【月島もんじゃ・お好み焼き てっぱん】1号店をFCでスタートさせた月島もんじゃ店
公開日:2024.06.15
最終更新日:2024.06.15
※以下はビジネスチャンス2024年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
良質な商品・サービスでインバウンド需要に対応
うまプロが展開する月島もんじゃ・お好み焼き「てっぱん」は、国内外で展開する行列の絶えない天丼専門店「金子半之助」の創業者である金子真也社長が、東京下町の「もんじゃ」を世界へ広めたいと考え立ち上げた。同店は2021年11月にFCで1号店をオープン。その後、FCや完全投資型で増店を行い、現在5店舗を展開している。同店は、現在インバウンドによるニーズの拡大に見合う商品とサービスの提供に注力している。ブランドの特長や運営方針について松村僚COOに聞いた。
Profile:まつむら・りょう
1989年(平成元年)生まれ。滋賀県大津市出身。2008年に日本マクドナルド株式会社に入社。2021年より株式会社うまプロに参画し最高執行責任者(COO)に就任。
需要拡大に見合う商品の提供おしゃれな内装で女子会需要も
--「てっぱん」のFCモデルを作ろうと考えたきっかけを教えてください。
松村 当社の代表の金子が東京の下町出身で、昔からもんじゃが生活の一部にあったそうです。また、私が今まで飲食業に携わることで培ってきた知見やノウハウも活かして、より美味しいもんじゃを届けたいと思いました。もんじゃは歴史が長く、本来ブームにはならない商売ですが、今はインバウンドの影響でブームになりつつあります。しかし、そのブームに見合った商品を世の中のもんじゃ屋が提供できていないのではないかと感じています。そこにメスを入れたいという思いから事業を始めました。
--既存のもんじゃ店の具体的な課題は何だったのでしょうか。
松村 1つ目が、建物自体が古い店が多いという点です。これは良さでもあるとは考えています。もう1つが、店は素もんじゃを提供し、お客様自身でもんじゃを作り、ソースなどで味付けをして食べているという点です。
--もんじゃといえば、顧客が自分で作って楽しむという面もあったと思いますが。
松村 もちろん、自分で作りたい方は自分で作っていただいても大丈夫です。しかし当社としては、徹底的に考えて作り上げた私たちが思う「うまいもの」を、お客様に提供したいと考えています。他店との差別化のため、当店は基本的に従業員がもんじゃを作ります。作り方一つで味は大きく変わってしまうので、正しい調理方法とレシピで、常に最高の状態で召し上がっていただきたいと思っています。
--御社は1号店をFCで出店された点が非常に珍しいです。
松村 2021年の11月に向ケ丘遊園店をFCでオープンさせ、出店ベースですと現在5店舗です。FCに手を挙げてくださった1号店のオーナーさんに、実験も兼ねて1年間店舗を回していただき、上手く軌道に乗せることができました。また、ブランドとしてやっていけると考えていたところに完全投資型で松戸に出店したいというお話をいただきました。直営に回そうと考えていた人材を投資型の方に回したこともあり、結果的に直営の出店をしていなかったのですが、今後直営の出店予定があります。また、7月には完全投資型で滋賀県にも出店予定です。
--来店者のペルソナを教えてください。
松村 若い女性2名組をメインに考えています。もんじゃはターゲットを絞らなくても顧客を獲得できるのが強みなので、ご年配の方やサラリーマン、主婦や外国人、ファミリー層など、いろいろな方の取り込みに成功しています。従来は、意外と集客できていなかったのが若い女性客だと思います。当店は、客席を広めにゆったりと造り、内装を清潔感のあるおしゃれな雰囲気にすることで、女子会にも使っていただけています。実際の来店者に関しても、若い女性客は半数を超えていると思います。
良質なサービスをマニュアル化東京の味で競合店と差別化
--若い女性を集客するための施策は何かこだわりがあるのでしょうか。
松村 当店はアルバイトスタッフの年齢が若く、平均年齢が歳です。また8割が女性です。なので、その影響がお客様にも広がるのではないかと考えています。また、SNSのグルメアカウントなどに掲載してもらうことで、若い年代への訴求を行っています。これは今後も力を入れていく予定です。
--なぜ若い人材を集めることが可能なのでしょうか。
松村 飲食業界は人手に困っている店が多いですが、私は昔から人材に困ったことが無いんです。その理由として、業界の古い考えを取り除けば、若い子たちは働きに来てくれることが分かっているからです。例えば、未だに染髪を禁止する店は結構ありますが、染めているからといってそれを不快に思うお客様はほぼいないです。飲食店なので清潔感さえあれば問題ありません。若い世代が働きやすく、働きたいと思ってくれるような環境づくりをしています。
--リピーターを獲得するための施策を教えてください。
松村 飲食店なので基本的なことですが、店舗体験が最も重要です。小手先の策に頼らず、お客様に満足していただけるサービスを徹底しています。スタッフが調理をするのもその手法で、お客様とコミュニケーションを取って満足度を高めることや取り皿をこまめに交換することなど、ルールとしてマニュアルに落とし込んでいます。また、松戸東口店は2月からLINEでスタンプカードを始めました。1カ月で1500人ほどの方に登録していただきました。
--初期投資と収益モデルを教えてください。
松村 30坪で40〜50席が標準の店舗サイズです。加盟金300万円、保証金100万円、内装工事費2750万円、設備費250万円、その他費用が230万円で合計3630万円です。研修の際は松戸店に来ていただいて、まず5日間の研修を行います。その際の費用は15万円をいただいています。また、オープンサポートとして、開店前後でSVを店舗に約10日間派遣するのですが、その費用が25万円です。
また収益モデルは、月商700万円で、そのうち原価が25〜26%、人件費が25〜26%で、FL合わせて50〜55%で推移する想定です。そして家賃が10%、ロイヤリティが5%です。営業利益は約20%になります。
--今後の出店数の目安はありますか。
松村 今期で7店舗、25年に15店舗、26年に21店舗です。26年に50店舗を達成する出店ペースをイメージしています。
--展開エリアは全国とのことですが、関西には御社と競合するチェーン店が結構あるように感じます。
松村 関西は20〜30店舗展開しているチェーンが結構多いです。しかし、当店の月島もんじゃは、東京発祥のもので、関西で展開している競合店が提供する商品とは別物です。なので、食べていただければ美味しさがわかるのではないかと考えています。現在、2023年6月オープンの大阪店は出店当初の倍の売上を出しているので、私たちにとって自信がついたポイントでもあります。
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