拡大 併設店での出店が増加
―業界ナンバーワンの店舗数となり、出店余地も限られてくるかと思います。今後の出店についてのお考えを教えてください。
増井 1年ほど前は、1300店舗が上限だと考えていました。しかし、今はその店舗数を超えて、まだまだ出店余地があることがわかってきました。2027年に3000店舗を目指すことを、社内で話し合っています。
既存店の売上や新店の状況を見ながら出店しているため、慎重さは必要ですが、まだまだ増店できると考えています。
―なぜ上限だと思っていた1300店舗から3000店舗まで、出店余地が増えているのでしょうか。
増井 市場のデータを見てみると、過去3年間で買取店を利用したことがある人は、日本全体でわずか13%。これが20%になれば、単純計算で今の約1.8倍の店舗数が必要になります。つまり、まだまだ成長の余地が大きい。
潜在市場を含めたマーケットの規模は66兆円と言われています。現在が約3兆円なので、22倍のポテンシャルがあることになります。そうなると店舗数の天井はまだ見えてこないのです。
現在、あの手この手で出店余地を探しているところなんですが、最近は併設店での出店が増えています。特に携帯電話のキャリアショップや大型書店、中古車店などを展開している企業に加盟していただき、店舗内に買取大吉を出店しています。ほかにも新しい出店手法を模索しているところです。
―店舗数が増えてくると、どうしても店舗同士が売上を食い合う、カニバる状態が懸念されます。撤退リスクも上がると思いますが、どのように対策されるのでしょうか。
増井 出店が増えて既存店の売上が落ちることを心配されていると思うのですが、現状は減っていません。ドミナント的な効果で、既存店の売上が上がっているケースもあるのです。
つい先日札幌に新店を出店したのですが、札幌はすでに何店舗もあるため、出すところなんてないという印象を持たれると思います。しかし、しっかりと買い取りができています。

来店客の取りこぼしDX化の遅れに課題
―店舗がある程度密集していても影響がないと。
増井 現在でも、新店舗には本部スタッフが7日間サポートに入り、その間は毎日数字の報告が本社にも上がってきます。事前にオーナーには買取大吉の収支モデルを説明していますが、多くの新店舗がその数字をクリアできています。
そして、これまで買取店を利用したことがない8割の方でも、徒歩圏内に出店されると、やっと腰を上げて、売ってみようという気になるのだと思います。店舗が増えることによって潜在市場の掘り起こしになっているのです。また本部としても、既存店の来店数を増やすため色々な施策を行っています。
―来店数を増やすために具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。
増井 最近では、監査部で直営店の前月の来店人数の報告と、店舗カメラの映像の人数が一致しているかチェックしています。来店してくれた方々を取りこぼしているケースが多発していることがわかったからです。
カウンターでお客様の対応をしていると、新しくのれんをくぐってくれたお客様に気づかず声掛けができずに、そのまま帰ってしまうことが思ったよりも頻発していました。そのため、現在監査部が取りこぼした人数の把握に努めています。この改善に取り組むことで、まだまだ来客数を伸ばせる大きなポテンシャルがあると考えています。その数字をもとに、お客様の取りこぼしに対してどのような対策をするか考えていきたいですね。
加えて、これまでアナログでやってきて、DX化は後手に回っているので、予約システムなどを入れることも検討したいと思います。来店数を増やす伸びしろは、まだまだあると考えています。課題はまだたくさんあるため、それを改善できたら店舗数をもっと増やせると、改めて感じています。
―ほかにはどのような課題があるのでしょうか。
増井 企業同士の会合に参加し名刺交換をすると、「買取大吉」を認知してもらっていることがほとんどですが、学生にはまだまだ知られていないことがわかりました。先日、とある大学生向けの交流会に参加させてもらったのですが、学生たちは「買取大吉」と聞いても、顔に疑問の表情が浮かびます。リユース業界ということすら認知されていない状態でした。
テレビをあまり見ない世代ですし、我々のターゲットユーザーは40〜50代ですから、「それはそうか」と納得の結果ではありましたが、一方でこれは大きな課題だと感じましたね。
当社でも新卒採用を再開し、優秀な人材を採るためにも、就職先の選択肢に入れてもらえるよう、若年層への認知の拡大は急務だと思います。
―買取大吉が目指す将来像を教えてください。
増井 我々が目指すのは、単なる店舗数の拡大ではありません。「買取といえば買取大吉」と、誰もが真っ先に思い浮かべるブランドになることです。
そのためには、認知度だけでなく信頼性の向上、そして利用経験者を増やしていくことが不可欠。そういった意味では、2026年は基盤を固める年になります。66兆円とも言われる潜在市場を私たちの手で開拓できれば、おのずと3000店舗の出店は達成できるのではないかと思っています。
エンパワー
(東京都新宿区)
増井 俊介社長(52)
1973年9月28日、大阪府生まれ。大学卒業後、大手通信会社に入社し、法人・個人営業に携わる。複数の関連会社代表を歴任したのち、2011年にコールセンター事業を起業し、その後事業を売却。2016年、株式会社エンパワーの代表取締役に就任。2021年には著書「学歴なし、人脈なしなら、社長になれ!」を出版。
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