5坪でも出店できるスモールフォーマットに商機 /サブウェイ

コストを上げず売上を伸ばす施策を打ち出す


「サブウェイ」は、1965年にアメリカのコネチカット州で創業された世界最大級のファストフードチェーンだ。現在は世界100カ国以上で展開され、店舗数は約3万7000店舗にのぼる。日本においては1992年に初出店し、今年6月時点で192店舗(米軍基地を含む)を展開する。昨年11月からは鈴木孝尚氏と阿相智久氏のツートップ体制で、サブウェイブランドのリブランディングを図っている。


日本サブウェイ

東京都品川区

阿相智久代表

鈴木孝尚代表


阿相智久代表 鈴木孝尚代表
Profileあそう・ともひさ
会計事務所勤務を経て、1997年に日本サブウェイ入社、管理部門でキャリアを積む。その後、一時サブウェイを離れるも、2019年に復帰、経営企画本部長に。店舗開発管掌・経理財務・人事・総務・システム責任者として従事。2021年10月共同代表就任。東京CPA会計学院卒。

Profileすずき・たかなお
トリンプ・インターナショナル・ジャパンを経て、2004年に日本KFCホールディングスに入社し、KFC、ピザハットのマーケティングに従事。2018年にマーケティング本部長として日本サブウェイ入社。2021年10月共同代表就任。グロービス経営大学院(MBA)卒。


低投資、省スペースで開業可能


――サブウェイといえば、一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いで出店し街中のいたるところで見かけたイメージがありましたが、その頃から比べると近年は少し元気のないような気がします。

阿相 2011年頃に「野菜のサブウェイ」とブランディングを変えたことでメディアにも取り上げられ、ランチバリューといったセットが売れて急成長をしました。この頃は店舗も急増し、14年には最大で479店舗までになりました。ただその一方で、急成長したためにサービスレベルが追い付いていないという問題も露呈し、その後は体力が落ちて店舗数も減っていきました。ただ私たちの前任の代表が辣腕を振るって下げ止めをしてくれたおかげで、私と鈴木に代表が代わってからは伸ばしていくための施策を打っていくことができています。


――就任されてから、どのようなことに着手されていったのですか。

阿相 まずは社内の意識改革に取り組みました。当社はもともとサントリーが日本におけるマスターフランチャイズ契約をして子会社として設立されましたが、2016年にサントリーとサブウェイのジョイントベンチャーに変更となり、18年にはサブウェイ本社の直轄へと完全に移行しました。そのためシステムやロケーションの変化が次々に起こり、従業員がとても不安を抱えていました。そうした背景もあってか、「上司が答えを出してくれる」という考え方をする従業員が多かったので、権限移譲をして「どうするべきか自ら考えて報告をする」という文化を作ることから始めています。「情報を共有して期限を守る」という当たり前のことを本気でやろうと、今は期限管理を徹底しているところです。


――サブウェイはパンに挟むトッピングを自由に選べ、好みに合わせてカスタマイズができることが売りです。しかし裏を返せば、注文から提供までの時間がかかり、お客の回転率が低くなってしまうという課題もあるかと思います。

鈴木 対面で店員さんとのやり取りを楽しんでもらうスタイルとして、サブウェイは創業からこのスタイルを継続してきました。ただ選ぶのが楽しいというのは、アメリカ的な発想ですよね。そして日本人を含め、アジアの方は選ぶのが苦手という人も多くいます。ですから我々はチョイスは大切にしていますが、「選ばない」こともチョイスだと考えています。オススメというメニューを作って、「困ったらオススメと言ってください」と店舗で案内し、勝手に最適なものを作るようにしています。またオーダーの形式も、今後はリモートオーダーを導入していく予定で、並ばなくてもいいスタイルにどんどん変化させてきています。



人気商品「えびアボカド」


阿相 私が入社したのは1997年なのですが、当時はお客さまから「どうやって買ったらいいかわからない」「注文するのが怖い」という声も上がっていました。でも20年も続けていると、こだわって選びたいというコアなファン層が育ってきます。スタバでカスタマイズする人がいるように、サブウェイでもカスタマイズすることを楽しんでいるお客様がたくさんいるのです。


鈴木 現在、各種SNSの運用に力を入れてキャンペーンの打ち出しを行っており、特にコアなファン層に向けて発信しているTwitterが好評です。3年前は15万フォロワーだったのが、現在では94万フォロワー(6月現在)まで増えています。お客様からの意見も活発で、「もっとお店を増やしてほしい」という声も上がっているくらいです。SNSの運用やキャンペーンが売上の伸びに大きく貢献してくれていると感じています。


――昔と比べ、現在は商業施設内での出店が多いように見受けられますが、投資額や収益モデルなども変わってきていますか。

阿相 今は15坪程度の店舗を中心に開発を進めていて、初期投資額は加盟契約金などを含めて約2400万円。月商は400万円を想定しています。立地によりますが3〜5年程度で投資回収ができるパッケージになっています。サブウェイは省スペース、低投資で始められることが特長です。関西国際空港では4・6坪の面積で出店しています。設備に関しても火や油を使わないことから、大掛かりなものが不要です。立地によっては5坪から出店ができるスモールフォーマットがサブウェ使わないことから、大掛かりなものが不要です。立地によっては5坪から出店ができるスモールフォーマットがサブウェイの強みです。


――オペレーションのスタッフ数も抑えられる。

鈴木 時間帯にもよりますが、一番忙しい11〜13時は4名体制で、朝は2名で十分対応可能です。サブウェイは5種類のパンのうち、4種類が冷凍された生地を醗酵してお店で焼いていますが、限りなく省スペースでできるように設計されています。またパン以外の食材に関しては調理が必要ない状態で届くようになっており、仕込みもとても簡素化されています。オーナー自身がオペレーションに入ることで、レイバーが極端に下がり、手残りが大きくなるという商いです。最近ではレイバーコストを上げずにさらに売上を伸ばしていく施策も打っています。


――どのようなものですか。

鈴木 一言で言うと夜対策です。実はサブウェイの日商はお昼に集中しており、11時から13時の2時間で日商の半分以上を売り上げるという店舗が多くあります。つまり見方を変えると、夜に売上を上げられればもっと利益が出せます。そこで今年の4月から、「NIGHTバリュー」というキャンペーンを始めました。これは時以降にポテトドリンクセットを購入いただくと、プラス200円でサンドイッチがもう一つ付いてくるというものです。お陰様で導入直後ではありますが、NIGHTバリュー導入によって売上が10%近くアップした店舗も出始めてきています。このようにコストをかけずに売り方を変えることで、売上を増やすというチャレンジをしています。


――しっかり収益が出るPLにするため、ビジネスモデルを見直したということですね。中長期での考えを聞かせてください。

阿相 現在は売上を上げてFC店の出店を増やし、広告力を上げるという好循環を作ることを意識して、それが上手く回り始めています。この3年間の中期計画では初期投資をさらに下げることを検討するとともに、FLコストも含め1割程度の改善を目指しています。


鈴木 サブウェイ自体は今でも世界でものすごいスピードで成長を遂げていますので、日本もそのスピードに付いていこうと舵切りをしています。一方で、世界ブランドであるためグローバルデザインという枠がありますが、我々ならではの独自色を出せられるかといった交渉も本国の本部との間で進めています。新しい日本版のデザインを作り、インフラを整えることができれば、過去最大に出店した約500店舗も実現可能な市場であると考えています。

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