【連載 第5回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門

現役FCオーナーが教える　世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第5回】

FC投資の実践編　～勝負を分ける「正しい情報収集」のやり方とコツ（その1）～

ロータス・インターナショナル　　古川 暁 社長（55）

　東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
　同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」（秀和システム）から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
　今回はフランチャイズ投資の実践編として、フランチャイズ本部を選ぶ際の「正しい情報収集」のやり方とコツについて解説する。

まずは「おまとめサイト」 FCフェアに参加するのもおすすめ

　当たり前ですが、どのFC本部に加盟するかを決める必要があります。そのために「どんなFCがあるのか」情報収集をしましょう。調べるための方法として、FCおまとめサイトが役に立つでしょう。インターネットで「FCまとめ」などと検索すれば、いくつかのおまとめサイトがありますから、そこに登録して、メルマガを読むなどしてみましょう。きっと「え、いつも目にするあのお店もFCだったの？」とか「こんなFCがあるのか！」というものが沢山見つかると思います。
　気になった本部があれば資料請求をすることもできます。まったくFCの知識がないという人も、しばらくそうしているうちにどんな世界か見えてくると思います。また、メルマガは基本的に「こんなFCがありますよ」といった内容ばかりですが、時々FCツアーの募集があったりもします。そうしたツアーに参加すると。実際にFC本部の人から実店舗を見せてもらったり、少人数で本部の人に色々な話を聞けたりします。
　おまとめサイトの次にぜひ活用していただきたいのが、年に何度か開催されるFCフェアです。最も大きいのは年に1回、日本経済新聞社が主催する「フランチャイズ・ショー」。それ以外にも様々なFCおまとめサイトなどが「新規事業立ち上げ」や「独立開業」を検討する人向けに、飲食・サービス・小売のFC本部やFCサポート業者を集めて情報交換から加盟相談まで可能な展示会やイベントを開いています。一度に様々なFC本部の話を聞いて比較することができるので、足を運んでみるといいでしょう。

本部のいうことを聞いていれば素人でも開店まではできる

　FCの基本的なメリットは、ビジネスモデルが初めから用意してあることですが、運営開始までに必要な手続きなどの支援を得られることも助かるところです。
　例えば、資金調達や税理士にどう頼めばいいか、というのは会社勤めをしている人にとっては未知の世界だと思いますが、こういった作業も基本的には本部が「この資料を用意してください」といった具合で指示をしてくれます。また、初期費用の一部を銀行等からの資金調達で賄うこともできますが、そのときの事業計画書作成を本部がサポートしてくれることもあります。
　当たり前ですが、FC本部というのはこういった起業のサポートに慣れていますし、銀行側からしてもすでに前例があるFCの方が回収を見込みやすいため、個人でゼロから起業するよりも資金調達しやすくなります。つまり、本部を決めれば実際にお店を出すところまでは基本的に本部の指示に従っているだけでできてしまいます。ここは個人で起業する場合と違って助かる部分です。
　とはいえ「本部の言いなりで良いのか？」「そもそもどの本部を選べば良いのか？」という問題は当然あります。「なんとなく資料に書いてあることが良さそうだから」という理由では成功率は高くなりません。次回はFC本部の選び方について解説していきます。

古川 暁 　Profile

開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。