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【連載 第42回】経営者が知らないとマズイ 業績を上げるためのファイナンスの裏ワザ

公開日:2023.10.25

最終更新日:2023.11.04

※以下はビジネスチャンス2023年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

社長と税理士のチグハグな関係

アカウンタックス代表取締役社長 山口真導氏

 多くの社長が、顧問税理士から提案がないことに不満を感じています。その不満に対して税理士は、提案料を貰っていない、と怒っています。

 

 

 

 

社長と税理士の「提案」は意味が違う

 このチグハグの根源は、「提案」という言葉の意味が双方で違うことにあります。
 社長が求めているのは、本来の「提案」です。たとえば、「今期は利益が多くなりそうなので、決算対策が必要ではないですか?」という提案です。この場合、社長が提案を受けて決算対策を希望すると、顧問税理士は見積書を提示し、価格交渉を行います。社長の合意が得られた後、決算対策を作成して納品します。一方、税理士が考える提案は「成果物」です。先ほどの決算対策の例で言えば、依頼の有無に関係なく、いきなり具体的な決算対策を納品することを提案と考えています。

社長に不満が募る理由

 社長からすると、提案をしない顧問税理士は格好の商売チャンスを見逃す出来の悪い営業マンです。なぜなら顧問税理士は、会社の財務情報を全て知り得る立場にあり、日々、社長の悩みを聞いています。そのうえ、最終決裁者の社長と商談出来る立場だからです。
 ホームページでは「経営の相談相手」とアピールする顧問税理士が、目の前の売上機会を華麗にスルーしていく姿勢を、社長が理解出来るわけがありません。

顧問税理士の言い分

 顧問税理士は、「提案」が欲しければおカネを払って依頼してくるに違いないと思っています。契約書に書いてある業務範囲は、記帳代行、決算・申告、税務相談等であって、提案は顧問料の範囲外という認識です。顧問料が安く設定されている場合は、社長の言う提案であっても、考える時間は取れないという認識です。

税理士は税理士という現実

 残念ながら、税理士はビジネスの専門家ではありません。顧問業は最近流行りのサブスクビジネス(毎月課金)です。この料金体系は、先人の智恵を商慣習として利用しているだけです。そのため、税理士は社長が考える提案を駆使し、アップセルやクロスセルで客単価をアップするよりも、新規の顧問先を獲得する方に注力しているのが実情です。

税理士に求められること

 顧問税理士が、社長から信頼を得て自身の売上を拡大するためには、「提案」の意味を社長と合わせる必要があります。そして、新規顧客開拓ではなく、提案による客単価の向上を目指す必要があります。あらゆる提案をするのは難しいので、何かしら専門分野を持ち、専門外の分野は他の専門家を紹介することで社長の最も身近な相談相手という立ち位置を全うすることが望まれます。

社長に求められること

 社長は、良い提案にはおカネを払うことを税理士に伝えて下さい。それでも提案がなければ、1人の顧問税理士に拘らず、セカンドオピニオンを活用しましょう。セカンドオピニオンが優れていれば、その税理士に顧問を変更しても良いでしょう。そもそもずっと同じ顧問税理士というのが問題です。会社の状況は変わり、課題は変化します。そのため、顧問税理士の交代は自然なのです。「顧問税理士を代えましょう! 」という提案が、顧問税理士から出てくるわけがありません。提案がないという不満は、顧問税理士変更の必要性を表す一つのシグナルです。

Profile 山口真導
 公認会計士・税理士。経理代行のアカウンタックス代表。ビズ部・部長。債権の入金確認や振込業務を含む、経理の全機能を提供し、キャッシュ・フロー改善に貢献している。毎月開催する節税セミナーには多くの経営者が参加して好評を博している。

お問い合せ TEL.03-3237-1311
ビズ部:http://kigyou-no1.com
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