「味分けで後進へ道を残したい」/竹麓らーめん

550種類のレシピを低資金で提供


青葉フーズ

東京都江東区

竹麓輔 社長(64)



2000年初頭に一世を風靡した「むつみ屋」の創業者、竹麓輔氏が新たなブランド「竹麓らーめん」で、味分けの募集を開始した。34年かけて蓄積した550種類のレシピを活用し、簡単且つ低資金で開業可能となる2種類の「うま味分け」コースを用意。再起をかけた「うま味分け」への想いやその特徴について、竹麓輔社長に話を聞いた。


竹麓輔 社長(64)


残った財産はレシピの豊富さ

みんなを笑顔にする味分け



―1996年のオープン以降大繁盛店となり、全国に直営・FC合わせて176店舗まで拡大したむつみ屋ですが、2013年に15億円の負債を抱え自己破産となりました。当時をどのように振り返りますか。

 むつみ屋は一時、最盛期には全体で150億円も売り上げるラーメン店でした。当時、私自身が天狗になっていたこともあり、ラーメン以外にも火鍋やジンギスカン、カレーなど様々な業態に手を広げ過ぎたのでしょう。時代の流れと共に、競争の激化するラーメン界で次第に淘汰され、経営が火の車になりました。それでもただ見ているだけで何もできず、自己破産することになってしまいました。全て私の甘さ故だと自責を感じており、ご迷惑をかけたFCや関係者の方々に対し、本当に申し訳なく思っています。


―その後2019年に再起をかけ、東京都中野に「竹麓輔らーめん創作工房たけろくらーめん」を出店し、味分けの募集を開始されました。FCとは形態の異なる味分けを開始された経緯は。

 私はこれまでに2度の挫折を経験しました。1度目はサラリーマン時代に副業で始めたラーメン店「蔵屋」、そしてむつみ屋が2度目です。それぞれ多くの方々にご迷惑をお掛けしましたし、私自身、たくさんの友人や知人を失い、人生のどん底を経験しました。しかし、もう一度チャンスを頂けたからには、「関わる全ての人に恩返しをしなければ」と考え、辿りついたのが味分けのスキームです。同じ過ちを繰り返さないためにも、味分けという形態を選び、加盟者の負担を軽くすることを一番に考えました。そのため、加盟金・ロイヤリティは無し、50万円の保証金だけという設定にしています。また、このスキームを考案する中でもう一つ気付いたことがありました。それは、34年間ラーメンを作り続け、その間優秀な弟子たちが書き残してくれた550種類のレシピという財産です。この財産を活かし、関わる人みんなが喜ぶことをしたいという思いから「うま味分け」は誕生しました。



複雑そうなレシピも簡単調理で

気軽に新メニューの導入が可能に



「 牛 塩 ら ー め ん」

―うま味分けには「伝授コース」と「卸コース」の2種類の開業プランがあります。

 「伝授コース」は新規でラーメン店をオープンしたい方向けのプランです。調理に特化した基本的なラーメン店をオープンしたい方向けのプランです。調理に特化した基本的なラーメン作りを指導し、新店舗のオープンまでサポートします。むつみ屋の研修期間は最低1カ月としていましたが、伝授コースでは約2週間となっています。メーカーとタイアップして開発した基本の濃縮スープがあるので、最も大変なスープ作りを一から覚える必要がなく、短期間で開業までに必要なノウハウを学ぶことができます。


もう一つの「卸コース」は、既存店舗のラーメン店や、コロナで傷んだ居酒屋をテコ入れし、新メニューを低資金で簡単に追加できるプランです。卸コースの場合は食材の仕入れも少なく済むので、保証金は10万円となっています。通常ラーメン店など看板メニューを持つ飲食店は、時間の経過と共に飽きられてしまったり、流行に取り残されてしまうなど、10年続く店は全体の3%と言われています。売上が落ちてきた時に当社から、鶏白湯や豚骨、牛すじ、魚介など550種類のレシピから好きなメニューを仕入れ、既存店に導入して頂きます。そのように当社のうま味分けを活用することで、起爆剤となる商品を簡単に追加でき、10年継続できる店作りが可能となります。さらに、当社が提供するレシピに自社のアレンジを加えて頂くこともできます。


―一見難しそうに見えるレシピも、御社のうま味分けを利用すれば簡単な調理で新メニューを追加できる点が特徴です。

 ラーメン作りにおいて、スープ作りを一から学び、作る工程を身につけるのが最も大変です。人間にも個体差があるように、豚や野菜にも個体差があります。出汁が良く出る豚や、玉ねぎの甘みはひとつひとつ異なります。そのような事を学んでいると2、3年はかかってしまいます。当社は鶏・豚骨・煮干し・昆布・野菜から取った出汁を濃縮し、ベーススープに加工して卸しています。10、20年前とは比較できない程メーカーの技術力が向上しており、濃縮スープとは思えない質感と味わいがあります。このベーススープをアレンジして味噌ラーメンや醤油ラーメンを作ることもできます。複雑なレシピも簡単に調理できるように研究・開発したことで、一本足打法とならず、550種類ある様々なラーメンをお店で提供して頂けます。



「伝授コース」は保証金50万円のみ

低資金で運営するノウハウも提供



―「伝授コース」は加盟金・ロイヤリティ・研修費用が一切無し。開業資金は保証金としての50万円のみとなっています。

 はい、伝授コースであれば保証金として万円だけ頂きます。店舗を持っていない個人が開業する場合、過去には居抜きで100万円の投資額で開店した店舗もあります。郊外型の店舗ですと駐車場が必要になりますが、街中の店舗であれば10〜15坪の広さが理想的です。直営の高田馬場店は、ひとり焼肉のお店の居抜きです。U字カウンターの全16席で、昼はスタッフ3名、夜は2名で回しています。U字カウンターにすることで見渡しが良く、ホールスタッフも必要ありません。伝授コースの場合はお店作りもサポートしますので、ラーメン店の肝となる動線の提案など、長年培ったノウハウも全て提供します。


―うま味分けの加入者数は現在どのくらいでしょうか。

 現在、伝授コースと卸コース合わせて40件契約していますが、そのほとんどが伝授コースです。


―開業から2年経過し、順調に加入者も増え、事業拡大も視野に入る頃かと思います。竹麓らーめんの今後の展望をお聞かせください。

 今年8月を目処に製麺事業を開始することが決まっています。通常の製麺店では、2万食作る場合、200種類ほどの麺を生産しなければなりません。なぜなら、50食しか卸していない店の麺も作る必要があるからです。その度に機械を洗浄しなければならず生産性が下がります。そこで私たちは、3〜5種類だけを機械で製造し、自社や味分けの店舗以外にも販売できるような競争力のある製麺所を目指します。また、普段は事務所兼工房として使用している店舗の2階では、爆烈つけ麺などの商品を作り、お客様に出荷できるようにしていく計画です。うま味分けの問い合わせは予想以上に頂いています。コロナもまだ収束の兆しは見えず、飲食店は苦境を強いられていますが、今は頑張っている後輩たちに、どんな形でも道を残したいと思っています。これからもお客様や加入者の皆様がワクワクするような仕事を作り上げ、1人でも多くの喜ぶ顔が見れるよう邁進していきたいと思います。


人気商品の「爆烈牛すじつけ麺」

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