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【連載 第31回】アメリカに学ぶフランチャイズ事情

公開日:2023.08.09

最終更新日:2023.08.09

※以下はビジネスチャンス2023年4月号から抜粋した記事で、内容は掲載時の情報です。

米国フィットネス業界の背景とトレンド

 フィットネス市場は世界的に拡大しており、2019年には960億ドルを超えました。アメリカにおけるフィットネスのデータは、以下のようになっています。
・フィットネスジムの店舗数: 4万1370店舗
・年間の平均会員数: 5800万人(そのうち67%は利用していない)
・平均会費: 月額58〜70ドル
・アメリカ人の51.6%は週3日、30分以上の運動をしている
 フィットネス市場は、二つのカテゴリーに大別できます。

大型施設(ビックボックス型)
 ビッグボックス型は、フリーウエイトやカーディオ機器を備えた24時間制のジムです。グループレッスンなどを提供しており、フィットネスのワンストップソリューションに対応できる施設を指します。ライフフィットネス機器やグループフィットネスルーム、プールやリテールエリアを備えているにも関わらず、良心的な価格設定が特徴的です。アメリカの代表ブランドとして、Planet Fitness、24 Hour Fitness、LA Fitnessが挙げられます。

ブティックフィットネス(ブティック型)
 アメリカでは、ビックボックス型の年間伸び率が15%だったのに対して、ブティック型は121%の伸び率を記録しました。ブティック型の定員は1クラス15〜40人ほどです。ジムのコンセプトが明確であるため、共通のライフスタイルをもつメンバーが集まりやすく、ジムがコミュニティの場となっています。コミュニティやテクノロジー、パーソナライズやブランディングなどがブティック型の特徴です。最新アプリやマシン、VRなどパーソナライズされた管理方法が導入され、若者に大きな共感を与えています。

ビッグボックス型(左)とブティック型

日本のフィットネス市場規模及び背景

 日本のフィットネス市場規模は4600億円と言われています。90年代はコナミスポーツやセントラルスポーツなど、総合フィットネスと言われるビックボックス型が主流でした。2000年以降はアメリカのカーブスやエニタイムフィットネスなど、ブティック型が拡大しました。2010年代から専門型スタジオが多様化し、ヨガやボクシング、ピラティスやパーソナルトレーニングが浸透しました。特に、ライフスタイルの多様化により、24時間営業で利便性の高いエニタイムフィットネスが爆発的な人気を集め、市場を独占しました。

日本のフィットネス事情

 日本のフィットネス人口はわずか3%程度で、韓国の7.3%と比較しても低い水準です。アメリカでは、利便性の高いエニタイムフィットネスや女性専用のカーブスなどの普及により、人口の18.6%までフィットネスが普及。コロナにより、リモート・バーチャルトレーニングも浸透しました。

年代別に見るフィットネス市場

 最後に年代別にフィットネス市場を整理します。
・団塊の世代(52〜70歳): ビックボックス型スタジオ思考
・ミレニアル世代(25〜40歳): ブティック型スタジオ思考
・ジェネレーションZ世代(18〜24歳): ブティック型スタジオ思考
 特に、ミレニアル世代やジェネレーションZ世代にとってフィットネスは、ライフスタイルの根源であり、SNS(Facebook/Instagram/Tik Tok)を通じ、自分自身のライフスタイルを発信する傾向があります。今後のフィットネス市場に目が離せません。

 

Profile藤田一郎
 上智大学国際学部および南カリフォルニア大学国際学部出身。1980年にI. Fujita International, Inc.を設立。1986年から米国フランチャイズ案件の日本導入事業に着手。2000年以降から日本フランチャイズ案件の米国導入事業及び加盟店開発を行う。米国のアントプレナー誌からExcellent Entrepreneur Awardも受賞。最も米国フランチャイズ事情に精通している人物として認められ、近年は、フランチャイズのグローバル化に貢献し、多方面で講演を実施。日本フランチャイズ及び小売企業の北米進出サポートやコンサルテイングを行っている。

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