【連載 第4回】健全で強い本部の作り方

公開日:2023.07.14

最終更新日:2024.05.20

※以下はビジネスチャンス2022 年12月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

フランチャイズオーガナイザー佐々木翔が直々レクチャー!【第4回】

株式会社フリグマ 代表取締役社長 フランチャイズオーガナイザー 佐々木 翔 社長(40)

 「フランチャイズオーガナイザー」としてFC本部構築のトータルサポートを行うフリグマの佐々木翔社長は、前職のFC本部で「3年間・100店舗」の出店を牽引した実践型コンサルタントだ。同氏が目指すのは優秀なFC本部の育成だが、その先には業界の健全化も見据えている。本連載では佐々木氏がこれまで培ってきた「時流に沿った本部構築方法や運営の在り方」を、実際の手順を踏みながら語っていただく。

 

 

 

FC展開を決断!何から着手するべきか

商標登録を行うことの重要性
 前回は、「拡大前提の本部構築におけるFCの基本要件」についてお話ししました。今回は、「FC展開を決断した後、一番目に着手すべきこと」についてお伝えします。意外に思われるかもしれませんが、まずは「商標登録」を行うことです。
 法律的にFC契約の定義が「商標の使用を許諾する契約」となっているわけではありません。しかし、公正取引委員会のフランチャイズガイドラインでは、「フランチャイズ・システムの定義は様々であるが、一般的には、本部が加盟者に対して、特定の商標商号等を使用する権利を与えるとともに、加盟者の物品販売、サービス提供その他の事業・経営について、統一的な方法で統制、指導、援助を行い、これらの対価として加盟者が本部に金銭を支払う事業形態であるとされている」と規定されています。
 もし本部が商標登録をしていないままFC展開を開始し、加盟店がその屋号を使用して運営したところ、その屋号を既に第三者が商標登録していると判明した場合、本部側の過失によるFC契約違反となる可能性は極めて高いです。FC契約解除や損害賠償など、様々なリスクが想像できます。真っ当にFC本部を運営するのであれば、法律的な定めはないものの、商標登録は必須と考えましょう。
 では、なぜFC展開を決断した後、すぐに着手するべきことが商標登録なのでしょうか。
 それは、申請してから商標登録可否の結果が出るまでに最低でも半年ほどの時間を要するためです。本部構築をする上で、屋号ありきで段取りするべきことは膨大に存在するため、FC展開を決断したら、すぐに商標登録を済ませてから本部構築開始という流れが理想です。
 加えて、これまで直営事業で使用してきた屋号が既に商標登録されているかを必ず事前に確認しましょう。仮に、同業種で既に同じ屋号の商標登録が存在し、現在も継続的な使用が判明した場合、屋号変更を決断するほかありません。
 しかし、屋号変更を余儀なくされたとしても、ポジティブに捉えていただきたい面があります。それは、「全国展開仕様の屋号にアジャストできること」です。直営店を開始されたタイミングではFC展開を考えておらず、全国展開向きではない屋号のケースが多いです。「この機会に全国展開に相応しい屋号に変更できる」と切り替え、マーケティング要素を踏まえた新屋号を思案しましょう。
 なお、商標申請はご自身でも申請できますが、名称だけなのか、ロゴ込みなのかを申請時に判断する必要があります。また、然るべき申請区分も判断する必要があるため、入念に調査を実施してから申請しましょう。個人的には、商標申請は専門の弁理士に依頼し、空いた時間で「FC展開において必要な本質的要素」と向き合うことを推奨します。
 さて、無事に屋号の商標登録が完了したら、いよいよ本部を構築するフェーズに入ります。

Profile ささき・しょう
 某FC本部に在籍し、SVやオーナーコンサルチーム責任者として加盟店継続率96%を実現。その後、コンサルティングファームを経て、2017年にリユースショップWAKABAのFC本部を立ち上げた。加盟開発/店舗開発/SV/融資/法務など、全てのFC本部機能をオーガナイズし、加盟募集開始から3年で100店舗、4年で150店舗展開を達成。2021年に株式会社フリグマを設立し、3年で100店舗達成をコミットするFCオーガナイズサービスを世の中に提供するべく活動している。

加盟募集開始から3年で100店舗を実現した確かな実績とノウハウでFC本部をサポート。

株式会社フリグマ
https://flegma.jp/

FCオーガナイザーのYouTube番組
https://www.shosasakifranchisor.com/

 

 

 

 

 

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