【C-United】珈琲館の食事メニューを刷新し喫食率がアップ(前編)

公開日:2023.06.07

最終更新日:2023.06.07

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

コロナ以前の2019年比で売上が120%伸び

 C-Unitedは、「珈琲館」と「カフェ・ベローチェ」などを展開していたシャノアールが合併し、2021年から始動した。さらに2022年にサッポログループ食品傘下であったポッカクリエイトを買収し、「カフェ・ド・クリエ」の運営もスタート。「珈琲館」218店舗、「カフェ・ド・クリエ」198店舗、「カフェ・ベローチェ」163店舗など、合計7ブランド579店舗を全国に展開している。

C-United(東京都港区) 友成 勇樹社長(59) 珈琲館、カフェ・ド・クリエ、カフェ・ベローチェ、THE SMOKIST COFFEE、メゾン・ド・ヴェール 他

PROFILE ともなり・ゆうき
1963年生まれ。東京都出身。大手ハンバーガーチェーンを皮切りに飲食業界で確かな実績を残す。2018年、旧・珈琲館株式会社の代表取締役に就任し、2社のM&Aを経て、2021年4月にC-United株 式会社に社名変更。現在に至る。

 

 

 

 

喫煙目的店舗に業態転換 受動喫煙の機会と量を減らす

店内には大風量換気システムを設置

喫煙者率の高い地域のベローチェをTHE SMOKIST COFFEEに業態転換

 

 

 

 

 

 

 

 

――2021年に始動された御社ですが、2020年からコロナ禍となっていたため、喫茶業態の運営には大きな影響があったと思います。
友成 コロナももちろんですが、2020年は健康増進法の改正でタバコの規制が強まり、そのタイミングで喫茶店事業は大打撃を受けました。健康増進法の改正は大きなターニングポイントだったのですが、そこにコロナも来て、我々にとってはダブルパンチでしたね。
 当時はシャノアールという旧体制でしたが、ベローチェはタバコを吸うニーズの方が多く、かつコロナもあり赤字店舗が続出しました。しかし、我々は街の資産となるお店づくりをテーマにしているため、赤字になったからといってすぐに閉店という選択をしたくはありませんでした。そこで何らかの形でお客さまに喜ばれ、我々のビジネスになるお店にできないかと考え、喫煙目的店舗に変えることを思い付いたのです。そして2020年に新橋、神田、須田町、東新宿という特にタバコを吸われる方が多かった地域のベローチェを「THE SMOKIST COFFEE」という店舗へ業態転換しました。
――喫煙目的の店舗運営にはどのような条件が必要になるのでしょうか。
友成 20歳未満の方は働けず、基本的に切る、煮る、茹でるなどの調理行為を行うことができません。しかし、電子レンジで温めるといった作業は許可されています。調理と作業の線引きが非常に難しく、そこは各行政との話し合いが必要でした。我々としても喫煙目的の店舗づくりが初めてだったため、戸惑うことが多く、出店にこぎつけるまでに苦労しました。
――THE SMOKIST COFFEE を出店され、何か反響はありましたか。
友成 我々は THE SMOKIST COFFEE を出すにあたって、社会的な役割を2つ決めました。1つは非喫煙者に対して受動喫煙の機会を減らすこと。もう1つは、喫煙者の受動喫煙の量を減らすことです。喫煙者といえども受動喫煙を嫌うため、店舗内での受動喫煙の量を減らすため、大きな投資をして空気清浄機メーカーと手を組み、最新の空気清浄のシステムを入れました。通常の喫煙目的店舗に比べれば、空気を格段にキレイにすることができましたね。
 プレスリリースを出した時に、消費者団体からクレームが来ることを覚悟していたのですが、非喫煙者の方から地域の路上喫煙者が減ったのが目に見えて嬉しいなどのお褒めの言葉を随分いただきました。行政からのニーズも高く、特に仙台市は路上規制のエリアがとても大きかったためすごく歓迎してくれました。我々としては心のゆとりを持てるタバコの吸い方ができる場を提供したいと考えていますので、またニーズの高いエリアがあれば出店を検討したいですね。
――コロナ下にも新たな業態を立ち上げ、さらに昨年はポッカクリエイトを買収され、「カフェ・ド・クリエ」の展開もスタートされています。買収に至った経緯を教えてください。
友成 サッポログループ食品さんは外食事業が本業ではないため、本業としてやってくれるところにポッカクリエイトを譲りたいという話が出ており、そこに手を上げたのです。カフェ・ド・クリエは、スムージーなど健康的なメニューが豊富で、お客さまの女性比率が非常に高い業態。一方、珈琲館はどちらかというと男性主体の客層で、ベローチェもやや男性主体のため、上手く棲み分けができるブランドだと考えました。2022年の4月に買収し、今年月に管理システムなどを統合した方が効率が良いため、当初の予定通り合併という形を採りました。

健康的なメニューが豊富なカフェ・ド・クリエは女性比率が高い業態

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