ウェンディーズとファーストキッチンのコラボ店拡大/ウェンディーズ・ファーストキッチン

53店舗から全国300店舗体制を目指す


1969年にアメリカで誕生したウェンディーズは、1980年にダイエー資本で日本に進出したものの、2009年に撤退。2011年にドミノピザで知られるヒガ・インダストリーズと投資ファンドとの出資によって、ウェンディーズ・ジャパンとして再進出を果たした。2016年には、サントリーホールディングスが運営していたファーストキッチンもグループに加わり、現在の体制となった。同社の紫関 修社長は、ファーストキッチンの社長も兼任し、両社の成長戦略を描いている。


ウェンディーズ・ジャパン/ファーストキッチン

東京都新宿区

紫関 修社長(61)



紫関 修社長(61)
profileしせき・おさむ 1961年生まれ。青山学院大学法学部卒。1985年東急ホテルチェーン入社。97年日本マクドナルド入社。2013年フレッシュネス社長。16年8月から現職。千葉県出身。

 

ウェンディーズの再進出に際し、力を入れているのが、ファーストキッチンとのコラボレーション店舗だ。現在、単独店舗ではなく、「ウェンディーズ・ファーストキッチン」のダブルネーム店舗として53店舗。うちFC店舗は6店舗展開している。基本的に新店は全てコラボ店になるという。

 

2016年にFキッチンと合流

既存店売上が1・5倍に


「ウェンディーズ・ファーストキッチン秦野店」


――現在、「ウェンディーズ・ファーストキッチン」の屋号で、コラボレーション店舗を展開しています。

紫関 2011年の再進出以降も、アメリカのフォーマット通りではうまくいかず、また撤退かという時に、サントリーさんの「ファーストキッチン」とのコラボレーション店舗の話がありました。そこで上野と六本木の2店舗を「ウェンディーズ・ファーストキッチン」というコラボ店にしてみたところ、売上が1・5倍になったのです。これを契機に、ファーストキッチンをグループ化した2016年以降もこの路線を続けています。


――アメリカの本部からはすんなりOKが出たのですか。

紫関 普通ならウェンディーズ単体でやっていきたいと考えるでしょう。しかし現実は、マクドナルド以外、なかなかアメリカのハンバーガーブランドは日本で成功していない。こうした状況で、ファーストキッチンが持っているアセットを使って、店舗を増やそうという経営判断だったのだと思います。一方我々も、ウェンディーズというブランドイメージをしっかり守りながら、店舗やメニューの開発をしています。


――売上はウェンディーズとファーストキッチンでどう分けていますか。

紫関 コラボ店舗の売上に関しては、ロイヤリティをウェンディーズに払っています。アメリカの本部からすれば、日本でウェンディーズを浸透させるためには、こうした施策が重要だと考えた。契約内容をかなりシンプル化していて、うちがロイヤリティ全て払います。その代わり、ダブルブランドで2つのロゴマークをつけてやっていいよ、ということですね。


――ただコラボ店舗はまだ認知度が高くない。

紫関 やはりファーストキッチンは45年の歴史がある。その看板を変えてウェンディーズと一緒になりました、とやってもまだ6年です。認知度を高めていくのは喫緊の課題です。


――コラボ店舗を始めて、単体の店と比べて客単価はどれくらい上がりましたか。

紫関 看板を変えた時に店舗売上130%を目標にしていましたが、多くの店舗で客単価が上がり、目標を達成しました。以前はファーストキッチンのバーガーは300〜400円が中心で、ウェンディーズのバーガーは500〜600円。そこでまず商品単価が上がりました。ファーストキッチンはどちらかというと女性のお客様が多かったのですが、ウェンディーズの冠をつけたところ、今度は男性のお客様が中心になりました。彼らはボリューミーなハンバーガーを召し上がりますので、おのずと客単価が上がりました。


――「ファーストキッチン」は単独で58店舗あります。これらの店舗は今後コラボ店になりますか。

紫関 コラボ店舗の方が効率的なものは変えますが、ファーストキッチン単体はまだ残す予定です。今後ファーストキッチンがどういうところに出店するのかも含めてやっていくので、全てが何年以内にコラボ店に変わるわけではない。一方で、ウェンディーズ単独での出店は考えていません。新店は基本的には「ウェンディーズ・ファーストキッチン」というコラボブランドです。




6年前より客単価アップ

ローカライズした商品を開発



――コラボ店とファーストキッチン単店の商品は同じですか。

紫関 基本的には同じですが、コラボ店の独自性は持たせています。ウェンディーズのパティという肉の形は四角。でも我々が開発したメイン商品のクラシックシリーズは丸型です。あと、和の味付けをしています。クラッシックバーガーという商品で海老を入れたものはものすごく売れました。そういう点で特色を持たせています。

――これは日本だけの商品構成。

紫関 イメージとしては、アメリカの洋と、日本の和の両方が味わえる。ハンバーガーに関しては、多少手を加えたものもありますが、基本アメリカに近いものを作っています。コラボ店ではバーガーは2種類開発して、調達も2つしなくてはいけないので、2度手間がかかって大変なのですが、それを上手くマネージメントしています。ただやはり商品単価も高いので売上が高いのはウェンディーズの商品です。コラボレーション店舗を始めて以来、業績が徐々に上向いたという同社。外国人観光客の取り込みにも成功し、2019年には再進出以降で、最高益を達成した。しかし、コロナの直撃により同社もまた大きな打撃を受け、戦略の転換を余儀なくされた。この2年間で進めてきたセットメニューとデリバリーが新たな売上の柱になりつつある。





男性客やインバウンド取り込むも

コロナ過でサービス見直し



――コラボ店舗を始めてからの業績は。

紫関 最初の2年半は、ボリューミーなハンバーガーをちょっと高いけど居心地のいい場所でお召し上がりいただく、というコンセプトで展開しました。それは男性のお客様、かつマクドナルドでは物足りないというお客様を取り込んで、外国人観光客の方を含めて2019年はV回復の頂点でした。ただコロナの影響でもう1回立て直すこととなった。


――おのずと違う層にもアプローチしなくてはいけなくなりました。どのような施策に取り組んだのでしょうか。

紫関 デリバリーを積極的に行うことで、今では売上の20%近くまで占めるようになりました。


(後編へ続く)

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