地方の加盟店が月商1200万円を達成/トマト&オニオン、じゅうじゅうカルビ

遠方でも物流コストは本部が負担


トマトアンドアソシエイツは、今から40年以上も前に京都の舞鶴で産声を上げたファミレスチェーン「トマト&オニオン」と、食べ放題焼肉の「じゅうじゅうカルビ」をフランチャイズ展開する外食企業だ。現在は、すかいらーくグループの一員となって、両ブランドの加盟店開発に力を注いでいる。小林大二社長に取材した。


トマトアンドアソシエイツ

兵庫県西宮市

小林 大二社長(57)


小林 大二社長(57)

1964年10月5日生まれ。東京都出身。二葉栄養専門学校卒業後、栄養士を経て1990年にバーミヤン(現すかいらーく)入社。営業部長、営業政策ディレクター職を経て、2018年にトマトアンドアソシエイツ代表取締役に就任。



40年以上前に京都の舞鶴で誕生



――ファミレスの「トマト&オニオン」と食べ放題焼肉の「じゅうじゅうカルビ」をフランチャイズ展開されています。

小林 2022年3月末時点で、前者はフランチャイズ店舗を含め27店舗、後者はフランチャイズ6店舗を含め42店舗を出店しています。



アメリカのホームパーティーをコンセプトにした内装

――「トマト&オニオン」の1号店は、昭和53年に、京都で誕生したそうですね。ファミレスとして40年以上の歴史があるわけですが、どんな特徴の業態なのでしょうか。

小林 京都といっても、お寺や由緒ある建物が立ち並ぶ京都市内ではなく、日本海側の舞鶴という町です。聞いた話によると、終戦直後の舞鶴港は、満州から引き揚げてくる船の玄関口になっていて、アメリカ兵が多くいたそうです。当時の子供たちがそうだったように、舞鶴で生まれ育った創業者も自然とアメリカ文化に憧れを抱くようになりました。それで大人になってからアメリカのホームパーティーに友人を招待したイメージをコンセプトとして、地元で「トマト&オニオン」を出店したそうです。アメリカナイズされた雰囲気は今も受け継がれている特徴の一つです。ちなみに1号店は今も同じ場所で営業を続けています。


――当時はまだ、ファミレス自体が珍しかった時代です。出店後の反響はどんなものだったのでしょうか。

小林 出店した場所が周りに何もない田舎道沿いだったため、周囲の人はみんな「うまくいかないだろう」と言っていたそうです。しかし、蓋を開けてみたら連日大賑わいで、お店は大繁盛しました。他店にはない独特の雰囲気と、看板商品のハンバーグが人々の心を掴んだのだと思います。過去の資料を見てみると、平均月商が1000万円を超えていた時期もあったようです。広さが40〜50坪ほどで、ファミレスとしては決して大きくありませんので、この数字は驚異的だと思います。

看板商品のハンバーグ


――昭和61年にはフランチャイズがスタートしました。

小林 実は、もともとフランチャイズ化の予定はまったくなかったそうです。それがなぜFC化したのかというと、直営店が3店舗になったときに、愛媛県にある今治デパートが「地方で成功しているファミレスがある」という噂を聞きつけて視察に来られ、その場で加盟を希望されたからだそうです。大手どころかコンビニだって手を出さないような場所だったにもかかわらず、大繁盛しているお店の様子を見て、かなりの衝撃を受けたと聞いています。二等立地、三等立地でも成功するビジネスモデルであるという点も、「トマト&オニオン」の強みですね。


――実際、地方都市で成功している事例は他にもあるのでしょうか。

小林 和歌山県新宮市にある店舗は特にすごいと思います。言い方は悪いですが、陸の孤島みたいな僻地にあるにもかかわらず、コロナ前には平均月商が1200万円もありました。他に何もないところなので、広域から人々が集まってきます。佐渡にある店舗も他にライバル店がないため独壇場で、平均700万円を売り上げています。


――なぜ他のチェーンが出店しないような地方都市でも出店できるのでしょうか。

小林 物流コストを本部で負担しているからです。もちろん、その分、本部の利益は減りますが、逆に加盟店は物流コストを気にせずに出店することができます。



トレンドの変化を感じ〝食べ放題〞にシフトチェンジ




――一方で平成10年には新業態として「じゅうじゅうカルビ」を立ち上げました。

小林 洋食以外にも柱になる業態を作ろうということで、地域住民の方により良い食文化を提供するという考えのもと、居酒屋やラーメン、とんかつ、焼鳥など、いろいろな業態にチャレンジしました。結果的に、その中で焼肉が一番うまくいったため業態化しました。



――焼肉店が人々に支持された理由はどこにあると思いますか。

小林 当時の関西の焼肉店といえば、韓国系の方が昔からされているような小さな個人店が主流で、家族で行ってゆったりくつろげる大型のお店はほとんどありませんでした。そこで居酒屋のような板張りの座敷で、席を広めにした店舗を作ったところ、ファミリー層から支持されました。ただし、この頃の「じゅうじゅうカルビ」は今のような〝食べ放題〞ではありませんでした。価格帯も若干高めに設定していました。


――〝食べ放題〞にシフトチェンジしたのは、焼肉店のトレンドがそちらに移った影響からでしょうか。

小林 そうですね。それにともない我々の店舗の売上が低迷しだしたことが大きかったです。時期的には平成20年、21年あたりだったと思います。何とか両立させようとしたこともありましたが、同業他社が〝食べ放題〞で業績を伸ばしていく姿を見るうちに、うちも思い切ってシフトチェンジするときがきたのではないかと思い、決断しました。結果的にこの判断は正解で、再び業績は上向き、加盟店も増えていきました。




――今後、加盟店開発を進めていくにあたり、取り組んでいることはありますか。

小林 「トマト&オニオン」については店舗のメニューのテコ入れを実施し、今まで以上にアメリカナイズされたものに変えました。結果、コロナ前はほとんどなかったテイクアウトが大きく伸びました。一方で「じゅうじゅうカルビ」の方は肉の美味しさをとことん追求していきたいと思っています。なんだかんだやっぱり肉が美味しくないと話になりませんからね。店名にも謳っているように、とにかく美味しいカルビが食べられるお店だということをもっと世の中に広めていきたいですね。



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