【C-United】珈琲館の食事メニューを刷新し喫食率がアップ(後編)

公開日:2023.06.07

最終更新日:2023.06.07

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

新店の規模をスケールアップ 運営の最適化で労働生産性が伸長

 同社で展開しているブランドはすべて喫茶業態であるため、コロナ禍で軒並み停滞を強いられたという。しかし現在はどのブランドも回復傾向にあり、珈琲館が特に好調で、コロナ以前の2019年と比較しても売上が120%に伸びている。食事メニューの充実を図る、店舗のスケールを見直すなど、勝ちパターンを掴めたがことが好調の要因だという。同社で現在FC展開をしているのは、「珈琲館」「カフェ・ド・クリエ」の業態だ。加盟店に対しては販促物費用の半分を本部が持つ、値上がりした原料の卸値を据え置くなどの支援をしてきたという。

「加盟店を先にウィンの状態に」 販促物費用を本部が半分負担

病院併設のカフェ・ド・クリエ ホピタル

――御社は多数の喫茶業態を展開されていますが、コロナ禍3年間のそれぞれのブランドの状況をお聞きしたいです。
友成 コロナ下であったため総じてどのブランドも停滞しました。珈琲館は郊外への出店がメインですが、それでも2020年5〜7月は底まで落ち込みましたね。しかし、住宅街に近い立地であったことが功を奏し、回復は非常に早かったです。去年の中盤頃からコロナ前の2019年ベースで比較しても売上が伸びており、現在は120%伸びとなっています。
 一方で、ベローチェはビジネス街や繁華街中心の立地のため、回復は非常に遅かったです。ところが、去年の終わりごろからかなり戻って来て、2019年ベースと比べて売上が100%を超えています。カフェ・ド・クリエもオフィス街立地が多く、ベローチェ以上に苦戦しました。また、病院併設の「カフェ・ド・クリエホピタル」は、お見舞いを規制している病院が多く、業績の回復が悪かった。しかし徐々にお見舞いが解禁になってきたため、売上が上がってきています。
――どのブランドも業績が戻ってきているのですね。特に珈琲館が好調のようですがその要因は。
友成 どのくらいのお客さまをお迎えしたら、ビジネスとして一番効率が良いかなど、色々と検証を繰り返していたのですが、その検証が終わって勝ちパターンを掴むことができたのです。それまで直営店を出す時は30〜40坪くらいが多かったのですが、大型の方が収益性を高めることがわかり、現在は50〜70坪の店舗を出しています。
 また、食事メニューを充実させ、ようやくお客さまのニーズに合致してきたのか喫食率が上がり、直近の客単価が800円以上と以前よりも上がっています。さらに、我々の中で売上構成が固まってきたので、機械の配置、人員の配置の最適化ができ、無駄な人件費を使わずに済むようになりました。新店においてはオペレーションの効率が上がったため、結果的に労働生産性が20%ほど上がりました。
――現在FC展開されているのが、珈琲館とカフェ・ド・クリエのブランドですが、コロナ禍で加盟店の収益を上げるために何か取り組まれたことはありますか。
友成 コロナ禍中は、チラシなどの販促物の費用を我々の方で半分持つなどの支援策を度々行ってきました。また、去年から原材料が上がっていますが、卸値に関しては今年の5月いっぱいまで据え置きにしています。FC事業は、本部も加盟店もお互いウィンウィンではなければならないという話をよく聞くと思いますが、私はウィンウィンになる順序が重要だと思っています。まずは先に加盟店にウィンになってもらい、その後本部がおこぼれをいただく。長期的に見たら、加盟店にウィンになっていただかないと、本部がウィンになることはないですから。
 また、月並みではありますが、ウーバーを入れてデリバリー、テイクアウトの強化もしましたね。デリバリーとテイクアウトが一緒のくくりになっていますが、よく出る店舗で5%くらいの売上です。それでも、デリバリーやテイクアウトの売上は元々なかったもので5%売上が乗っているわけですから大きい数字だと考えています。
――今後の成長戦略は。
友成 やはりFC展開をしている珈琲館、カフェ・ド・クリエは一番伸ばしていきたいブランドです。珈琲館に関しては出店していない地域が多く、出店の余地がまだまだあります。地域密着型の店舗で、各ローカルエリアで戦える武器は十分に持っていると思うので、地域の名士と呼ばれる方々と組んで、広げていきたいと考えています。
 カフェ・ド・クリエに関しては、ホピタルがまだまだお見舞いなどの規制がある中でも収益が上がっており安定しているので、ホピタル業態を増やしていきたいと考えています。病院でコンペティションが行われる場合は、我々は必ず手を上げるようにしています。カフェ・ド・クリエは健康的なメニューが多いので、高い確率でうちを選んでいただけており、6月にも北海道大学病院にオープンする予定です。現状全店合わせて約600店舗なので、この5年間で800店舗に伸ばしていきたいですね。あと個人的には珈琲館の海外進出も視野に入れています。

珈琲館は現在、2019年比120%の売上を叩き出している。

【C-United】珈琲館の食事メニューを刷新し喫食率がアップ(前編)はこちら

 

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