【やる気スイッチグループ】教育業態の複数ブランドを2400教室展開

公開日:2026.01.19

最終更新日:2026.01.19

※以下はビジネスチャンス2026年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

2026年は新たな取組みを打ち出しで成長の年に

 教育業界のトップランナー、やる気スイッチグループは英会話環境の学童保育施設「Kids Duo」を始めとし、個別指導学習塾「スクールIE」やプログラミング教育「HALLO」など8ブランドの教育系FCブランドを展開している。現在は海外を含めグループ全体で2400拠点を構える。1997年にFC事業を開始した同社の歩みと、複数ブランドを展開する経営戦略について話を聞いた。

スクールIEから始まったFC事業の歩み
プログラミング教育 HALLO、4年で900拠点以上展開

 やる気スイッチグループ全体における、フランチャイズ教室の売上を含む前期(2025年2月期)売上高は578億円となっており、前々期比107.7%となっている。2024年の出生数が70万人を割り、少子化の影響が懸念される教育業界だが、市場の縮小はないと高橋直司社長は話す。1人当たりの教育費は、1970年の2.4万円から2017年の37.1万円に増加し、約16倍に伸びている。(※)
(※)参議院:経済のプリズムコラムNo.16より

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スクールIEは通行人からの視認性を大切にしている

ブランド間のノウハウ共有が奏功 「自分力」を磨くという理念

―御社の前期売上が578億円で、前々期比107.7%と伺っています。グループ全体の拠点数は2400になりましたが、ここまで拡大できた要因は何でしょうか。
高橋 立地、設え、顧客に満足いただけるサービス提供、これらを高い水準で運営できるノウハウを持っていることにあります。特に物件においては独自の基準を設け、それに満たない場合は開校しないようにしています。
―立地や設えではどのような基準がありますか。
高橋 立地では商圏とターゲット層のマッチしているエリアを選び、目の前の交差点からどのように教室が見えるかまで配慮しています。通行人からの視認性を高めた看板などの打ち出し方や装飾をすることで、しっかりと目に留まるような教室作りをしています。
―顧客満足度の向上のために特に研修に力を入れていると聞きました。
高橋 顧客が満足することで教室の長期経営に繋がると考えています。加盟時や教室長が代わるときなどに研修を行っており、2週間ほどの研修を朝から晩まで受けていただきます。また、講師の方にもeラーニングを行い、試験に合格しないと授業ができないシステムを敷いています。複数ブランドに加盟している加盟店の方からはこんなに研修が厳しいところは他にはないと言われました。(笑)ほかにも、私たちはクオリティサポートと呼んでいますが、本部から直接顧客に電話などでアンケートを取り、その教室が問題なく運営できているか確認するなど、店舗の状況を把握する体制を整えています。
―1997年からフランチャイズ事業を始められて、もうすぐ30年を迎えられますね。御社の沿革についてお聞かせください。
高橋 私の入社が1998年で、その1年前からFC事業を手掛けています。入社当時はスクールIEの直営校が30校ほど、FC校は10校ほどでした。出店基準を設けたことや、満足度向上に力を入れたことで、スクールIEだけで1200校まで伸ばしてきました。
―スクールIEの出店数を伸ばす一方で、複数ブランドの展開にも着手しています。2000年頃に次のブランドである英語・英会話教室「Win Be」と幼児教室「チャイルド・アイズ」を開始しました。
高橋 ブランドを開始した当初は、実はどちらもうまくいきませんでした。試行錯誤する中で、先に述べたスクールIEの独自の基準を両ブランドに取り入れたのです。そこから急激に伸び、順調に出店数を増やすことができました。
―他ブランドで成功した手法を取り入れたことが功を奏した。
高橋 同じことが「Kids Duo」でも言えます。2008年に始めた幼児の英語学童で、複雑なオペレーションに加え、送迎バスなどがあるため収益性もきちんと確立しなければいけません。そのため加盟店に受け入れやすいビジネスモデルの構築が重要で、それをスクールIEで100校立ち上げてきたチームに一任しました。これまでに積み上げたノウハウを Kids Duoに落とし込むことができ、結果Kids Duoは順調に教室数を伸ばしています。同業界内で複数展開したことで、ブランド間でノウハウを共有できることは当社の強みの一つです。
―2020年に始めたプログラミング教育「HALLO」は4年で900拠点以上まで伸びました。
高橋 5坪ほどのスペースがあれば開業可能なため、既存の教室に併設するケースが多く、書店やカーディーラーにも加盟いただいています。こういった業種は、本屋や車の販売店に親子で通うため、本流の事業の接触機会増加に繋がるのです。全体で700以上いる加盟オーナーの半分が加盟しており、スクールIEやKids Duoに併設しています。もう半分は学習塾や物販を営む企業が多いです。
―複数ブランドを展開して、全て成功している秘訣はブランド同士の相互作用にあるのですね。
高橋 もう一つ大事な要素が、全てのブランドの根底に同じ理念が通っている点です。自分で考え、自分で決めて、自分で行動する力を養ってもらいたいという想いでサービスの構築をしています。教育の目的は、将来なりたい未来を想像して、そのために何を頑張りたいか、生きていくための「自分力」を身に着けることです。そのうえでスキルとして、学力や英会話、プログラミングなどの技術を磨くため、各ブランドに派生している形ですね。そこが顧客に喜ばれていて、結果として生徒の平均在籍期間が約35カ月となっています。

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英語学童のKids Duoはバス送迎も行っている

坪数に応じて自由に組み合わせできるブランド配置
TBSグループ入りで加速した動画活用と事業シナジー

 同社は、複合型教育施設「やる気スイッチスクエア」の展開や、テレビ局TBSのグループインなど、FC本部としてさまざまな取り組みを行っている。顧客、加盟店、本部全てにメリットがあり、ここにも同社が大切にしている三方良しの理念が通っている。各ブランドの事業拡大を進めながら、どのような事業戦略に取り組んでいるのか聞いた。

加盟店と顧客、双方にメリット 動画の質向上で教育にも幅

―2000年前半頃から、複数ブランドを出店する複合型教育施設(現在の『やる気スイッチスクエア』)を展開しています。
高橋 スクエアはグループが展開する複数のブランドを1か所に集めた教育施設になっています。子どもの成長段階や興味に合わせた習熟ができることが特徴です。たとえば、幼児のころから英会話や体操に取り組み、成長とともにプログラミングや学習塾に移っていくなど。物件の坪数次第でさまざまなブランドの組み合わせができます。たとえば、20坪の場合はチャイルド・アイズやWin Be、HALLOなどを組み合わせ、150坪ほどの場合はバイリンガル幼稚園「i Kids Star」やKids Duo、スクールIEを併設するなど。加盟店の状況に則した提案を行っています。
―加盟店にとっても顧客にとってもメリットが多そうですね。
高橋 加盟店にとっては広告宣伝費と集客の手間を抑えられます。また、施設内に複数ブランドがあるため、教室ごとの受付が必要なく、坪数を抑えることもできます。顧客にとっても受付が1か所なのは楽ですよね。同じ場所で長くさまざまな教育を受けられることもメリットだと思います。この取り組みは地域貢献になりますし、加盟店にとってもLTV(顧客生涯価値)が上がり経営が安定します。これからも増やしていきたいと考えています。
―近年では、2023年に TBSのグループ子会社になっています。社内や事業面での変化はありますか。
高橋 まず、TBS グループのJNN系列の放送局、たとえばテレビユー福島(TUF)、チューリップテレビ(TUT)、大分放送(OBS)などが私たちのFCに加盟しました。
―テレビ局がフランチャイズに加盟しているんですね。
高橋 各局がそれぞれの地域で「忍者ナイン」やスクールIE、HALLOなどのブランドを展開してくださっています。また、大きな変化として、社内で動画がよく使われるようになりました。研修やプロモーション用にも動画を活用しています。
―そうした動画は教育教材としても活用されているのでしょうか。
高橋 研修用や教育用など、幅広く使っています。たとえば、科学や工学などの5要素を学ぶSTEAM教育の現場では、TBSが制作した動画を使って授業を行っています。恐竜が立体的に現れたりして、子どもたちの印象に強く残ります。教育業界でも映像を使う例はありましたが、TBSの制作力が加わったことでクオリティが圧倒的に高まりました。
―加盟局がテレビCMなどを放送するケースもあると聞きました。
高橋 自局で積極的にCMを流してくれています。結果的に他のオーナーさんにも集客効果が波及します。皆さんとても喜ばれていますね。

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複数ブランドを1カ所に集めたやる気スイッチスクエア

親子で参加する体験型学習で広がる学び 2026年は新施策の本格展開へ

 展開してきたブランドを全て順調に伸ばしている同社だが、新しい取り組みを常に行う姿勢は変わらない。新ブランド「We Act!(R)(ウィーアクト)」を始め、子どもだけでなく保護者も楽しめるプログラムを用意している。2025年の振り返りと、2026年の抱負を聞いた。

サンリオとのコラボレーション 楽しんで学べるプログラム

―今後、特に注力したいブランドはありますか。
高橋 正直どれも大事で一つに絞るのは難しく、全部しっかり広めていきたいというのが本音です。昨年立ち上げた We Act!という新ブランドは、新たにFC展開できるよう進めています。やる気スイッチグループが持つ子どものやる気スイッチを引き出す指導メソッドと、サンリオが開発した「Sanrio English Master」のコラボレーションで実現した英会話スクールでサンリオキャラクターと一緒に映画制作を通じて英語を学ぶ教育パッケージです。レッスン動画には、監督のハローキティ、脚本家のシナモロール、カメラマンのポムポムプリン、クルーのバディエディが登場し、子どもたちの学びを楽しくサポートします。
―それはどんな内容でしょうか。
高橋 毎月4回のレッスンを行い、1週目はオーディションを行います。2週目のアフレコでは、本格的なスタジオでマイクを使い、ネイティブスピーカーの先生とオンラインで繋ぎながら発音や感情表現の指導を受けます。3週目はリハーサルで、セリフに動きをつけて全身で表現しながら演じます。4週目の本番・試写会では、グリーンバック(クロマキー)で、子どもたちがアニメの世界に入り込んでいるように見える映像を撮影します。
―映画づくりが本格的ですね。
高橋 まさにそうです。完成した映像は試写室のような空間で上映して、子どもたちは自分が出た映画を観ることができます。毎月1本ずつ作品を作っていき、年間で10本の映画を制作するイメージですね。そのほかにも半期ごとに映画祭を開催して、「リーダーシップ」や「演技力」など、何かしらの形で全員を表彰し、受賞スピーチを披露してもらいます。これが本当に感動的なんですよ。
―子どもたちも楽しみながら学べそうです。
高橋 子どもたちは家でも何度も動画を見返して、自然に英語のシャドーイングをしています。英会話スクールというと、週1回のレッスンでなかなか話せるようにならないという声も多いですが、We Act!は没入感が圧倒的に違います。映画スタジオのような空間で、子どもたちが非日常の中で学ぶことで自然に英語を話す力が身につくのです。
―現在は何校展開されていますか。
高橋 現在は世田谷に1教室あります。サンリオとの合弁会社サンリオやる気エデュテイリングを2025年9月に設立し、FCパッケージの開発・拡販や導入支援を行うことで、FC展開を本格化しています。15坪から始めることができて、加盟店はネイティブスピーカーの講師を雇う必要がないので、収支を立てやすいブランドになっています。

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スクールIEの授業風景、展開するブランドは共通して自分力を高める

教育の現場にAIを導入 2026年は成長の年に

―2025年はどのような取り組みに注力されましたか。
高橋 全体の売上を前々期比107.7%に伸ばしながら、さまざまな準備をしてきました。その一つが We Act!です。ほかにも、映像授業を個別指導や幼児教室にも活かせるよう準備を進めています。また、プログラミング教育ではPreferred Networksという、日本有数のAI・スーパーコンピュータ関連企業と組んでAI小論文指導システムをつかった「AI・小論文対策クラス」というプログラムを開発しています。
―具体的にはどんな内容ですか。
高橋 AIが子どもたちの小論文を1分ほどで添削するソフトです。小論文の指導は人手が足りず、時間もかかるので、AIの導入で大きく効率化できます。このような新教材があることで、新しい生徒層を呼び込めますし、既存生徒にも追加で提案できるので、一人当たりの単価を上げることにもつながります。オーナーにとっては経営の幅が広がると思います。来年春頃から本格的にリリース予定です。
―「体験型」の取り組みにも力を入れていると伺いました。
高橋 いまはまだ直営校のみですが、親子で参加できる体験学習を始めています。たとえば、八ヶ岳にある国立天文台で星空観察をしながら宇宙を学ぶツアーや、福島の「ブリティッシュヒルズ」という英語環境の宿泊施設で行う英語合宿などがあります。また、北海道ではネイティブ講師と一緒に2泊3日で大自然の中を過ごすプログラムも実施しています。
―楽しみながら学ぶ機会ですね。
高橋 子どもだけでなく保護者も一緒に参加できるようにしています。親御さん自身がファンになってくださることがとても大事だと思っています。こうしたプログラムは、来年から加盟店でも実施できるよう準備しています。
―2026年は準備してきたものを広げていく年になりますね。
高橋 2025年までに作ってきた新しいものを皆さんに届けられるので、当社としても成長の年になると感じています。ほかにも、実はまだ社内にも発表していない新企画もあります(笑)。楽しみにしていてください。

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親子で学ぶ自然体験ツアーの様子

 

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(東京都中央区)
高橋 直司(55)
1969年静岡県生まれ、横浜国立大学経営学部卒業。1998年株式会社拓人(現 株式会社やる気スイッチグループ)に入社。スクールIEの教室長や事業責任者、立ち上げに関わった幼児ブランドを統括する会社の代表を経て、2018年株式会社やる気スイッチグループホールディングスの代表取締役社長に就任。

 

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