【連載 第7回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛
公開日:2024.05.27
最終更新日:2024.05.27
※以下はビジネスチャンス2024年6月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
よい内装を安く作る 内装工事会社の手配と段取りが重要
FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。
空家賃を支払わない方法
店舗物件の賃貸借契約が締結できれば、次は内装工事に入ります。
まずは、スケジューリングです。賃貸借契約を締結する際に契約締結日、契約開始日、賃料発生日を決めます。
たとえば4月20日に内見して申し込みから進める場合、一般的には契約締結日4月30日、契約開始日5月1日、賃料発生日5月1日。うまく交渉できれば、契約締結日4月30日、契約開始日5月15日、賃料発生日7月1日とすることもできます。
4月20日に内見した場合、謄本や決算書、申込書などは3日程で提出し、同時並行で内装工事会社に現地調査を依頼します。
現地調査とは、内装工事会社に物件を採寸して店舗の設計を考えてもらうことです。すぐに見積と図面を引いて、5月15日に内装工事を開始してもらいます。業種や物件の引き渡し状況により期間は異なりますが、2週間で工事が終われば6月1日から営業準備に入れます。
このようにフリーレントを獲得するだけでなく、賃料発生前に営業開始できるよう契約と内装工事会社の手配や段取りが重要です。何もわからず進めると、契約開始してから現地調査して工事と、2カ月間くらい空家賃を払うこともありえます。
内装工事会社の選定
内装工事の現地調査では、最低2社以上に見積を依頼します。知り合いの店舗経営者や店舗物件を扱う不動産会社の紹介、フランチャイジーなら過去に同じブランドの店舗を手がけた内装工事会社を本部に紹介してもらうとよいでしょう。
会社によって、見積金額の差が倍ほど開くこともあります。まったく同じ工事内容の提案はありえないからです。
見積を提示されたら、ZOOMや面談で工事内容や料金の内訳の説明を受けます。本当に必要な工事だけか、余分な工事や高すぎる部材での見積になっていないかを確認してください。2社から説明を聞けば、不要な工事が見えてきますので、余分な発注金額を減らすことも容易です。
また、工事は遅れることがあるので、オープン日や準備期間に最低1週間は余裕をもってスケジュールしておくとよいです。
裏ワザなら、工事期間の終盤に棚や机、椅子などの備品や什器を届くようにしておきます。内装工事会社に組み立てや設置、ゴミの処理もお願いすると手間が大きく省けます。素人がすると時間がかかって大変です。ゴミ処理だけでも数万円の処分費が掛かります。
貸主に対しては、工事スケジュールや工事後の完成予想図(パースや図面)を提出して、許可を得てからから工事に入ります。
内装はとても重要です。内装費用が物件取得費を超える場合も多いですが、知識や行動によって減額できる部分も大きいのです。スタッフが気持ちよく働けて、お客様がまた来たくなるよい内装を安く作れるよう、店舗オーナーが勉強しましょう。
今月の一句
憧れど ないそ(内装)で振れぬ 工事かな
Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。
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