
【クレバリーホーム・ VARY’S】Z世代を対象にした規格住宅ブランド「VARY’S」リニューアルから4カ月で23拠点に増加
公開日:2025.04.22
最終更新日:2025.05.06
※以下はビジネスチャンス2025年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
快適性と安全性、メンテナンス性に優れたタイル貼りの家を手掛けるクレバリーホームは、昨年8月に姉妹ブランド「VARY’S」をリニューアルした。同ブランドは契約前に、同社専属のインテリアコーディネーターと打ち合わせして顧客の理想の暮らしを具体化し、家具や雑貨、建物などを含めてワンプライスで提供する。家具付き物件とは一線を画す、家と家具を同時に買える新システムを普及させるため、VARY’SのFC展開に本腰を入れる。
タイル張りの家を提供 4万4000棟の受注実績
--御社は98年に「クレバリーホーム」のFC展開を開始し、現在は工務店やゼネコンを中心に全国153拠点に広がっています。
松田 クレバリーホームは、親会社である新昭和(千葉県君津市)の理念をベースにスタートしたFCブランドになります。工務店としての新昭和のこだわりは、メンテナンス費用がなるべく掛からない住宅を提供することです。ローコストメーカーの場合は2000万円ほどで住宅が建てられますが、10~15年後には何百万円とメンテナンス費用が掛かります。これをどうにかしたいということで、メンテナンス性能の高いタイル貼りの家を考案しました。
また、重いタイルを支えるための骨組みとして、SPG構造とモノコック構造を掛け合わせたプレミアム・ハイブリッド構法を独自開発し、これを標準仕様としています。その結果、津波や地震にも耐えられる強い家になりました。
--タイル貼りの家の受注数はどのくらいですか。
松田 累計で4万4000棟です。現在の平均単価は2400~2500万円となっており、顧客層は30~40代で、主に警察官や自衛隊などの公務員やガテン系の方が多いです。

クレバリーホームのタイル張りの家
多様性を持つ姉妹ブランド ターゲットはZ世代
--クレバリーホームを主力ブランドとする一方で、18年から姉妹ブランド「VARY’S」の展開もスタートされました。
松田 VARY’Sはクレバリーホームに来ないお客様に向けて商品を提供できるセカンドブランドとしてスタートしました。
菊間 分かりやすくいうと、ユニクロさんが「GU」をやっているように、異なるターゲットに向けて商品を提供するためにブランドごと分けました。当時は〝モノ売りからコト売りへ”という考え方が普及し始めた頃で、我々も単に家を売るのではなく、暮らしぶりを売ろうと考えました。しかし、そういったお客様は家を買いに来るわけでないので、クレバリーホームには来ません。そこのニーズを取り入れるため、7年前にVARY’Sをスタートしました。
--昨年、ブランドを大幅リニューアルされました。リブランド後のコンセプトを教えてください。
菊間 住宅、家具、それに付随するコーディネート、カーテンや照明、生活雑貨など、全てが同時に買えるワンプライスの家がコンセプトです。
家具付きの住宅はよくありますが、それとは全くニュアンスが違います。普通は物件契約後に家具の話になりますが、我々は最初に家具の話をします。まず、VARY’S専属のコーディネーターがお客様の好みをヒアリングし、物件契約前に室内イメージを提案します。仕上がりと暮らしのイメージが固まったら、次はそれにフィットする家と間取りを選んでいきます。その後、ローン審査を経て購入を決定する流れとなります。
松田 日本にはたくさんの住宅会社がありますが、お客様が求める空間イメージをプロデュースできる会社はほぼありません。お客様の要望を聞きながら、家具や雑貨まで取り揃えて契約前に提案するサービスがなかったため、そこに着目しました。
--ワンプライスとありましたが、いくらでしょうか。
松田 24坪で1800万円ほどです。ローコストメーカーでも建物のみで2000万円くらいするので、家具や雑貨、建物込みで1800万円は画期的だと思います。
--VARY’Sのペルソナは。
菊間 Z世代を徹底的にターゲットにしています。24~25歳でパワーカップルといかないまでも、世帯年収が700万円あれば十分に家と土地が購入できます。東京都内は難しいですが、アパートの家賃で8~10万円を払っているのであれば、同じくらいの金額でローンが組めます。
また VARY’Sは、建物外観は平凡で家の中はトレンディドラマに出てくるような憧れ空間、というギャップ感を狙っています。そのため、スーツを着たお役所勤めの方や学校の先生など、「冒険はしたいけどちょっと踏み込めない」「外見の派手さよりは家の中で冒険したい」という人をペルソナとして作り込んでおり、その層がドンピシャで来ます。こういった層はクレバリーホームには来ませんし、来ても買えなかったりします。だからこそ、セカンドブランドとして VARY’Sを広げていくのです。

トレンディドラマのような空間も実現するVARY’S
異業種参入も可能 1棟受注で投資額以上の利益
--加盟条件を教えてください。
菊間 加盟金は50万円、ロイヤリティは4万円です。工務店がプラスαの売上を立てるために加盟することを想定していますが、異業種参入も可能です。建設業の許可は必要ですが、その条件を満たせるよう我々もサポートします。また、加盟当初、施工体制が整うまでは、本部の施工サポートを受けることが可能です。適切な施工体制を構築するサポートも行います。
--初期投資が少ないので、すぐに回収できそうです。
松田 1棟建てたら投資額以上の利益が出ます。工務店の場合、VARY’Sで年間6棟売れたとするならば1800万円×6棟で1億800万円の売上がプラスになるイメージです。営業利益率は25%を想定しています。
菊間 加盟店は月4万円のロイヤリティで、ドラマや映画のセット作りを経験したコーディネーターを雇用することなく利用できます。また、必須ではありませんが、加盟店には契約を取るためにモデルハウスを建てていただきます。通常、モデルハウスは何年か経ったら建て替えるケースが多いですが、それだとリスクもあるので、我々は建売、要は分譲形式でも良しとしています。つまり、土地を買ってモデルハウスを建てて、1年くらい使ってそのまま売却しても問題ありません。このように、なるべく加盟店のリスクを減らす手法を取っているので、加盟しやすいと思います。
--御社の将来的な目標を教えてください。
松田 クレバリーホームはこの3年で200拠点が目標です。VARY’Sはリニューアル後4カ月で拠点に広がっており、今後は47都道府県制覇を目指します。
(クレバリーホーム:千葉県君津市)
(左) 松田 芳輝 社長(54)(右)菊間 文弥 取締役(60)
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