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【連載 第14回】ナニコレ賃貸借 繁友社長の知識てんこ盛 

公開日:2025.07.30

最終更新日:2025.07.31

※以下はビジネスチャンス2025年8月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

店舗集客の命運を分ける「看板設置可否」

 FC本部にとってもフランチャイジーにとっても、出店立地は重要だ。「地域、貸主、テナント企業、三方よし」を掲げる繁友健志社長が店舗不動産の知識をわかりやすく解説。読めば繁盛の「シゲモリ」連載だ。

契約前に必ず確認すべきポイント

見落としがちな「看板問題」
 出店する際、立地や賃料、内装の自由度にばかり目がいきがちですが、意外と見落としがちなのが「看板の設置可否」です。実は、店舗運営において看板の有無は集客に直結する重要な要素。しかしながら、看板の取り扱いに関する情報は、物件の募集要項に記載されていないことが多く、入居後に「設置できない」と判明するケースもあります。

看板の設置は当たり前ではない
「店名を外壁に出すのは当然」「窓にステッカーくらい貼っていいだろう」と思う方も多いかもしれません。しかし実際には、こうした行為が禁止されている物件も少なくありません。特に、ビルの外観を重要視するオフィス併設型の建物では、看板やステッカーの設置を厳しく制限していることがよくあります。
 たとえば、窓ガラスへのステッカー貼付が禁止されているのは、建物全体の景観を保つためだけでなく、日光によるガラスの劣化を防ぐためでもあります。また、店内から窓越しに店名を掲示することも許可されていないケースもあり、看板の自由度は物件によって大きく異なります。
 このようなトラブルを避けるためにも、物件の内見時には必ず以下のポイントを確認しましょう。

・建物外壁への看板設置の可否
・窓へのステッカー貼付の可否
・入口付近にA看板(立て看板)やのぼり旗が置けるか
・エントランス周辺にポスターを貼れるか(A4サイズなど)
・エレベーター内のボタン横に店名シールが貼れるか

 場合によっては、看板設置可能物件でも、数に限りがあるため、先着順で埋まっていることもあります。

業態や価格帯で重要度は違う
 看板の重要性は、業態やサービスの価格帯によっても異なります。たとえば、「60分3980円のマッサージ店」や「1500円カットの理容店」などは、低価格で衝動的に来店されることが多いため、道行く人に存在を知らせる看板が非常に重要です。
 一方、「髪質改善20000円の美容室」や「完全予約制のエステサロン」、「高級割烹店」のように、目的を持って訪れる高単価業態では、看板が目立たなくても迷わずたどり着ければ十分という場合もあります。
 このように、目的来店型か衝動来店型かで、看板の重要度は大きく変わるのです。

契約前の見落としが命取りに
「看板を出せると思って契約したのに、設置できなかった」という事態は絶対に避けたいもの。契約書や募集資料に記載がなくても、設置できるという保証にはなりません。実際には、書かれていないからこそ確認が必要なのです。
看板の設置可否は、立地や内装と並んで非常に重要な要素です。内見時には、ぜひ「看板」にも注目して、事前にしっかりと確認を行ってください。

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Profile しげとも・たけし
1983年、神奈川県生まれ。大学卒業後に証券会社に入社し、その後、多店舗展開企業向けの不動産コンサルティング会社を2社経験。2019年に、店舗物件に特化した不動産会社「店舗情報サービス株式会社」を創業。現在は大手チェーンから新興フランチャイズの出店支援や店舗物件に特化した不動産事業を展開している。

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