【連載 第6回】健全で強い本部の作り方
公開日:2023.08.27
最終更新日:2024.05.20
※以下はビジネスチャンス2023年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
フランチャイズオーガナイザー佐々木翔が直々レクチャー!【第6回】
「フランチャイズオーガナイザー」としてFC本部構築のトータルサポートを行うフリグマの佐々木翔社長は、前職のFC本部で「3年間・100店舗」の出店を牽引した実践型コンサルタントだ。同氏が目指すのは優秀なFC本部の育成だが、その先には業界の健全化も見据えている。本連載では佐々木氏がこれまで培ってきた「時流に沿った本部構築方法や運営の在り方」を、実際の手順を踏みながら語っていただく。
プロに頼らない本部構築の留意点
今回は専門家に依頼をせず、自社のリソースのみで本部構築する際の留意点について綴ります。私自身、2017年に自ら本部を立ち上げた際、頼れるFC専門家との出会いに恵まれなかった事もあり、自社のリソースのみで本部構築をし、加盟募集開始を行い、明確に結果を出すことが出来ました。ですから(現在は専門家側なので変な話ですが)、プロに頼らない本部構築の話にも説得力があると思います(笑)。
本部を立ち上げた実体験や、現在数多くの本部の伴走を担っている経験から、今回は「FCのプロに頼らない本部構築におけるつの留意点」についてお話していきます。
①同業対比で何を武器として戦うかを整理
加盟検討者視点を持つことが肝要です。あなたのFCに加盟を検討する皆様は、多額の資金を投入して事業を開始するわけですから、当たり前のように同業種との比較検討をします。そのため、自社の何がUSP(Unique Selling Proposition=自社独自の強み)なのかを熟考し、どの要素で戦うのかを、解説できるレベルまで整理する必要があります。
少し補足をしますと︑差別化は何もビジネスモデルに限った話ではありません。熟考して「違い」を見出していきましょう。
②過去にFC本部に在籍していた人材の確保
FCというビジネスフォーマットは非常に特殊で、メリット・デメリットを予備知識として持っておかないと、本部であろうが、どのフェーズでも破綻のリスクを伴います。そのため、FCの専門家に頼らず本部構築を実施するのであれば、少なくとも過去にFC本部に在籍経験がある人材を確保することを推奨します。可能であれば1つの部署だけでなく横断的にFC本部職種を経験している人材が望ましいですが、そもそもそういった人材が不足している業界なので、せめて加盟開発・店舗開発・SVいずれかの領域で実績を持つ人材を仲間に加えたいところです。
③最低1000万円を準備
本部立ち上げ1年目に発生する費用はおおよそ次のとおりです。人件費600万円・広告費300万円・その他実費50万円・バッファ50万円の計1000万円です(オフィスは直営店兼でも可)。人件費が最も大きな必要経費で、次に広告費です。加盟募集を開始したことを世の中に訴求しないと、誰も加盟してくれません。どこに広告を出すのか、どの媒体を使用するのかによって、費用はピンキリなわけです。経験上、自社のリソースのみで加盟開発の広告を出そうと思った場合、最低でも1年間で300万円ほどの予算は確保しておかないと無風で終わる可能性は高いと思います。
余談ですが、仮に私が本部支援を実施する場合には、経験や能力を還元する形で1年目の広告予算を効率化できますし、前述の人件費も不要となります。ただ自社のリソースのみで本部構築をする場合は、広告の費用対効果がフィットしないリスクも大きいので、広告予算300万円含めて1000万円は最低でも準備することを推奨します。前号で記したようなFCのプロとの縁が無かった際には、今回記した内容を留意して実践してみましょう。
Profile ささき・しょう
某FC本部に在籍し、SVやオーナーコンサルチーム責任者として加盟店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経て、2017年にリユースショップWAKABAのFC本部を立ち上げた。加盟開発/店舗開発/SV/融資/法務など、全てのFC本部機能をオーガナイズし、加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗展開を達成。2021年に株式会社フリグマを設立し、3年で100店舗達成をコミットするFCオーガナイズサービスを世の中に提供するべく活動している。
加盟募集開始から3年で100店舗を実現した確かな実績とノウハウでFC本部をサポート。
株式会社フリグマ
https://flegma.jp/
FCオーガナイザーのYouTube番組
https://www.shosasakifranchisor.com/
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