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【連載 第5回】FC弁護士が答えるランチャイズ法律相談 

公開日:2024.02.14

最終更新日:2024.02.14

※以下はビジネスチャンス2024年2月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

フランチャイズ・システムと類似の制度

弁護士法人 心斎橋パートナーズ 神田 孝 弁護士(59)

 フランチャイズに加盟する、本部を構築または運営する。いずれの場合も法律の知識は欠かない。「知らなかった」では済まされない失敗を防ぐために、法に基づく考え方を知っておきたい。チェーンビジネスに詳しい現役弁護士が、実例を交えてわかりやすく解説する。

 

 

 

Q:フランチャイズ・システムと類似する制度としてどのようなものがありますか。

1.多店舗展開するための制度
 企業が多店舗展開をする制度としては、フランチャイズ・システムの他に、レギュラー・チェーン(直営店制度)、代理店制、ボランタリー・チェーンがあります。それぞれの違いを見てゆきましょう。

⒉レギュラー・チェーン(直営店制)
 レギュラー・チェーンとは、単一の法人格の下で直営店を多数展開する組織形態を言います(日本フランチャイズチェーン協会「フランチャイズハンドブック」347頁)。フランチャイズ・システムにおいて、本部と加盟者は独立した事業者であって、加盟者は本部の支店でもなければ従業員でもありません。その一方で、直営店制では個々の店舗は本社の一事業所であり、その責任者(店長)は本社の従業員です。このように事業者としての独立性がフランチャイズ・チェーンと直営店制(レギュラー・チェーン)との違いになります。

3.代理店制
 化粧品の専売店や保険などでは代理店制が取られています。このように、代理店制とは、ある事業者の一定の種類の商品を継続的に買い入れて再販売したり、委託を受けて商品やサービスを提供するビジネスの形態です。
 フランチャイズ・システムが、本部から加盟者への商標とノウハウの使用許諾を目的とするのに対して、代理店制度では、メーカーの商品を販売することが目的となります。
 しかし、代理店制においても、代理店は統一されたブランド名を用いますし、その販売方法や販促方法についてメーカーの支援や指示を受けます。その意味で、フランチャイズ契約と代理店契約との間には多くの共通点が認められます。

4.ボランタリー・チェーン
 小規模の酒販店やスーパー・マーケットでは、共同して組合型の組織をつくり、商品の共同購入や共通の販売戦略を立てることでコスト低減や競争力の強化を図っていますが、このような組織がボランタリー・チェーンです。ですから、ボランタリー・チェーンとは「独立小売店が同じ目的を持った仲間達と組織化し、チェーンオペレーションを展開している団体」と定義されます(一般社団法人日本ボランタリーチェーン協会)。
 ボランタリー・チェーンもフランチャイズ・チェーンも個々の加盟店が独立した事業者である点で共通しますが、フランチャイズ・チェーンが本部と加盟店との1対1の契約関係の集合であるのに対して、ボランタリー・チェーンは、加盟店同士が横のつながりを持ち自発的に組織された総会等によって運営されます。その意味でボランタリー・チェーンは組合に近い形態です。

5.まとめ
 このように、多店舗展開するための方法としては様々な形態があります。しかし、代理店制やボランタリー・チェーンは、フランチャイズ・チェーンとの区別が困難な場合も少なくありません。ですから、実務的には、その呼び名よりも実質に従って判断されると考えてください。

 

 

Profile かんだ・たかし
 1963年大阪生まれ、早稲田大学法学部卒業。東京弁護士会所属。チェーンビジネス法務を専門とし、多くのFCチェーン、レギュラーチェーンの顧問を務める。現在、弁護士法人心斎橋パートナーズ代表社員。(社)日本フランチャイズチェーン協会研究会員・専任講師。(社)中小企業診断協会東京支部フランチャイズ研究会特別会員。経営法曹会議会員。(株)あさひ社外取締役。趣味は筋トレと格闘技。2023年度全日本マスターズレスリング選手権78㎏級3位。
 「ケース別 法的交渉の実務」(共著・青林書院・2020年)「フランチャイズ契約の実務と書式(改訂版)」(三協法規・2018年)
「事例で分かる外食・小売業の労務戦略(増補版)」(第一法規・2018年)
「フードサービス店長法律ハンドブック」(商業界・2013年)「よくわかる!フランチャイズ入門」(共著・同友館・2011年)

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