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【連載 第11回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2025.01.23

最終更新日:2025.01.23

※以下はビジネスチャンス2025年2月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

初心者でも失敗しない「居抜き物件」のポイント トラブルを回避する鍵を押さえる

店舗情報サービス (東京都中央区) 繁友 健志 社長(41)

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

 

 

 

 

条件交渉次第で良物件

 今回は、居抜き物件の落とし穴についてお伝えします。店舗物件を決める際、「内装費が安く済むから」といって安易に居抜き物件に飛びつくことは危険です。初めて出店する人ほど居抜き物件を探す傾向にありますが、実は居抜き物件こそ玄人向きの店舗開発なのです。もしFCに加盟して居抜き物件を借りることになった場合は、これからお伝えすることに気をつけましょう。
 まず最低限、その物件で加盟したFCのサービスを提供できるかどうかを確認しましょう。例えば、飲食店であれば必要な厨房設備が入る広さなのか、必要席数を確保できるのか、オペレーションの動線に問題がないかを必ず確認しましょう。
 また、店舗物件において礼金や敷金が高い居抜き物件は、「礼金保証金ビジネス」と言われる物件があり、それらはサブリース会社(転貸屋)が運営していることがあります。もちろん、サブリース会社の物件が全て悪いわけではありません。中には良い店舗物件も沢山あり、募集条件が悪くても交渉して良い条件で借りることができれば、結果として良い物件になります。
 しかし、このような物件は賃料が高く借主側が続かずに撤退することも多く、サブリース会社が儲かる仕組みになっていることがあります。保証金の解約時償却を3〜4カ月、礼金を2〜3カ月に設定してあるため、短期の出入りが多ければ多いほどサブリース会社が儲かる仕組みになっているのです。サブリース会社が条件交渉を一切聞かない姿勢であるならば、見送ることも検討した方が良いでしょう。

細かな確認が肝要

 続いて、居抜き物件で発生しやすいトラブルについてお伝えします。
①造作譲渡費が高い
②厨房機器が故障した場合
③空調が故障している
 エステやリラクゼーションの居抜きで多いトラブルが、①造作譲渡費が高いことです。前テナントが少しでも内装費などの初期費用を回収しようとし、高額な造作譲渡費を設定していることが多いためです。造作譲渡費が高すぎる場合には、減額交渉をしましょう。
また、エステやリラクゼーションの場合は、個室やバックヤードの広さや動線が自社サービスと合うかも確認できると良いでしょう。想定売上高賃料比率が10%未満で広い分には良いですが、個室が狭すぎるとマシンを置いて施術ができないこともあります。
 飲食店の場合、②厨房機器が故障した場合についても確認しておきましょう。壁を壊さないと機器の交換ができない物件もあるため、入れ替えができる動線の有無を確認しておきましょう。
 また、③空調が故障していることも少なくないため、内見時には電気をつけてもらい、正常に作動するかを確認すると良いでしょう。一つ一つの確認や交渉事項に時間をかけることが重要です。

今月の一句

お手頃の 居抜きで出店 落とし穴

Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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