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【連載 第7回】南部の兵法~市場を押さえたパッケージづくり~

公開日:2023.10.27

最終更新日:2024.11.28

※以下はビジネスチャンス2023年10月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

【第7回】本部立ち上げ準備からチェーン展開まで(下)

ディーセント・スタイル 南部 晃舗 社長(45)

 フランチャイズ業界で本部構築・開発のコンサルティング事業を展開するディーセント・スタイルの南部晃舗社長。手掛けた企業は飲食、リサイクル、フィットネス、小売、福祉、教育など70社を超える。「売れる」業態とは何か、強い本部作りについて解説する。

 

 前回はフランチャイズチェーン本部立ち上げの3ステップをお伝えしました。サードステップまで進めば、どの本部でも展開可能かといえば、そうではないと私は考えています。チェーン展開に向けて以下の6つの条件をクリアする必要があります。

①直営モデル店における1年以上の売り上げ実績
②初期投資額やROIなどにおける魅力ある数値
③明確な成功要因
④加盟契約からオープンまでのフロー及びオペレーション、協力業者の設定
⑤オーナーやオペレーションのマニュアル、契約書など帳票類の整備
⑥研修、SV機能が稼働可能な状況

 これらを満たすことで初めて加盟開発をスタートできますし、条件を満たしていないとスムーズな展開は出来ないでしょう。
 本部構築に必要な要素は、既存店やFC展開用モデル店によるノウハウ構築、業態コンセプトの整理、展開戦略や事業計画の確認、パッケージ数値の精査および競合調査、SV業務・加盟店研修体制構築、加盟からオープンまでの業務フロー構築、契約書等帳票の作成、各種マニュアルや営業ツール作成、加盟開発業務・営業戦略立案などです。多岐にわたりますが、目指す規模によって精度は変わります。50店舗を目指すのか、500店舗を目指すのか。まずは中長期計画を作り込むことをお勧めします。

展開に必要な本部機能

 チェーン展開をしようといきなり加盟店を募ったり、展開しながら準備しようと思って動き出したりする方も多くいます。強いチェーンを作ろうと思うのであれば、しっかりとした準備を行い、加盟店がスムーズに立ち上げできるサポート体制を構築してから加盟開発を行うことが重要です。スムーズなチェーン展開のために必要な本部機能は、大きく分けて7つあります。

①加盟店開発機能
②商品開発・販売促進機能
③店舗運営サポート・SV機能
④教育研修機能
⑤物流機能
⑥情報システム機能
⑦業態改善・開発機能

 これらの機能を持っていないと、展開がスムーズに進まないことはもとより、展開後に加盟店の運営品質にも大きく影響を与えます。
 これらの機能を運用する、本部組織のイメージが明確になっていない場合がありますので、図を参考にしてください。各機能を動かすための部門が存在することが理想です。ただし、この図はある程度の規模感がある事例ですので、チェーン規模によってはここまで細分化する必要はないでしょう。自社の状況に合わせて組織図を編成してください。
 また、業態は常に陳腐化して行くため、業態のブラッシュアップや新業態開発を行う機能もいずれ必要になります。
 次回は「売れる業態パッケージ」についてご紹介いたします。

Profile なんぶ・あきお
愛知県名古屋市出身。1977年生まれ。明治大学商学部卒業後、日系コンサルティングファームにて、飲食・サービス・小売など様々な業界の診断・改善コンサルティングに従事した後、2004年独立。2社設立・売却を行った後、2008年に株式会社ディーセント・スタイルを設立し、家系ラーメン「町田商店」や800拠点を超えるデイサービス業態などの本部構築をはじめ、飲食・サービス・小売・福祉など上場企業を含めた様々な業界・業態に対するチェーン本部支援を行なっている。

 

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