【連載 第11回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第11回】

フランチャイズ投資の実践編
～オーナーから有益情報を取得する「4つの質問項目」その1～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　今回は、オーナーから有益情報を取得するために押さえておきたい「4つの質問項目～その1～」をお伝えする。

オーナーのことはオーナーに聞いてみる

　フランチャイズ投資を検討するにあたり、本部から聞ける情報や、自分で調べられる情報には限界があります。一般的に目にする情報は「オーナー募集広告」だったり「加盟開発営業担当者の営業トーク」だったりするからです。実際に加盟している他のオーナーに話を聞くことは、真の姿を知るためにとても有用です。オーナーという同じ立場であれば利害関係はありませんから、フラットな意見を聞くことができます。
　どうやって他のオーナーと知り合うのかといえば、私が運営する研究会のようなフランチャイズオーナーや加盟志望者が集まる場所に参加する方法もありますし、本部によっては頼むと紹介してくれる場合もあります。ただしこの場合は、本部と仲が良く、お店もうまくいっているオーナーを紹介されるパターンが多いので、注意が必要です（中立な視点から語ってくれるオーナーも多く、会って損はありません）。
　あとはフランチャイズフェアに行って、お客さんに声をかけて友達になる手もあります。すでに何店舗か出店しているオーナーであることも少なくありません。まだ出店していない人だとしても、仲間になれる可能性がありますから、継続的に情報交換をする相手として友達になって損はありません。

オーナーに聞くべき4つのこと（前編）

　もし他のオーナーに会えたら、次の質問をしてみましょう。

①儲かっているか？（収益率）
　まずはシンプルに一番大切なことを聞きましょう。普通であれば初対面の人には聞きづらい話ですが、同じフランチャイズに加盟するか迷っている立場を明かして会っているのであれば、真摯に答えてくれる人が多いはずです。できれば「はじめて何年くらいか」「どのくらいの時期から黒字か」などをあわせて聞けると良いでしょう。損益分岐点に達するまでの期間を知ることは運転資金としていくらを用意する必要があるかを知ることにつながります。

②増店する気持ちはあるか？
　一番大切なのはこれです。フランチャイズというのは、最初は起業のつもりでも、成功すれば投資型になっていきます。自分の店舗がうまくいっているなら、店を増やせば純粋に利益が2倍近くになりそう、という計算が立つからです。フランチャイズオーナーは、ビジネスモデルを大きく変えることができないため、基本的には
「収益の大きさ＝店舗数」
となります。増店する気持ちがあるのは、このルートに乗っているからです。
　逆に、収益が出ているのに増店する気にならない（なれない）のは、何か問題がある（例えば周りのオーナーの赤字率が高い・エリアがない・本部が過度な締め付けをしてくる等々）ということですから、その理由を質問しましょう。
　続きは次回に紹介します。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。