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【連載 第2回】飲食未経験の僕が3等立地で鰻屋をはじめて14カ月で57店舗・月商1.9億円のチェーンをつくるまで

公開日:2024.03.05

最終更新日:2024.03.05

※以下はビジネスチャンス2024年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

第2回 1号店を出店するまで

 わずか1年3カ月前、横浜の郊外三等立地に出店した「鰻の成瀬」。一介の鰻店はFC展開すると瞬く間に店舗数を伸ばし、直近では50店舗を突破した。この店舗を作ったのは、著名な外食経営者でもなければ、有力FC本部経営者でもない。本稿では、フランチャイズビジネスインキュベーションの山本昌弘社長が手探りで始めたFC本部経営の道のりを辿り、フランチャイズドリーム実現までの軌跡を追った。

ゼロからのスタート

 第2回の今回は、私が飲食店チャレンジを決めてから1号店となる横浜本店を出店するまでの道のりをお話ししたいと思います。鰻専門店を出店すると決めてから、出店に関する様々なことを調べ始めました。
「どのような許可が必要なのか」「出店までどのくらいの費用と時間がかかるのか」など、知識ゼロからのスタートでした。調べを進めていたある日、知人からとある相談を持ちかけられました。
「うちの居酒屋、経営が厳しくて」
 その居酒屋とは、大船渡出身で東日本大震災を経験した知人が、どうにか継続的な地元支援ができないかと考え、横浜にオープンした復興居酒屋でした。スタッフは全員東北出身で、被災し営業が困難となった飲食店のスタッフたちでした。雇用創出と売上貢献を目的とした思いがこもった店の経営をどのように立て直すかを考えているうちに、「このメンバーとこの場所で鰻屋をやればいいのだ!」と閃いたのです。知人にこのアイデアを伝えると、二つ返事で「ありがとう、手伝うよ!」と返答がありました。彼は内装の知見があり、今も鰻の成瀬の店舗づくりを手伝ってくれています。
 これで、場所もスタッフも商品も決まりました。次に取り組まなくてはいけないことは「どうやって店舗運営していくか」でした。素人ながら無駄を省くことに注力し、営業時間は11時〜14時、17時〜20時とお客様のニーズのある時間帯だけに絞りました。内装は、元々和風系居酒屋だった店舗を鰻店らしく改修するため、コストをかけないようスタッフと相談しながらDIYしました。さらに、現金会計のみとし、まずは赤字にしないことを目標に設定しました。低い目標のようですが、攻めない訳ではなく、チャレンジしようと思うからこその決断でした。
 もう一つ、営業に欠かせないのが集客です。オープン当初は順調にお客様が来てくれていましたが、2週間もするとだんだん客足が遠のき始めました。何か策を打たなければと思いつつ、鰻業界は老舗店が多く固定客を掴んでいるため、どこも集客活動をしておらず情報がありませんでした。
 そこで、私の強みでもあるWEB・SNSマーケティングを活かせるのではないかと思い、まずはWEB広告やInstagram、X(当時はTwitter)の運用から始めました。Xで毎日の売上を公開するなど様々なチャレンジを行いました。この時に経験したたくさんの失敗は、今のFC運営の強みになっていると確信しています。失敗してもとにかくチャレンジを継続した結果、ある雑誌に取り上げられ、一気に売上を伸ばすことができたのでした。
 横浜店の売上は閑散期にも関わらず順調に伸びていきました。そんな時、当社の様子を見守っていた顧問弁護士から「鰻の成瀬に加盟したい」と言われました。まだ開店して1年も経っておらず、繁忙期の夏の土用も経験していない。いつ売上が落ちるかわからない状況だったためとても悩みましたが、彼の「加盟するなら山本さんのところで!」という熱意に押され、FC展開に向けて動き出す決意をしたのでした。

フランチャイズビジネス インキュベーション株式会社 代表取締役社長 山本昌弘

Profile 山本昌弘
滋賀県生まれ。高校卒業後、イタリアに留学。帰国後、大手英会話スクールを経て、大手フランチャイズ本部に勤務。常に上位の営業成績を残す。解約率を約1割に抑える。前職での実績を糧に2020年に独立し、現在に至る。

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