【And Doホールディングス】「安心」を軸に不動産FCブランドの浸透を推進
公開日:2026.02.16
最終更新日:2026.03.10
※以下はビジネスチャンス2026年2月号から抜粋した記事で、内容は取材時の情報です。
国内729店舗が加盟、採用とブランド力で飛躍を狙う
不動産フランチャイズチェーンとして、全国に729店舗(2025年10月末時点)を展開するAnd Doホールディングス。 FC事業「ハウスドゥ」をはじめ、不動産売買事業やリバースモーゲージ保証事業を推進する。2024年12月18日には、第一生命ホールディングスと資本業務提携を締結。不動産を活用した金融サービスに取り組み、さらなる成長を図る。創業者である安藤正弘社長の「安藤イズム」を継承すると公言し、2024年9月26日付けで新社長に就任した冨永正英氏に2026年の展望を聞いた。
配置転換で不動産売買事業と金融事業が堅調
気軽に立ち寄れる不動産ブランドを確立
同社の2025年6月期の売上高は前期比4.2%減の647億3500万円、営業利益は同27.0%減の26億2000万円と減収減益だった。ハウス・リースバック事業の減収が影響したが、その一方で不動産売買事業と金融事業は伸長。FC事業「ハウスドゥ」は加盟店舗数が700店舗を突破した。
人員を成長強化事業に振分 買取再販事業に活路を見出す
-社長に就任して1年が経過しました。この1年、どのような取り組みをされてきましたか。
冨永 就任のタイミングでリースバックに関するネガティブな報道がありました。加えて金利上昇もあり、総合的に判断してハウス・リースバック事業を縮小するに至りました。そのような中で、最初に着手したのはハウス・リースバック事業部の見直しです。人員を成長強化事業の不動産売買事業部とフランチャイズ事業部に振り分けました。
-急な異動は会社と社員、どちらにも様々な影響がありそうですね。
冨永 役割が変わって戸惑う社員もいれば、異動を機に伸びる社員もいたことでしょう。私も胸が痛みましたが、会社が成長するための最善策だったと思います。幸いなことに、多くの社員は異動に前向きでした。
-結果的に、不動産売買事業と金融事業は成長しました。
冨永 セグメント別にみると、不動産売買事業の売上高は前期比で11.5%増加しました。中でも中古住宅は、仕入れを積極化したことにより在庫を確保できました。来期は、これらの在庫を売上に転化していきます。
-中古住宅の買取再販が好調ということですね。
冨永 インフレによる人件費高騰や金利上昇により、新築住宅の価格は上がっています。都市部だけでなく、地方でも良い場所や駅から近い場所にある中古住宅は人気が高く、堅調に推移しています。
-中古住宅の伸び率はどのくらいですか。
冨永 当社の住宅系売上高に対する中古住宅の比率は、前期は26.0%で今期は29.0%。1年で3ポイント伸びました。海外に目を移すと、中古住宅の流通比率はアメリカが81.0%、イギリスが85.9%なのに対し、日本はわずか14.5%に留まっています。こうしたデータから、国内市場は欧米に比べ、6〜7割の成長の余地があると見ています。
-これまで国内の新築住宅は、海外に比べて安かったということでしょうか。
冨永 その通りです。資材高騰や原油高騰に伴って、新築住宅の価格が上がってきましたけれども、今までが異常でした。新築住宅の値段は明らかに安かったと思います。
―新築住宅の価格が上昇する中、今後はどんな事業に注力する予定ですか。
冨永 2つあります。1つは今お話しした中古住宅の買取再販。もう1つは金融事業であるリバースモーゲージ保証です。今期(2024年7月〜2025年6月)の累計保証件数は2000件を超え、累計保証残高は281億7800万円と、前期より約73億円増加しました。新規保証額と累計保証残高はいずれも大幅に増加しています。
ハウス・リースバックは住宅を買い取りますが、すぐに販売するものではありません。弊社で所有し続け、お客様が住んでいる間、家賃をいただく仕組みです。一方、リバースモーゲージはお客様所有の自宅を担保にお金を借り入れ、毎月利息を支払うだけで住み続けられます。さらに、リバースモーゲージの保証事業では、保証料収入だけでなく、不動産処分時の収益も見込めます。こうした違いから、リバースモーゲージ保証事業の将来性は非常に高いといえます。
―ハウス・リースバックは縮小するということですが、いずれは撤退するのでしょうか。
冨永 止めるわけではありません。補完的に戦略的に使っていこうと考えています。
―戦略的とは。
冨永 絶対的なニーズはあります。たとえば、リバースモーゲージの場合、自宅を担保で借り入れすると、その上限は50〜60%。一方、リースバックは70〜85%の資金調達が見込めます。調達できる金額が異なるので、お客様の意向に応じて使い分けることが可能です。

気軽に入れるブランドを目指す
不動産業界のホワイト化を目指す
―フランチャイズ事業でも増員の成果が現れていますね。
冨永 ハウスドゥは10月末現在、加盟店舗数は国内729店舗となりました。10月末時点で625店舗が開店していて、今後も順次オープンを予定しています。
―消費者から見た場合、ハウスドゥの強みはどこにあるのでしょう。
冨永 これまでの自分自身の経験から、一般の方は不動産業界に対して不安を抱いていると感じています。不動産売買は高額のお金を扱うので、お客様が不安に感じるのはむしろ当然といえるでしょう。こうした不動産業界のネガティブなイメージを払拭するには、「安心」がキーワードになります。「あの不動産会社は安心だし、信用できる」と思っていただけることが重要です。
とはいえ、高級ブランドは安心感がある一方で敷居が高いといったイメージもあります。たとえば、ルイ・ヴィトンのお店に半袖半ズボンでは行きにくいですよね。同様に、大手不動産会社にもサンダルやジャージでは行きにくいと思います。
そこでハウスドゥは、夫婦と子ども2人の標準的な4人家族が気軽に安心してお店に入れるブランドを目指しています。
―入りやすさとは店舗の雰囲気ですか。
冨永 それもありますが、3つポイントがあります。1つめは情報をすべて提供すること。これまでの不動産会社のスタイルは、自分たちが販売したい物件情報をお客様に提供していました。ハウスドゥのスタイルはその逆。お客様が希望する条件に見合った物件をすべて開示して選んでもらいます。
2つめはホワイトであること。不安に感じる要因の1つに、ブラックやグレーといったイメージもあります。そのイメージをホワイトに変えるには、加盟店を増やすことが大事です。集団心理ではありませんが、全国にたくさんのお店があることで安心感のあるブランドが作られていくと考えています。
3つめは本部が不動産事業をしていること。自ら事業をし、ノウハウを持っている本部であるという点が強みです。
―不動産業界について回るダークなイメージを払拭するということですね。次に加盟店から見た時の強み、加盟するメリットについて教えてください。
冨永 本部が実業をしているため、加盟店に対し直接指導ができることです。担当SVは、オープン前から伴走体制でフォローします。また、営業支援システムや各種営業ツールも充実しています。こうしたシステムは直営店で培ったノウハウを基に独自開発しています。管理システムの評価は高く、「退会して使えなくなって、はじめてシステムの良さがわかった」といった声もありました。
このほか、店舗数が増えたことで割り勘ができることも強みの1つです。たとえば、ゴールデンタイムに15秒のCM を打つとなると数百万円かかります。しかし、700店舗の加盟店の皆さんで割り勘すると1社1万円ほど。月に何本かCMを打つ場合、1社10〜20万円を負担していただければ、相当数のCMが打てます。FCというブランドを使って、広告費を割り勘できるのも大きなメリットです。

本部が不動産事業をしているため、実践に即したノウハウを提供できる
月10回の研修を無料で受講可能
古田敦也氏起用で集客と知名度向上を図る
最新の年間仲介件数は3万1707件(2024年4月1日~2025年3月31日)で、オーナー数は約500人に達する。異業種からの参入が約7割を占めるなど、多様な経営者が加盟している。未経験者でも安心して参入できるよう、基礎研修から動画学習まで手厚いサポート体制を整備。元プロ野球選手・古田敦也氏をイメージキャラクターに起用し、ブランドの信頼性向上にも注力している。

高速道路の看板
異業種からの参入が約7割 手厚いサポートで人材を育成
―現在のFC加盟状況を教えてください。
冨永 加盟オーナーは約500人で、飲食業や小売業、士業や建築業、リフォーム業や不動産業、賃貸業など多くの業界からご加盟いただいており、不動産以外の異業種参入率は約67%になります。異業種であっても皆さん経験豊富な経営者です。不動産業界よりも圧倒的に進化している業界の経営者が多く、加盟者のレベルは非常に高いのが特徴です。
―不動産業の未経験者に対して、どのようなサポートをしているのですか。
冨永 未経験からの参入でもスムーズに収益につながるよう、さまざまなサポートを導入しています。具体的には不動産基礎研修をはじめ、資金計画研修やセールス研修などを月10回程度実施しています。現地もしくはWEBでの受講にも対応しています。こうした研修は毎月開催しており、未経験者でも初歩から不動産業を学習できますし、何度でも無料で参加可能です。このほか、「スタドゥ」には約500本に上る動画を用意しています。
―集客方法や知名度向上への取り組みはどうですか。
冨永 不動産業界が、どれだけ一般の方にホワイトに見てもらえるかが重要です。安心というブランドを構築するために、イメージキャラクターとして誰を立てるか。他社では、テレビにもよく出ていて、クリーンなイメージがあるケイン・コスギ氏を起用していました。現在は元smapで全国的な知名度を誇る草彅剛氏がイメージキャラクターを務めています。当社は元プロ野球選手の古田敦也氏を起用しています。古田氏は名球会会長もしていますし、30歳以上であれば多くの方が知っています。このように、イメージキャラクターを活用することで集客や知名度向上を図っています。
―次に、既存店の売上向上の取り組みについて教えてください。
冨永 「営業マン×問い合わせ件数」だと思います。各加盟店が人材をしっかり確保するためには、ハウスドゥというブランドをしっかり使っていただく方が採用はしやすいと思います。加盟店には人材採用に注力していただき、本部も一緒になって集客をフォローしていきます。
―今、どれくらい広告宣伝をしているのですか。
冨永 いろんなところに分散させて宣伝しています。なかでも首都高高速に積極的に出稿しています。高速道路を走ると、ハウスドゥの看板を目にすることと思います。そのほかではテレビとラジオCM、野立て看板、雑誌、新聞にも出しています。もちろんチラシの配布もやっています。季節や状況によって、さまざまな宣伝媒体を活用しています。
―加盟者同士の交流も盛んですね。
冨永 加盟店同士で情報交換していますし、本部としても加盟店を繋ぐ役割を果たしています。本部主導では、オーナー会など様々なイベントを企画しています。SVが各地域で加盟者を集めて研修会や店長会を定期的に実施しています。また、年1回、全国大会も開催しています。

毎月10回の研修を実施
不動産売買事業とリバースモーゲージを強化
―今後の展望についてお伺いします。2026年はどのようなことを計画していますか。
冨永 先だって、2030年6月期を最終年とする中期経営計画を発表しました。今回の中期経営計画を達成するためには、大きく2つのポイントがあります。1つは中古住宅の買取再販事業の拡充。売買需要を伸ばすためにはどうしたらいいかというと、やはり採用がすべてだと思っています。
もう一つはリバースモーゲージ保証事業。すでに数字に表れている通り、業績は伸びていますが、2026年以降はさらに成長させていきます。現在、リバースモーゲージ保証事業では54の金融機関と提携しています。不動産価値が高い都市部を中心に提携先金融機関との接点を強化すると同時に、新規提携先の開拓にも取り組みます。5年後には125億円の保証残高の獲得を目指します。
―海外事業はどうでしょうか。アジア展開の進捗について教えてください。
冨永 タイに進出しており、不動産売買をメインに事業を続けています。タイも2年前と比べると加盟店が増えました。直営1店舗のほか、FC5店舗の合計6店舗をタイ国内で運営中です。なお、FC加盟の5社は現段階ではすべて日系企業です。
―今後はタイの企業の加盟も強化していく予定ですか。
冨永 海外事業の業績を伸ばすには、どれだけ人材を投入するかだと思っています。引き続き、海外事業にも取り組みますが、まだ結果を求める時期ではありません。来年は海外よりも、不動産売買とリバースモーゲージに注力します。
―最後の質問ですが、不動産市場でどのような立ち位置を目指していますか。
冨永 誰もが安心して入れるネットワークを築くこと。そのために、直営店や既存店をよりブラッシュアップしていきます。

成功事例共有会など、加盟店向けのイベントを定期的に開催
And Doホールディングス
(東京都千代田区)
冨永 正英社長(45)
1980年生まれ、兵庫県出身。2003年に株式会社オリエントハウジング(現:株式会社And Doホールディングス)に新卒で入社。2010年に、ハウスドゥの屋号で不動産売買仲介業フランチャイズ事業を行う株式会社ハウスドゥ住宅販売の代表取締役に就任。その後、グループ会社の代表取締役、主要事業の責任者、役員を歴任し、各事業の業績拡大に手腕を発揮。2023年に常務取締役を経て、2024年に代表取締役社長に就任。
関連記事
▶【ハウスドゥ】宅建業法のないタイに進出、業界のスタンダードを築く
▶【アップガレージグループ】カー&バイク用品などのリユース店を26店舗展開
▶【やる気スイッチグループ】教育業態の複数ブランドを2400教室展開
次なる成長を目指す
すべての経営者を応援する
フランチャイズ業界の専門情報誌

フランチャイズ業界唯一の専門情報誌として、毎号さまざまな切り口をもとに新興本部から大手本部までをフォーカス。またFCを自社の新たな経営戦略として位置付け、中長期的な経営を目指す経営層に向け、メガフランチャイジーの情報も提供しています。
次号発売のお知らせ
2026年4月22日発売
記事アクセスランキング
次なる成長を担うすべての起業家を応援する
起業&新規事業の専門情報誌

“起業のヒント” が毎号充実! “ビジネスチャンス” の宝庫です。
すぐにでも役立つ独業・開業・転業・副業サポートの雑誌です。
資金をかけずに始められる新しいビジネスの紹介、FC、経営・会社運営のノウハウなど、多くの経営者からの“起業のヒント”が毎号充実。


人気のタグから探す









