
【連載 第13回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛
公開日:2025.06.02
最終更新日:2025.06.06
※以下はビジネスチャンス2025年6月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
不動産会社との良好な関係が安定経営の鍵!
FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。
積極的なアプローチと丁寧な対応が信頼関係のポイント
不動産会社を「味方にする」
今回は、安定した店舗経営には欠かせない、不動産会社と良好な関係性を築くためのポイントについてお伝えします。
よく、「不動産会社は敵なのか味方なのか?」と聞かれますが、大前提として、多くの不動産会社は物件所有者である貸主の味方です。ですが、条件がピッタリの店舗物件を探す際や、条件交渉で要望を少しでも通すためにも、不動産会社を自分の味方にすることが大切です。
内見の目的は不動産会社との関係性作り
物件を探す際に、まずはアットホームなどのポータルサイトで検索しますが、候補となる物件が少ない場合は、「借りないけど惜しい物件」を内見しましょう。内見の目的は、そのエリアの物件を扱っている不動産会社とコネクションを作ることです。
できれば、3物件、それぞれ3社の不動産会社に連絡して内見すると良いでしょう。
ポイントは本気の姿勢を見せること
内見の際、不動産会社の方と名刺交換を行い、「この条件の物件があれば即決するので探してください」と依頼しておきましょう。しかし、必ず3日後にこちらから電話をします。連絡を待っていても不動産会社から提案してくれることは少ないからです。電話では、内見対応のお礼を伝え、再度「この条件の物件があれば即決します」と念押しします。
そしてさらに1週間後、再度電話をかけます。このように積極的にアプローチすることで、本気でこのエリアで物件を探しており、条件に合う物件があれば即契約するという意思が伝わり、不動産会社から候補物件が上がってきやすくなります。
このくらい動かなければ、不動産会社から物件を提案されることは少ないと思ってください。「良さそうな物件があれば、1年以内にオープンします」など借りるか借りないかわからないような発言をすると、不動産会社に相手にされません。
丁寧な対応が信頼関係と安定経営の鍵
物件を申し込む際は、敷金の減額や賃料の減額、フリーレントなど、自社の出店基準に合うようリクエストしましょう。申込書に希望条件を記載して、別紙で会社やブランドを紹介する資料をメールで提出します。そして、不動産会社に電話し、「なんとしてもこの条件でお借りしたいのですが、大家さんのご意向も考慮したいのでご意見を聞かせてください」と連絡しましょう。ここまで丁寧な対応をすれば、一方的で面倒な申込者だとは思われず、貸主との調整をしてもらえるでしょう。不動産会社との付き合い方次第で候補物件が増え、有利な条件で物件を借りられる可能性が高まります。自社に合う物件を安く、少ない労力で借りることができれば、その後の店舗経営も安定した経営に繋がります。
今月の一句
決まるのは 己の姿勢 敵味方
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Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。
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