【連載 第3回】知識ゼロでも今からできる! 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門
公開日:2023.05.23
最終更新日:2023.06.05
※以下はビジネスチャンス2022 年10月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。
現役FCオーナーが教える 世界一わかりやすいフランチャイズ加盟入門【第3回】
フランチャイズ投資のリスク管理「主な失敗要因」4種類の概要
東京大学を卒業後、日本と外資の金融機関でキャリアを形成してきた古川暁氏は2015年に独立。選んだ起業方法はフランチャイズだった。まったく知識のない状態からスタートした古川氏だが、現在では4つのフランチャイズに加盟し、6店舗を運営している。
同連載では、そんな古川氏が体当たりで経験してきた情報をまとめた著書「フランチャイズ投資入門」(秀和システム)から、フランチャイズ加盟に関わるイロハを伝授してもらう。
今回は、フランチャイズ投資のリスクについて、主な失敗要因を4つに掘り下げて説明していく。
一般的な起業では、業種にもよりますが5年生存率は15%程度とされています。それがFCの場合は65%程度とされます。すでにうまくいっている本部のビジネスモデルやブランドをそのまま利用するわけですから、当然普通に起業するよりも成功率が高くなるのです。「35%は失敗する」と言い換えることもできますが、この部分は自分の努力次第でコントロールできるところです。成功率が高そうなFC本部を選ぶ、加盟してから自分のできる範囲の営業努力をする、などです。
今回はフランチャイズ投資を行う際のリスク、すなわち失敗要因を見ていきましょう。
①立地を外す
店舗型ビジネスのFCに加盟する場合は立地が非常に重要です。そのFCグループ全体は儲けていたとしても、「自分の店が儲けられるかどうか」というのは、立地に大きく左右されるからです。したがって、「集客できないような立地に出店してしまう」というのは、主要なリスクの一つとなります。
②有能なスタッフが集まらない
コンビニのFCなどは、自分が店長としてフル回転するといったことも珍しくないですが、それでは単なる「FC起業」です。もちろんそういうやり方も悪くはありませんが、本記事の主旨は投資です。基本的に店舗は誰かに任せて、自身の現場仕事は最低限にする前提で考えます。
そう考えたとき、責任者に能力がないというのは致命的です。必要な能力は業種によって変わってきますが、収益額とその責任者の力がある程度相関するのは間違いありません。
③ビジネスモデルが陳腐化する
わかりやすいのはタピオカ店の例です。タピオカミルクティーの販売というビジネスは、2019年から20年頃に大流行しましたが、今ではすでに下火となっています。
勝ち組タピオカ店オーナーはタピオカブームが一時的なものであることなど分かっていて、短期間のうちに初期費用等をすべて回収し利益を出しました。しかしブームを読めずに、2019年後半以降にいちからタピオカ店をはじめてしまった人たちは、大苦戦となったのです。
こういったビジネスモデルそのものの問題で稼げなくなるというのはよくあり、ほかには、痩身エステサロンの需要がスポーツジムへ移行したという例などが挙げられます。
需要の変化が起きたとき、株式投資ならば投資銘柄を変えることができます。あるいはFC以外のオリジナルビジネスであれば、何らかの対策を打てます。しかしFCの場合、ビジネスモデルは本部が決めることなので、自分の意思で対策を講じられません。市場の変化に自分自身で対応できないというのが、FCの持つリスクの一つなのです。
④世の中の情勢の影響を受ける
コロナ騒動などがまさにこの例です。「飲食店経営をはじめたら、コロナウイルスの感染拡大でまったく集客できなくなった」というケースは多いでしょう。またコロナウイルスに限らず、こういった外部要因の影響を受けることはよくあります。大規模なものだけで考えても2008年のリーマンショック後など、10年スパンで見れば自分にはどうしようもない不況は起こるものなのです。
古川 暁 Profile
開成高校・東京大学を卒業後、住友信託銀行、ロイヤルバンクオブスコットランド、BNPパリバにて金融マンとしてキャリアを積む。銀行員時代の2014年に仲間達とFC業界を投資という観点から研究し、準備期間を経て独立。4つのFCに加盟、6店舗運営中。FC加盟候補者として多くのFC本部と出会い、実際にFCオーナーとして会社を運営している経験を投資家、将来の起業志望者につなげる意思を持つ。フランチャイズ加盟者の為のビジネス研究会主宰。
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