大手だけでなく成長性の見込める新興ブランドにも積極的に加盟/プライムウィル

スタッフの成長を促すためさまざまな業態を展開


プライムウィル

兵庫県芦屋市

加藤道信社長(59)


プライムウィル(兵庫県芦屋市)は、東は愛知県から西は広島県まで、広域でフランチャイズ店舗を運営するメガフランチャイジーだ。50店舗を目標に掲げ、成長を続けていく同社の事業戦略について、加藤道信社長に話を聞いた。




加藤道信社長(59)


新設会社に門戸を開いてくれた

「ペッパーランチ」


――「ミスタードーナツ」「珈琲所コメダ珈琲店」「かつや」「いきなり!ステーキ」など、外食業態を主軸に、FC店を30店舗展開されています。



加藤 私は新卒でダスキンに入社し、ほとんどの期間を「ミスタードーナツ」の商品開発部門で過ごしました。在職時には「ミスター飲茶」や「ポン・デ・リング」といったヒット商品の開発に携わり、社長賞を受賞したこともあります。一方で多くの加盟店経営者に接しているうちに会社経営に興味を持つようになり、在職中の2003年にオーナーとしてプライムウィルを設立しました。当初は外部役員として経営を指導していましたが、ダスキン退任を機に代表取締役に就任しました。令和3年6月期の年商は約21億5000万円でした。


――「ミスタードーナツ」の加盟店として独立したわけではないのですね。

加藤 会社を作ったタイミングが、ちょうどFC募集を完全にストップしていた時期と重なっていたため加盟できませんでした。現役社員だからと、私だけ加盟を認めてしまったら、他に示しがつきませんから仕方ありません。それで最初の加盟ブランドに「ペッパーランチ」を選びました。


――いろいろなブランドがある中で、なぜ最初の加盟ブランドに「ペッパーランチ」を選んだのでしょうか。

加藤 1店舗は商業施設のフードコートに出店したいという前提がありました。というのも、当時フードコートは〝ラストオアシス〞といわれていて、出店すれば必ず成功する場所だったからです。それでそれに適した業態を探しました。もちろん他にもいくつか候補はありましたが、大手ブランドはゼロからスタートしたばかりの会社の加盟はなかなか認めてくれません。その中で唯一、門戸を開いてくれたのが「ペッパーランチ」でした。同社の一瀬邦夫社長はコックから身を興した方で、親身になってとても良心的に支援してくれました。


――1号店を出店したのは、当時、明石で新規開業したイトーヨーカドーだったそうですね。しかし、これは予想に反して大変苦労されたと伺いました。

加藤 施設自体の売上が当初の計画の半分程度しかいかず、当社だけでなく、外食部門のほとんどが大苦戦を強いられました。私はまだダスキンに在職していたので、生活の方は何とかなりましたが、本当に大変でした。会社の経営がどうにか安定するようになったのは2年後のことで、大阪の「アリオ八尾」という複合商業施設に「ペッパーランチ」の2号店を出店してからでした。


――2007年には新たに「情熱ホルモン」に加盟されました。

加藤 ホルモンブーム真っ只中だったこともあり、これは大当たりしました。残念ながらブームの終焉に伴い売上が落ち込んだため、後に撤退してしまいましたが、会社の経営的にはかなり助かりました。当社が大きく飛躍するきっかけになりました。




5年後を目処にホールディングス化へ



――現在、12ブランドを展開されています。そもそもなぜ、複数のブランドに加盟しているのでしょうか。

加藤 これには、ポートフォリオを組んで経営リスクを分散させるとともに、スタッフにさまざまな仕事を経験させて成長を促すという2つの目的があります。基本的には外食が中心になりますが、今後は昨年の5月に1号店を出店した「Dr.ストレッチ」の展開にも力を入れていく計画です。


――ブランド選びの基準を教えて下さい。

加藤 資金力があり、優れた人材が揃っている大手FCと、歴史が浅く、まだ未成熟な部分はあるものの、今後の成長が見込めそうな新興FCをバランスよく採り入れることを心掛けています。これにはちゃんと理由があります。大手FCはブランドが確立されているため、ある程度の売上を見込むことができますが、その反面、すでに400、多いと500を超える店舗があります。さらに、ほとんどの地域に先輩加盟店がいるため、こちらが望むような出店ができません。経営は安定しますが、成長スピードはどうしても鈍化してしまいます。一方、新興FCはいくらでも新規出店の余地があるので、どんどん店舗を増やすことができます。安定した経営基盤を築きつつ、ある程度のスピード感をもって成長していくためには、どちらか一方だけでは駄目なのです。今まではこの比率を5対5くらいで考えてきましたが、店舗数が30店舗を超え、会社もかなり安定してきましたので、今後は前者6に対し後者4のバランスでやっていこうと思っています。


――東は愛知県から西は広島まで、広域で事業を展開されています。

加藤 先程も話したように、我々はショッピングモールへの出店を一つの事業戦略として考えています。特に力を入れているのが、売上規模が250億円以上の優良ショッピングモールです。これは、かなり数が限られていて、兵庫県だと2つくらいしかありません。そのため、おのずと県をまたいでの出店が増え、結果的に事業エリアが広域になりました。


――さまざまな仕事を経験させるために活発に人の異動を行なっているそうですね。やりにくい部分はないのでしょうか。

加藤 もちろん、中にはさまざまな事情から異動が困難だという方もいますが、基本的には昇格ありきで行いますので問題ありません。みんな高いモチベーションで仕事に臨んでくれています。


――今後についてお伺いします。店舗については今後も積極的に増やしていくのでしょうか。

加藤 50店舗を一つの区切りとし、店のスクラップ&ビルドを行おうと思っています。コロナ禍で多少足踏みした部分はありますが、先述した「Dr.ストレッチ」も短期で10店舗前後の出店を計画していますので、この数字をクリアすることはそれほど難しいことではありません。また一方で、5年後を目処にホールディングス化を考えています。


――どんな狙いがあるのでしょうか。

加藤 私は来年60歳になります。そろそろ現場から一歩引いて、新しい経営者を育てて応援していく立場にならないといけません。ホールディングス化はそのための手段で、地域ごとに会社を分割し、地元に根付いた経営者を育てていこうと思っています。今年の1月には、経営者の心得を学んでもらうために、店長職以上の方を対象にした社長塾を始めました。立候補者を募ったところ10人も手を挙げてくれました。やる気のある社員がたくさんいたことに、とても感激しました。


昨年から店舗展開を進めている「Dr.ストレッチ」


閲覧数:22回0件のコメント