【スパゲッティーのパンチョ】少人数・短時間業態は客足減らず

公開日:2023.07.03

最終更新日:2023.07.03

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

テイクアウト・デリバリーも好相性

 パスタ料理店はランチ営業に強く︑時短営業の影響も比較的少なかった。少人数・短時間・食事業態は、総じて売上確保ができていた。

 

大盛無料で他チェーンと差別化

 パスタはイタリア料理店のみならず、ファミリーレストランやカフェ、コンビニでも定番の人気商品である。その中で、一風変わったコンセプトを持つのが「スパゲッティーのパンチョ」だ。同店は男性をターゲットにしたナポリタン専門店で、サラリーマンの1人利用が多く、回転率が非常に高い。コロナ禍で少人数短時間業態は好調であり、同店も全店で黒字を継続。過去3年間で19店舗の増店を果たした。

一難去らずしてまた一難 不撓不屈の外食産業

 原価高騰や人手不足問題など、外食産業を取り巻く環境は依然として厳しい。しかし、公的な移動制限がなかった2022年は、外食全体でコロナ前の94%まで回復している。今年3月にはマスク着用が原則不要となり、5月にはコロナの感染法上の分類が5類に引き下げられる。
 今後は、これまで叶わなかった対面コミュニケーションが重視され、送迎会や忘年会など大口宴会の増加も期待できる。外食企業にとって、今年は正に勝負の年になるだろう。

スパゲッティーのパンチョ パンチョ(東京都武蔵野市) CEO 野尻 圭介氏(48)

PROFILE のじり・けいすけ
1974年12月生まれ。埼玉県狭山市出身。2016年4月に株式会社B級グルメ研究所に入社し「スパゲッティーのパンチョ」に携わる。2019年9月に同社部長に昇格。2022年7月に株式会社パンチョの事業分社化に伴いCEOに就任。現在に至る。

 

 

 

 

 

会社員男性向けに立ち上げたナポリタン専門店 競合不在で1か月以内の再来店率は85%に及ぶ

 ナポリタン専門店「スパゲッティーのパンチョ」は2009年にオープンし、現在は全国に34店舗を展開している。創業当初は、直営・FCの飲食ブランド143店舗(今年3月末時点)を展開するファイブグループ(東京都武蔵野市)の一事業部だったが、昨年7月にパンチョとして分社化。FC加盟や出店などの決裁権をもつようになり、経営スピードが向上した。新体制下では好立地への出店やヒット商品の開発に注力し、知名度向上を狙う。

店舗は昔懐かしさを演出 味は現代風にアップデート

―なぜナポリタン専門店を立ち上げたのですか。
野尻 パンチョは、男性がクイックに食べられるパスタ屋をコンセプトに立ち上げたブランドです。開発当初はナポリタン専門店ではなくパスタ屋で展開するつもりでした。しかし、賃料を安く抑えようとすると地下の小規模店舗が前提となります。厨房も必然的に小さくなり、設備を増やせないことからメニューを絞ることにしました。そこで行きついたのがナポリタンです。
 ナポリタンは日本生まれで、多くのサラリーマンに馴染みのあるメニューです。昔懐かしい雰囲気を演出するため、店舗はレンガ調でギンガムチェックのテーブルクロスを敷き、昭和のポスターを貼り、食事は銀皿でお出ししています。
 一方で、味は現代の人に受け入れられるようアレンジしました。一般的なナポリタンはケチャップのみで炒めますが、当店はフレッシュトマトを使用したナポリタンソースとニンニク、特製スパイスで炒めます。これにより、パンチョでしか出せない常習性のある味を生み出しています。

―現在はコロナ前の売上を上回る勢いで回復しています。
野尻 実は、コロナ下の20年に3店舗、21年に10店舗、22年に6店舗を出店しています。19年には内々でFC募集を行い、そこで加盟したオーナーさんが地方を中心に次々と店をオープンしました。当店はターゲットが狭く売れなさそうに見えますが、リピート率が高く、非常に安定性のある事業です。現在、お客様の1か月以内の再来店率は80〜85%に上ります(店舗アンケートより)。その理由は、味・コンセプト・分かりやすさにあると考えます。
 ファイブグループでは驚きをコンセプトに業態開発を行います。パンチョの場合は量です。基本は小・並・大・メガで展開しているのですが、400グラムの並と600グラムのメガで料金は変わりません。大盛り無料でチェーン展開しているのは、当店だけだと思います。さらに、粉チーズかけ放題や大きなタバスコを置くなど、驚きの仕掛けを何重にも作っています。また、誰もが知っているナポリタンの〝専門店〞という分かりやすさもポイントです。特にロードサイド店はファミリーを含め、幅広い客層に支持されています。

―コロナ禍では、オープン当初から取り組んでいたテイクアウトが好調でした。
野尻 コロナ下の売上構成比はイートインが4割だったのに対し、テイクアウト・デリバリーが6割でした。デリバリーだけで月商300万円を叩き出した店舗もあるほどです。イートインは1〜2種類だったトッピングが、デリバリーだと全選択も珍しくありません。そのため、デリバリー単価は1800〜2000円となっています。
 また、当店のナポリタンはしっかり炒めているため、時間が経っても美味しく食べられます。店内テイクアウトは大盛でも料金が変わらないため、2回に分けて食べる方も多いです。

―現在は、全国で店舗を展開されています。今後の目標を教えてください。
野尻 まずは、認知度の拡大です。現在、東京の知名度は17%ですが、これを3年で50%に引き上げます。知名度向上の一つに出店規模がありますが、私たちは商品やコンセプトのブランディングに力を入れます。最近では、コンビニとコラボして弁当を出したほか、冷凍ナポリタンやナポリタンソースを開発してスーパーで販売しました。
 また、効果的なPRやマーケティングによってメディア出演を増やします。当店にはコアなファンが多いため、ゆくゆくはパンチョマニアであるフォロワーの中からアンバサダーを選出し、広告塔をやってもらう考えです。
 そして、もう一つ重要なのが未顧客の来店動機を作ることです。当店は地下店舗が多く入りづらいことから、知っているけどまだ来店していない人が非常に多くいます。そこで、未顧客を誘致するべくヒット商品の開発に取り組んでいます。ネーミングとビジュアル、味の想像しやすさに重点を置き、ナポリタンとカルボナーラを掛け合わせた「ナポたま」をリリースしました。
 こうした話題作りを行った結果、ツイッターのインプレッション数は10倍以上跳ね上がり、エンゲージメント率もインプレッション数10万人超えで4〜5%と、高い水準を叩き出しています。現在の新規比率は28%ですが、今後は主要ターミナル駅前の積極的な出店と、効果的なSNSマーケティングで30〜35%を維持できるようにしたいです。

銀皿で提供することで、昔懐かしい雰囲気を演出

 

 

 

 

 

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