【リハプライド】医学的エビデンスに基づくリハビリで高齢者の運動機能を向上
公開日:2024.11.27
最終更新日:2024.11.27
※以下はビジネスチャンス2024年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
パーキンソン病や認知症などの症状が回復した事例も多数あり
高齢化社会が進行する今、要介護状態にある高齢者が自立した生活を送れるよう、日常生活上の世話や機能訓練などを行うデイサービスの需要が増大している。そのサービス内容は施設によって異なり、レクリエーションを中心にした単なる預かりサービスに留まるものもある。一方、リハコンテンツが手掛ける「リハプライド」は、医学的エビデンスに基づいたリハビリサービスを提供しており、身体の麻痺や認知症など多数の改善実績を持つ。2010年のFC開始以降は着実に店舗数を伸ばし、現在は直営店、FC190店を展開している。
軽い負荷で運動機能を向上 介護が重い人ほどよく改善
-御社が展開する「リハプライド」は、ほかのデイサービスとどういった点で異なるのでしょうか。
山下 当事業所では、自立支援介護学の理論に基づいたリハビリプログラムを提供しています。最近は業界でも自立という言葉をよく耳にしますが、その定義は曖昧です。WHOの健康の三原則によると、健康とは身体的・精神的・社会的のつが良好な状態と定義されています。自立についても同じで、身体的自立・精神的自立・社会的自立の3つが備わっている必要があります。高齢者の場合、身体の自由が効かなくなり身体的自立を失うことで、精神的自立・社会的自立も失われていきます。そのため、私たちのサービス内容は身体的な自立を取り戻すこと、つまり、運動機能を向上させることに焦点を当てています。
-運動機能を向上させるために、リハビリに特化している。
山下 私たちが提供するのは、専用のトレーニングマシンを使ったパワーリハビリテーションです。6種類のマシンで手足を動かすトレーニングを行い、座る・立つ・歩くといった生活の基本動作に必要な筋肉に刺激を与えます。ただし、これは筋トレではありません。約3キロと非常に軽い負荷で、自分の体重を支える必要のない状態で行います。そのため、運動強度は入浴よりも軽いです。通常、運動後は血圧が上がりますが、当事業所の利用者の7割は軽度の運動による血流改善で血圧が下がります。
―パワーリハビリテーションによって、どのくらい介護状態が改善されるのですか。
山下 当事業所に1年以上通った利用者様約1万人のデータによると、要介護3の方の21%が要介護2以下に改善し、要介護4は39%、要介護5は31%の改善が見られました。3年以上になると、要介護3は29%、要介護4は56%、要介護5は61%の改善となっています。こうした要介護度の改善に加え、認知症やパーキンソン病、糖尿病などの症状が回復した事例が多数あります。
―最も介助が必要な要介護5の人ほど、改善率が高いですね。
山下 介護の重たい方が無理なく通えて、非常に改善しやすいのが特徴です。また、当事業所では水分摂取を徹底しています。高齢者はもれなく水分不足と言われています。そうなると体が動きにくくなるほか、食欲減退による栄養不足、ひいては便秘といった症状が現れます。高齢者の体調不良には水分不足によるケースが結構あるため、当事業所では半日で500ml以上の水分摂取を徹底しています。
―1回あたりどれくらいの料金で通えますか。
山下 対象を要支援1から要介護5の方としていますので、利用者は介護保険を使えます。平均利用単価は5285円ですが、ほとんどの方が1割負担となるため1回あたり約520円で通えることになります。
―利用者層の特徴は。
山下 一般的なデイサービスと比べて、要介護者の割合と男性比率が高いことが特徴です。要介護者でも無理なくできるリハビリを提供していることで、利用者のうち約7割が要介護者、約3割が要支援者になっています。また、デイサービスは女性利用者が約8割と言われていますが、当事業所は男性が55%、女性が45%と多数の男性の方に通っていただいています。
半日型は30坪で開業可能 2030年に2000店舗が目標
―FCパッケージは半日型と1日型の2パターンと聞きました。
山下 FCの9割が半日型で開業しています。半日型は午前と午後の二部制で、送迎や体操、リハビリトレーニングなどを1回3時間15分で行います。一方、1日型は半日型のメニューに食事と入浴が加わります。1日型で開業する場合は、お風呂などの水回りの整備を含めて60坪ほど必要になりますが、半日型の場合は30坪とコンパクトなスペースで開業できます。
―半日型で開業する場合の初期投資を教えてください。
山下 30坪の場合は加盟パッケージ料金610万円、保証金60万円、内外装費500万円、諸経費150万円、リハビリマシン700万円、看板施工費万円で合計約2100万円です。そのほか運転資金を1500万円ほどご用意いただきます。
―その場合の収益モデルは。
山下 開業2年目以降で26日営業(日曜定休)、稼働率80%の場合、月間利用者数749人で月商約395万円に対し、営業利益は約114万円(28.9%)を見込んでいます。経費の内訳は人件費46.6%、家賃5.1%、水道光熱費0.9%、販売促進費1.3%、諸経費3.3%。そのほか月々発生する費用としては、ロイヤリティ17万円、ライセンス料1万5000円、マシン割賦12万3200円、車両・複合機リース8万9600円となっています。
―スタッフは何人配置しますか。
山下 先述のモデルだと、平日、土曜ともに8人を基本に運営しています。また、デイサービスを開業するには生活相談員や機能訓練指導員、看護職員といった有資格者に加え、管理者や介護職員、送迎のためのドライバーが必要となります。スタッフの募集は本部がサポートしており、募集媒体に掲載する原稿の提供や採用面接の同席を行っています。
―開業前研修について教えてください。
山下 研修は現場訓練を中心に日間行います。サービスの特徴であるパワーリハビリテーションの意義や進行方法、解除全般の知識や通所記録の書き方などを指導します。また、デイサービスの集客はケアマネージャーへの営業が基本となります。ケアマネージャーに介護が必要な方を斡旋してもらえるよう、セールストークの指導や効果的なニュースレターの提供に加え、同行営業や当事業所を知ってもらうための内覧会を実施しています。
―今後の目標は。
山下 当事業所とパワーリハビリテーションの効果を認知してもらうため、今後もFCを軸に出店を進め、2030年までに2000店舗体制とすることを目標にしています。高齢者の中には、お医者様からこれ以上の改善は難しいという診断を受けて、諦めてしまっている方もいます。しかし、これまでお話したように水分を摂って満遍なく身体を動かすことで、運動機能の回復はもちろん、認知症が改善した方も多数いらっしゃいます。当事業所がより周知されれば多くの人の不安を取り除くことにも繫がりますので、今後も出店拡大に注力していきます。
次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌
フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。
次号発売のお知らせ
2024年12月23日発売
記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌
“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。