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【連載 第3回】ハイジと学ぶ 脱毛業界のトリセツ

公開日:2023.08.30

最終更新日:2023.09.19

※以下はビジネスチャンス2023年6月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

第3回 脱毛業界が伸びる社会的背景

ハイジ(東京都中央区) 斎藤 一誠社長(35)

 脱毛業界の二大勢力だった、脱毛サロンと医療機関。大手脱毛サロンチェーンは、高額ローン契約やずさんな経営体制から消費者が離れ、現在は、医療機関による脱毛施術が人気を集める。そんな中、セルフ型サロンや家庭用脱毛器が登場。脱毛業界の勢力図が大きく変わろうとしている。シンプルな利用スタイルで店舗数を伸ばすセルフ脱毛サロン「ハイジ」代表の斎藤一誠氏が、脱毛業界を徹底解説する。

 

 

 脱毛はもともと女性がするものという認識が強かったですが、昨今は男性脱毛が広がってきており、男性専門の医療脱毛機関や脱毛サロンも数多くあります。脱毛を受ける人の性別のへだたりがなくなり、さらに介護脱毛やキッズ脱毛という言葉が生まれ、脱毛をする年齢層も大幅な広がりを見せています。

心理的変化による男性脱毛の普及

 まずメンズ脱毛の分野から見ていきましょう。メンズ脱毛専門クリニックやサロンはここ3〜4年で急増していますが、業界で男性脱毛を先駆けて展開したのは、ゴリラクリニックさんでした。同社はブランディングが上手く、男性が脱毛するという新しい常識づくりのきっかけになっています。さらにその後、実業家のROLANDさんのメディアへの露出が増え、メンズ脱毛サロンの運営を始められたこともあり、注目度がさらに高まりました。
 また、近年の韓国アイドル人気も男性脱毛の浸透に大きな影響を与えています。女性が好む男性の容姿が大きく変化して、男らしさや無骨さを好む女性が減り、韓国アイドルのような中性的な男性を好む人が増えていますよね。昭和世代の男性は女性に合わせようという感覚がほとんどなかったですが、この20年ほどで女性からのモテを意識する男性が増え、結果女性の好みに寄せていく流れが強まっているのです。
 そして、ミニマリスト的な思考の高まりも男性脱毛が浸透した理由の一つです。ミニマリストは、無駄なものを嫌います。毛を必要に感じない、剃る時間がもったいないという理由から脱毛をする人もいます。このように、女性が好む男性のトレンドの変化や男性が女性の好みに合わせようとする心理的変化、そして無駄をなくしたいという思考の高まりなどの背景が絡み合い、現在の男性脱毛の普及に繋がったのでしょう。
 男性脱毛が徐々に浸透していく中で、次に広がり始めたのが介護脱毛です。介護脱毛はよく勘違いされるのですが、介護を受けている方が脱毛をするのではなく、介護を受ける前の方が将来を想定し、事前準備として主にVIO脱毛をすることです。排せつなどの介助をしてもらう際の介護者の負担を減らすことを目的としており、40〜50代の女性を中心に広まっています。
 そして、その次に広まりつつあるのがキッズ脱毛です。キッズ脱毛が広がる理由は、大きく2つあります。まず一つは、体毛の濃さにコンプレックスを持ち、自分の意思で受ける子供が増加したこと。もう一つは、子どもの体毛の濃さを気にして脱毛させる親御さんの増加です。現在の小学生の親御さんの世代は、脱毛することが当たり前になっている年代でもあります。そのため、どうせ脱毛をするなら、早いうちにした方が良いと考える人が多い。しかし、ホルモンバランスと毛量には大きな関係があり、子どもは身体の成長に合わせてホルモンバランスが大きく変化します。脱毛後も初潮のタイミングでまた毛が生え始めることは十分に考えられるので、それらのタイミングを事前に理解した上で、対応する必要があると言えるでしょう。

Profile  斎藤 一誠
埼玉県出身。獨協大学英語学科卒業後、株式会社レバレッジ入社。2018年セルフ脱毛サロンハイジを創業し、2020年に株式会社ハイジを設立。【脱毛業界改革】を掲げ、脱毛業界の健全化に尽力している。

 

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