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【連載 第1回】25兆円市場を支える立役者 法人フランチャイジーの可能性

公開日:2023.07.27

最終更新日:2023.07.27

※以下はビジネスチャンス2023 年2月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

第1回 法人フランチャイジー大国ニッポン

 

関西学院大学商学部 川端基夫教授

 個人の独立開業手法としてイメージが強いフランチャイズだが、こと日本においては、加盟者の属性の半数以上が法人で占められている。その数は推計1万~1万3000社とされており、彼らの多くは特に地方に根を張る老舗企業ばかりだ。今回からスタートする同連載では、そんな日本のフランチャイズ業界を支える立役者たちの存在に迫っていく。

 

 

 

法人フランチャイジーの6割以上が兼業での加盟

「中小企業が成長するため」 兼業型が多数を占める日本のジー

 フランチャイズの加盟者には、個人と法人とがあることはいまさら言うまでもありません。日本では、今や街で目にするフランチャイズチェーン店の7〜8割程度が、法人フランチャイジーによって運営されていると言っても過言ではないでしょう。
 法人フランチャイジーには2つの種類があります。1つは、個人による1店舗加盟から始まり、その後、店舗数を増やして「専業」の法人となったものです。もう1つは、別に本業を持つ法人(既存の中小企業)が「兼業」でフランチャイズ店を営むものです。
 日本では、後者の兼業型の法人フランチャイジーが多いことが良く知られています。別の本業を営む中小企業が、業容拡大や多角化、遊休不動産の活用、本業の効率化、あるいは本業不振からの脱却(転業)などを目的に加盟してきたのです。
 つまり、現在の日本のフランチャイズシステムは、個人が起業・独立をするための手段という側面も依然としてあるのですが、むしろ中小企業が成長するための手段としての側面の方が大きくなっているのです。
 では、フランチャイズ発祥の地であるアメリカの状況はどうでしょうか。実はアメリカでは個人加盟が中心となっており、特に中小企業が「兼業」で加盟するケースはほとんど見られないのが実態です。逆にいうと、日本は世界でも稀にみる兼業型の法人フランチャイジー大国となっているのです。この事実は、研究者の間でもほとんど知られていません。
 そこで、本連載では、改めて日本の法人フランチャイジーに焦点を当てることで、これまで明らかになってこなかった日本のフランチャイズビジネスが有する課題と可能性、そして今後の方向性について理解を深めていきたく思います。

 

地方圏で成長する法人フランチャイジー

 筆者の推計によると、日本には法人フランチャイジーが1万〜1万3000社くらい存在すると見られます。また、そのうちの6割以上が、加盟時に兼業型だったことも明らかになっています。前述のごとく、これこそが日本の大きな特徴となっています。
 問題はその分布です。フランチャイズ市場は、単純にいえば人口に比例すると考えられます。ですから大都市部の方が有利に思えます。確かに、法人フランチャイジーの数も絶対数で見れば大都市部に多いのですが、人口比で捉えると、むしろ地方圏の割合の方が高くなります。フランチャイズビジネスは人々の消費生活と密接な関係にあるので、地方圏にもフランチャイズ市場(需要)が十分あることを示しています。
 実際、メガフランチャイジーと呼ばれる法人の本社所在地を調べると、その多くが地方圏にあることが分かります。しかも、大規模なものほど地方圏に偏っているのです。地方圏の中小企業が、フランチャイズビジネスに参入することで、地元経済や地元の人々の消費生活の向上に貢献しているケースも多くみられます。
 また、地方圏の法人フランチャイジーは、加盟業種や加盟ブランド数が多くなる傾向が見られ、市場を占拠しやすい競争環境があることもうかがえます。フランチャイズのビジネスチャンスは、地方圏により多くあると言えるかも知れません。

Profile  かわばた・もとお
1956年生まれ。大阪市立大学大学院修了、博士(経済学)。関西学院大学商学部教授。流通業の研究が専門であり、2021年に出版した『日本の法人フランチャイジー』(新評論)では、日本商業学会賞優秀賞および中小企業研究奨励賞を受賞。

 

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