【chocoZAP】3年弱で1800店舗・会員数120万人超えのモンスターブランド(前編)

公開日:2025.11.19

最終更新日:2025.11.18

※以下はビジネスチャンス2025年12月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。

24h無人ジム「チョコザップ」がFC事業に本格参入

 ジム運営をはじめとするヘルスケア・美容事業などを手掛ける RIZAPは、今年5月にコンビニジム「chocoZAP(以下:チョコザップ)」のFC募集を開始した。月額2980円でトレーニングマシンや美容マシンのほか、ゴルフやカラオケといったエンターテインメントも楽しめる同店は、フィットネス未経験者の需要を掘り起こし、約1年で会員数でフィットネスジム業界ナンバーワンに上り詰めた。瀬戸健社長に、チョコザップFC化の経緯や今後の成長戦略について聞いた。

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コロナ禍の2022年にオープンし、順調に店舗数を伸ばしてきた

 RIZAPの親会社である RIZAPグループは、エンターテインメント商品等の小売・リユース事業の店舗運営やインテリア雑貨等の企画から販売まで、手広く事業を手掛けている。グループ全体の業績は売上収益が1710億9000万円に対し、営業利益は18億8200万円、最終利益は2億6400万円。チョコザップ事業への大幅投資により赤字が続いていたが、前期は3期ぶりに通期連結営業黒字と最終黒字を達成した。当期予想は売上収益1720億円、営業利益110億円と、6.1倍の大幅増益を見込んでいる。

スタートから大幅投資 約3年で黒字化へ

─御社のチョコザップ事業は急速な店舗拡大を遂げる一方で、赤字続きでした。しかし、8月に発表した26年第1四半期の最終利益は実質前年同期比約29億円の改善となり、営業黒字となっています。
瀬戸 これまでは新規店舗を増やして広告宣伝費をかけ、一気にお客さんを集めるための投資をしてきました。加えて、ジムで使用するマシンの償却期間を早めました。一般的には年10くらいのところ、当社は1年にするなど、ある意味マイナスを早めに付けていました。その分、始めは赤字を掘りますが、会員数を集めた後、サブスクで回収できるモデルを目指してきました。
─利益改善した理由をお伺いしたいです。
瀬戸 コスト構造の見直しが関係しています。前期はトラックレコード2年目なので、イレギュラーもありました。エアコンやエステマシンをフル稼働したことによる故障、私服利用によるマシンの損傷などが発生し、緊急対応を行いました。去年はエアコンの修理だけで1億円掛かりました。
─こうしたイレギュラーはどのように改善されたのですか。
瀬戸 始めはイレギュラーで読めなかったものも、季節を経てレギュラーになります。そのため、故障を未然に防ぐための定期メンテナンスを入れるなどの対策を講じています。こうすることで追加コストが掛からなくなり、正常化したことにより利益も改善されました。

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コロナを契機にデジタルに活路を見出す

─御社はパーソナルトレーニングジムの「RIZAP」のほか、美容関連用品等の販売事業やアパレル事業など多角経営をされていますが、そもそもチョコザップはどのような経緯で生まれたのでしょうか。
瀬戸 我々は「危機」と「チャンス」の両方に取り組むメソッドで経営してきましたが、直近の危機はコロナ禍でした。RIZAPは対面型なので休業も強いられましたし、マンツーマン英会話の「RIZAP ENGLISH」は対面からオンラインに切り替わりました。しかし、店舗撤退するにしても違約金が残っているので、これを何とか使わないといけない。ならば、「できることは何でもやろう」という思いがありました。
 それと同時に、我々はRIZAPでお客様の結果にコミットするため、人材教育や品質の安定を継続して図ってきましたが、その一方で、1人ひとりにマンツーマンサービスを提供する難しさを感じていました。そんな中、コロナ禍のデジタル化によってハイパフォーマーのライブ配信やオンデマンドを活用したマシン説明、入退管理や監視制御など、我々が今までできなかったことを含めて色んなことができるようになり、デジタルを活用すればさらに多くの人に広められると感じました。また、RIZAPは日本で一番高いジムだったので、今度は日本で一番安いジムにしようということでチョコザップが生まれました。
─そこから3年で1800店舗に広げましたが、どういう戦略でここまで伸ばそうと考えていたのですか。
瀬戸 運動をシームレスにしたかったんです。これまでの運動は、準備をして、知識を付けて、気合いを入れて取り組む特別なもので、全く民主化されていませんでした。そこで我々は、スマホをいじるくらい無意識にシームレスにしたいと考えました。利用者がストレスなく通うためには、物理的に家から距離が近いことも重要です。日常生活の延長線上にあるフィットネスにできたらと考えました。
─スピーディーな店舗拡大を狙うならFC展開も有効な手段の1つですが、なぜ御社はこれまで直営のみで展開してきたのでしょうか。
瀬戸 我々が誰よりも当事者となるべく、失敗やノウハウは全部自分たちで貯めようと考えたからです。そのため、香港や台湾、アメリカといった海外店舗も全部独資で運営しています。逆に、そうしないと他人事になってしまうので、スピード感ある改善も難しくなります。
─それがなぜ、このタイミングでFC化に至ったのでしょうか。
瀬戸 我々が出せないところへの出店を進めるためです。企業や自治体などと提携することで出店を加速し、更なる成長を図ります。また、パートナーとの連携によるシナジー創出で、さらに価値を上げられる部分があると考えています。たとえば、所有物件や人材、商品を含めて自社のアセットを使えていない会社もあります。対して、チョコザップは30~40坪で開業できるため、お持ちのアセットにフィットしやすいです。そのため、アセットを活用できていない企業に導入してもらい、自社商品を勧めて収益性を上げたり、入会者特典を付けて会員数を増やしたり、既存の人材をメンテナンスや入会サポートに回して店舗品質を向上させるなど、色んなシナジーが考えられます。空き家を含めて資産を有効活用したい方と組むことで、あと4000店舗ほど出せる可能性があると目論んでいます。

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2025年8月14日時点で1823店舗を展開

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RIZAPグループ
(東京都新宿区)
瀬戸 健社長(47)
1978年福岡県生まれ。2003年に健康コーポレーション(現・RIZAPグループ)を設立。2006年に札幌証券取引所「アンビシャス」へ上場。2012年よりパーソナルトレーニングジム「RIZAP」を展開。 2022年9月コンビニジム「chocoZAP」をグランドオープン。

 

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