【ペコジュニア】不二家からアイスクリーム業に移行し10店舗展開

公開日:2026.03.11

最終更新日:2026.03.02

※以下はビジネスチャンス2026年4月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

家族から組織による運営転換で体制強化へ

 ペコジュニアは、茨城県を拠点にサーティワンアイスクリーム(以下、サーティワン)を中心としたFCビジネスを展開する企業だ。そのルーツは、祖父の代に加盟した不二家の出店にあった。製菓・販売店として事業をスタートさせ、その後、アイスクリームを中心とした業態に移行してきた。現在は、サーティワン9店舗と不二家1店舗を運営し、前期の売上は約3億7600万円を上げている。

不二家の品質問題で影響 収支の安定性に魅力

 同社の歴史は、1972年に阿部倫太朗社長の祖父が不二家に個人加盟したことから始まった。当時の不二家は、地域密着型の洋菓子店としてブランド力を発揮しており、店内製造と販売を組み合わせたモデルで出店した。開店後の売上は好調を維持し、エリア別(茨城県北部)売上で一番店となったこともあるという。
 1984年に法人化し、ペコジュニアを設立。しばらくの間は、単店舗での運営を続けてきたが、90年代に入ると年1店舗のペースで出店を広げ、5店舗まで拡大したという。
 一方、2000年にはアイスクリーム専門店のサーティワンに加盟。阿部社長の祖母(当時専務)が、海外旅行で口にしたサーティワンのアイスクリームを気に入ったことが加盟のきっかけだったという。当時はまだアイスクリーム専門店が少なく、ブランド自体に成長の余地が大きいと判断したことも加盟の判断材料だった。加盟同年に2店舗を出店し、不二家の品質問題で影響収支の安定性に魅力2003年までに5店舗まで拡大した。本部からの出店提案や自ら物件を探し出店を重ねた。
 「当時のコンビニアイスは今ほど充実しておらず、移動販売のアイスが多かったと聞いています。そんな中で出店されたアイスクリーム専門店でしたので、大きな賑わいを見せたそうです」(阿部社長)
 不二家5店、サーティワン5店の計10店舗による経営は順調に進んだ。
 しかし、そんな同社の経営状況は、2007年に起きた不二家の品質管理問題によって一変する。本部工場で製造され、出荷されていた洋菓子から基準値を超える細菌が検出された。消費期限切れの牛乳を使っていたことが原因だった。
 これにより、全洋菓子製品の製造・販売を一時休止。直営店だけでなくFC店も一時営業休止することになった。この問題は、同社がまさに不二家店舗の改装を立て続けに行っていた矢先の出来事で、財務面の運営においても大きな痛手だったという。3カ月の休止期間を超え営業を再開したものの、一度ついてしまったイメージの回復は難しく、客足が遠のいた。
 この出来事をきっかけに、不二家店舗はサーティワンが併設された日立店を残して他を閉店。その後の経営戦略としてサーティワンに比重を置く判断に至った。2010年代中旬に、直営店や他オーナーから譲り受ける形で4店舗を増やし、現在ではサーティワンを9店舗運営している。

#フランチャイズ
#ペコジュニア
#サーティワンアイスクリーム
#不二家

2ブランドが2in1となっているイオン高萩店

 不二家の問題を経験した後、一時、同社は業態の多角化を図り、宅配業態である「銀のさら」と「釜寅」に挑戦した。しかし、阿部社長によれば、多くの課題に直面した取り組みだったという。両ブランドはいずれも、当日の受注件数を事前に予測し、食材を解凍・仕込みしておく必要がある業態である。需要予測と仕込み量のバランスが難しく、廃棄ロスを抑えることが大きな課題となった。
 結果として、原価管理に加え人件費の負担も重なり、投資回収は想定通りには進まなかった。最終的に、数年後に両店を撤退した。
 「費用がかさみ、結果として少なくない負債を抱えることになってしまいました。こうした経験があったからこそ、収支を見通しやすいサーティワンに、経営の安定性を感じるようになりました」(阿部社長)
 アイスクリームは冷凍保存が可能で、ほかの飲食業に比べ廃棄のリスクが低く仕込みの量が読みやすい。そうした店舗を運営する上での安心材料が、経営において重要だと阿部社長は話す。展開しているサーティワンの現在の平均月商は300万円前後で、順調な経営を継続している

繋がりの機会創出 エリアによる分社化

同社では現在、2ブランド合わせて10店舗を運営をしているが、これまで多店舗展開を囲っていく上で工夫している点が2つあるという。
 1つ目がスタッフのモチベーションの管理についてだ。月1回の店長会議や社員研修を通じて、店舗間の横の繋がりを強化。さらに、月に2回以上阿部社長が店舗を回り、スタッフとコミュニケーションをとる機会を作っている。従業員にとって、社長や他店舗と交流する機会を多く作っているのだ。
 「私は『人の繋がりが一番大切』だと考えております。経営陣はプレッシャーを与えているつもりが無くても、本人にとって負担になっていることがあります。抱えたものを共有できるように縦と横の両面から風通しの良い環境を整えるようにしています」(阿部社長)
 2つ目が出店エリアで法人を分けている点だ。同社は、茨城県を中心に展開する中、3店舗を福島県で出店している。その3店舗の出店・運営管理を、別法人であるペコパレット(店舗数はペコジュニアに含む)にて行っている。その目的は、事務所から店舗へのアクセスをしやすいようにしたことと、出店の際の借り入れにある。地方の銀行では、当該エリアに事務所が無いと資金を貸し出しできないケースがあるからだ。
 「現在、パート・アルバイトを含め、ペコジュニアで60人ほど、ペコパレットで40人ほどの従業員を抱えています。エリア別に分社化することで、スタッフなどの管理で負担を分散できています。また、借り入れにも柔軟な対応ができる環境にしています。経理作業が増えるので一長一短がありますけどね」(阿部社長)

#フランチャイズ
#ペコジュニア
#サーティワンアイスクリーム
#不二家

イオンいわき店、集客が強いためSCに多く出店している

脱・家族経営で体制強化へ 既存店売上4億目指す

 2022年に三代目として経営を引き継いだ阿部社長は、経営体制の再構築に着手している。創業以来、同社は家族を中心に回る会社だった。意思決定が早く、現場との距離も近い一方で、経営が特定の人物に依存しやすい。店舗数の規模が広がるほど、管理の安定性においてリスクが増す。
 「現在は私が自分の足で全店舗を回って管理していますが、店舗が増えてきたことで移動だけで時間がかかってしまっています。そこで、試験的にエリアマネージャーを設けて運営のリスク軽減を始めました」(阿部社長)
 店長やエリア責任者といった中間層の育成に力を入れ始めた同社は、人に依存しすぎない運営の実現が、今後の経営のテーマだ。「これまでは自分が動くことで物事を解決してきましたが、家族経営を長く続けて、役員の高齢化が目立つようになってきました。多店舗運営を持続させるために、外部からの新しい風を入れて、会社としての体制を整えたいと考えています。それと並行して、既存店舗の売上4億円を目標としています」(阿部社長)

会社概要
代表者: 阿部 倫太朗
所在地: 茨城県日立市
創業: 昭和59年
資本金: 800万円
事業内容: 茨城県・福島県にて「サーティワンアイスクリーム」の運営、「不二家」の運営

#フランチャイズ
#ペコジュニア
#サーティワンアイスクリーム
#不二家

ペコジュニア
(茨城県日立市)
阿部 倫太朗社長(35)
1990年福島県生まれ。2013年に文教大学国際学部卒業。同年、株式会社島忠に入社。2016年に有限会社ペコジュニア・有限会社ペコパレットの取締役店舗運営統括部部長に就任。いわき地区の組織体制構築と全社DX化リードに取り組む。2022年4月に代表取締役に就任。新人事制度の構築やアルバイト教育・昇給制度の構築に力を入れている。

 

関連記事

▶【ハウスドゥ】宅建業法のないタイに進出、業界のスタンダードを築く
▶【アップガレージグループ】カー&バイク用品などのリユース店を26店舗展開
▶【やる気スイッチグループ】教育業態の複数ブランドを2400教室展開

 

次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。

ビジネスチャンス
最新号
2026年4月号
2月24日発売

非学習系スクールが熱い!体験価値で勝つフランチャイズ

詳細はこちら

定期購読お申込み

記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。

定期購読お申し込みはこちら