1994年創業の生パスタ専門店/ポポラマーマ

「本格」にこだわった窯焼きピッツァが好調生パスタ専門店


「ポポラマーマ」は、自社製造したこだわりの生パスタを、ゆでたての状態で提供するのが特徴だ。1994年に創業し、翌年ポポラーレ(後のポポラマーマ)を設立。2016年には126店舗に到達した。法人加盟に限定する同社は一時期、年10店ペースで増店していたが、ここ数年は増店がなく現在は90店を展開する。今後の事業戦略について、同社の安家美津志社長に話をきいた。


ポポラマーマ

東京都江戸川区

安家 美津志社長


安家 美津志社長


(66)PROFILEあけ・みつし1956年8月7日生まれ。大学卒業後に大手小売企業に勤務。その後、大手レンタルビデオショップへ誘いを受けて転職。店舗運営部部長、商品部部長、飲食部部長を歴任し、イタリアンのブランド運営に携わる。1995年8月7日自身の誕生日に独立を果たす。


――ポポラマーマの創業から約30年が経ちますが、90年代で「生パスタ」を提供している店は珍しかったのではないでしょうか。

安家 いえ、ドトールコーヒーさんが手掛けていた「オリーブの木」という生パスタ専門店がありました。創業前、私はあるイタリアンレストランで働いていたのですが、そこのパスタはまったく美味しくありませんでした。この仕事を始めるときにパスタを食べ歩き、その中で出会ったオリーブの木に衝撃を受けました。


今まで乾麺しか食べたことのなかった私は、バキバキで芯の残った麺が美味しいものと思っていました。ですが、生パスタを食べてみるとモチモチでコシがあって、小麦の甘みを感じるのです。よくよく考えてみたら、麺で勝負している人で乾麺を使っている人はほとんどいません。お蕎麦屋さんもラーメン店も、麺を生業にしている人は基本、手打ちの生麺を提供しています。


日本では、約40年前に生パスタの製麺が始まりました。そこに目を付けたのがドトールコーヒーさんです。そのパスタを食べて、うちも生パスタに特化することにしました。生パスタは乾麺の約3倍原価が高いのですが、創業当時は一皿490〜680円で提供していました。これは「相場の7掛けにするとモノが売れる」という、商業界の渥美俊一さんの言葉によるものです。当時の人は、ファミリーレストランでパスタを食べることがほとんどだったので、ファミリーレストランの提供価格がパスタの相場となりました。そしてファミリーレストランは当時、だいたい680〜730円でパスタを提供していたため、ポポラマーマではその7掛けの値段である490円から提供しようと決めました。麺は高いですが、他の具材をなんとか工夫して安く仕入れることで、この値段で提供できました。


「ヨード卵・光と吊るしベーコンのカルボナーラ」


手間暇がかかる生パスタ

他メニューで省力化を図る



――御社はどのような部分で効率化を図っているのですか。

安家 生パスタの原価は高く、冷蔵が必須なので場所をとります。でも、1人前を作る時間が短いんですよ。乾麺だとゆであげに8〜9分かかりますが、生パスタは3分でゆであがります。お客様を待たせる時間も短くなり、回転率が上がります。現在1店舗あたり月間平均5000人に来店いただいています。ポポラマーマではお客様の選択肢を広げるため、生パスタ以外にもピッツァやドリアも置いています。ただし、ピッツァ生地は手伸ばしからクラストを採用し、ドリア・グラタンはベシャメルソースの素を使うことで作業量を減らしています。窯焼きピッツァ導入店も生地からの手作りではなく、ドウを使用して省力化に繋げています。


――御社は生パスタの自社工場を持ち、各店舗には冷蔵状態で届けています。

安家 2006年に建てた自社工場と創業時から取引がある工場の2系統で生パスタを製造しています。工場を2つ持つことで、地震などの非常事態にも対応できるようにしています。


――2000年代には年に10〜20店のペースで急速に拡大されていましたが、これはFCによるものなのでしょうか。

安家 直営とFCの半々で出店していました。オフィス街でかつ映画館の目の前にあるイトーヨーカドー木場店は、今でも売上1位で、過去には最高月商の1560万円を叩き出しました。目立つところに売れる店を作ったものですから、リーシング担当の方々の注目が集まり、多くの引き合いがあって店舗数が急激に伸びました。加盟のきっかけとして最も多いのは、商品のクオリティです。生パスタを扱う企業は多いですが、ポポラマーマの味はどこにも負けていないと自負しています。「〝ここ〞のパスタが美味しいから、〝ここ〞の加盟がしたい」というお話を数多くいただいています。中には、会社の近くにポポラマーマが欲しいから、という理由で加盟する方もいらっしゃいました。ただ、5年ほど前から材料費や人件費が高騰しました。ポポラマーマの利益構造では儲からなくなり、店舗数も120店超から90店まで減少しました。試験的に窯焼きを導入強みを活かした新業態も



――今後、それらの課題にどう向き合っていきますか。

安家 まず一つは、窯焼きピッツァの導入です。もともとピッツァはクラスト生地にソースを塗って焼くだけでしたが、窯焼きを4店で導入しました。中でも、ときわ台店は3階に位置する厳しい立地でしたが、初月1100万円と全店トップの売上を記録しました。ポポラマーマの知名度と、高級住宅地に住むファミレスを利用しない層が、窯焼きの本格的なピザに魅かれて利用に繫がったと見ています。デリバリーも好調で、コロナ禍では売上構成比の50%を占めていました。アメリカピザを主とするピザチェーンに対して、ポポラマーマが提供するのは「ナポリピッツァ」なので差別化ができています。加えて、単価は2600〜3000円と安いため人気です。そのほか、私たちの強みを活かした新業態を作ろうと模索中です。具体的には、27年間ずっと売上1位であるカルボナーラの専門店化を考えています。店舗には配膳ロボットや調理ロボット、セルフレジやセルフオーダーなどを導入し、課題であった人件費を抑え、自動化を進めます。ポポラマーマではパスタだけで種類以上ありますが、カルボナーラにメニューを絞ることにより、調理もかなり楽になります。


――最後に、今後の目標を教えてください。

安家 今のままでは厳しいですが、当社は日本一のゆであげパスタ専門店チェーンを作ることを目標としています。3年後にはセントラルキッチンを建てて店舗調理の省力化を進めます。そして、先ほどのカルボナーラ専門店などが軌道に乗れば、加盟店はかなり増えると考えています。現在の目標は、全ての業態あわせて200店舗展開することです。


木のぬくもりを感じる葛西駅前店

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