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【連載 第15回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2025.10.01

最終更新日:2025.09.24

※以下はビジネスチャンス2025年10月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

フランチャイズ成功の鍵を握る「物件選定力」 

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

本部任せにせず、自ら見極める目を持とう

FC本部が勧めてきた物件で成功するのか?
 店舗型フランチャイズに加盟すると、まず物件探しから始まります。読者の皆様は、店舗経営においてエリアや立地の選定が、最も重要な要素の一つであることはすでにご存じでしょう。そしてこれは、本部の店舗開発力が問われる場面でもあります。
 ここで、特に注意が必要なのが新興フランチャイズ本部の場合です。新興フランチャイズ本部は直営店での出店実績が乏しく、ブランドに適したエリアや立地を判断するノウハウが不十分なことがあります。そのため、本部が勧める物件や、本部が承認した物件に対して鵜呑みにせず、自分自身で最終判断を下す姿勢が求められます。
 極端な例ですが、フランチャイズ本部が、加盟者が決定した物件のエリアに足を運んだこともなく、物件を内見することもなく承認を出し、「物件を決めたのは加盟者の責任」と言い出すケースもあります。こうしたリスクを避けるためにも、本部の助言を参考にしつつも、自らの「物件選定力」を高めることが、フランチャイズ加盟店として成功するための第一歩となります。

「本部が成功した場所」=「あなたが成功する場所」ではない
 本部が直営店で成功した物件を真似しても、同じように成功できるとは限りません。直営店は、立地条件や接客レベル、オペレーションが一定以上の水準に保たれています。これにより、たとえ不利な条件があったとしても繁盛する可能性があります。
 一方で、加盟店が同じビジネスモデルを別の立地で展開した場合、結果が大きく異なることも珍しくありません。例えば、本部の直営店が観光地にあり、年中新規来店が見込める場所で、価格帯もその土地の相場に合っていた場合、多少サービスが劣っていても集客が可能でしょう。しかし、その成功事例をもとに、繁華街や駅前物件といった立地で、同じプロダクトとオペレーションで出店しても、期待通りの成果が出るとは限りません。
 さらに、「人通りが多い=集客力が高い」と考えがちですが、そもそも通行人が自店のターゲット層と一致していなければ集客にはつながりません。例えば、ディナー需要を狙った飲食店が、日中のみ賑わうようなエリアに出店した場合、「人は多いが売れない」といった結果になる可能性もあります。

今月の一句

本部より 信じるべきは 己の眼

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フランチャイズ
繁友健志
店舗情報サービス
不動産Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

 

 

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