【プロントコーポレーション】昼の客足はコロナ前の水準に回復

公開日:2023.06.16

最終更新日:2023.07.31

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

生活様式の変化で夜は未だ苦戦中

 外出自粛が薄れたことで、オフィスや繁華街に立地する喫茶店にも客足が戻ってきた。しかし、早期帰宅の習慣が定着した今、夜利用は若干の回復に留まっている。

 

メイン顧客が若いと回復が早い傾向

 コロナのダメージが最も大きかった居酒屋業態。2019年対比の売上高(以下同)に着目すると、2020年は52.3%と半減。各自治体による時短要請により、メイン売上となる20時以降の営業中止を余儀なくされた。2021年は、緊急事態宣言下の規制に酒類提供の制限・禁止が加わったことで、売上高は26.8%と壊滅的だった。2022年はコロナ関連の規制が緩和されたが、夜間の外食と大口宴会需要が回復せず、売上高は46.7%とコロナ前の半分以下に留まっている。
 しかし、居酒屋が軒並み落ち込んでいるわけではない。Di PUNTOは、洗練された空間と斬新な提供方法で若い女性の支持を獲得。若年層は酒類を提供する飲食店への復帰も早く、同店も早い段階で客足が回復した。運営会社のプロントコーポレーションは、2021年にPRONTOの大幅なリブランディングを行い、夜はネオ大衆居酒屋に寄せたキッサカバへと生まれ変わった。昼と夜の双方を主力とした同店は、主に人通りの多い繁華街に出店。人流が活発化した今、リブランディングの真価を発揮する。

ワインの酒場。 Di PUNTO 昼はカフェ、夜はサカバ。 PRONTO和カフェ Tsumugi 他 プロントコーポレーション(東京都港区) 常務取締役 児玉 哲朗氏(52)

PROFILE こだま・てつろう
宮崎県出身。1994年中央大学卒業後、サントリー株式会社(現 : サントリーホールディングス株式会社)に入社。広島支店、広域営業本部の酒類営業を経験し、その後市場開発本部を通じて外食企業の営業を経験。2019年4月同社取締役、2021年1月 ディプントカンパニー長に就任。 2023年4月より同社常務取締役、子会社の株式会社プロントサービス代表取締役社長を兼任。

 

 

 

 

 

20~30代女性の強い支持を受ける気軽なワイン酒場 2022年にオープンした店舗が27坪で月商約1000万円

 プロントコーポレーションが展開する「ワインの酒場。Di PUNTO」は、20~30代の女性に強い支持を受け、2009年のオープンから、前年比売上100%超えを10年間継続し続けてきたという。コロナ禍で苦戦を強いられたものの、送客の仕組み作りに注力してきたことが実を結び始め、今後の伸びに期待ができる業態だ。また同社で展開する「昼はカフェ、夜はサカバ。PRONTO」も2021年というタイミングで大幅なリブランディングを行い、ここにきて客単価や売上を伸ばしている。

客単価約3000円、女性客が8割 MEO対策、SEO対策に注力

―御社が展開する「Di PUNTO(ディプント)」は2009年にオープンされています。
児玉 Di PUNTOは、親会社のサントリーとの関係もあり、当初は女性にハイボールを楽しんでもらえるお店というコンセプトでスタートしました。ハイボール×生ハムという売り出し方をしていたのですが、ハイボールよりもワインの方がターゲットのニーズに合うと考え、1年程度でワイン酒場に切り替えました。すると、客単価3000円程度でワインが気軽に楽しめる酒場として、20〜30代の女性に強く支持され始めたのです。その結果オープンから10年間、既存店すべてが売上前年比100%超えを継続。そして2019年には店舗数が最大の39店舗になりました。

―その後、コロナの蔓延が始まりましたが状況はいかがでしたか。
児玉 ピザのテイクアウトなども始めたのですが、経営にインパクトを与えるような売上にならず非常に厳しい状況でしたね。しかし、Di PUNTOの客層の8割ほどが20〜30代の女性というアクティブな層なので、戻りは早いだろうと自信を持っていました。
 FCオーナーさんには変わらずQSCを徹底するよう呼びかけ、SVが月に1回必ず臨店し、電話対応を含め、密なコミュニケーションを取り続けてきました。コロナ下でも低い撤退率に抑えられたのは、SVがFCオーナーさんと信頼関係をしっかりと築いていた結果だと考えています。

―コロナ禍で他に取り組まれたことはありますか。
児玉 グループでプロントビジネススクールを運営しており、FCオーナーさんにはさまざまな講義を受けてもらえるので、サポート体制はしっかりと構築しています。コロナ禍中も月に一回リモートで勉強会を開き、SNSの効果的な使い方などを伝え続けてきました。本部としても、2020年からMEO対策、SEO対策に注力し、加盟店に送客をする仕組み作りを始め、現在それがボディブローのように、効果を発揮してきています。
 KITTE博多という商業施設にあった「ブリオッシュドーレ」というパン屋を、2022年7月にDi PUNTOに業態転換をしたのですが、それが見事に当たり27坪で月商約1000万円を売上げています。今後は、各店舗の売上を伸ばすことに注力しつつ、商業施設やターミナル駅の出店も視野に入れる考えです。

ディプント品川インターシティ店

昼はカフェ、夜はキッサカバ 強い二面性を打ち出す業態に転換

―御社で展開している代表ブランドである「PRONTO」は2021年というタイミングでリブランディングをしています。
児玉 現在プロントカンパニー長に就任している片山が、2020年4月というタイミングでサントリーから赴任してきて、当時からトレンドになっていたネオ大衆酒場に寄せるべきだと提案をしたのです。それまで、昼はカフェ、夜はバーという二毛作で30年以上展開してきたのですが、コロナが明けた時の競争力を高めておくために、コロナ禍での大幅なリブランディングを決行しました。
 そしてブランドカラー、ロゴなども刷新し、昼はよりデザイン性を高めたカフェに、夜はレトロさを前面に出した「キッサカバ」にガラリと変わりました。現在は、昼と夜でまったく違う雰囲気を出す「二面性」というキーワードを大きく打ち出しています。

―リブランディングをしてお客さまからの反応はいかがですか。
児玉 リブランディングしたのがコロナ禍真っ只中だったので、なかなか大変でしたが、現在客単価がグッと上がり、売上も上がってきています。2021年はもろにコロナ禍で、2022年もまだコロナの影響があったので、ある意味今年が勝負の年になると思います。
 Z世代にレトロな雰囲気やメニューが刺さっており、またその世代は発信力が強いので、今後もそこを意識した展開を大事にします。人流が動けば動くほどPRONTOという業態は強くなるので、今年は非常に期待ができると思います。

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