「シックスパッド」「リファ」に続く新たなブランドで巻き返し図る 市場規模4兆円のスリープテックに参入

MTG(愛知県名古屋市)

松下 剛 社長(49)


世界屈指のプロフットボーラーであるクリスティアーノ・ロナウド選手が共同開発パートナーとして名を連ねるEMS機器「SIXPAD」。同製品のヒットもあり、2018年7月に東証マザーズへの上場を果たしたのがMTG(愛知県名古屋市)だ。次々とヒットブランドを生み出す秘訣はどこにあるのか。松下剛社長を直撃した。(※2020年4月号より)



松下 剛 社長(49)

まつした・つよし

1970年生まれ。長崎県出身。デンソーを経て、23歳の時に愛知県で起業。1998年から自社製品の開発をスタート。美容ブランド「ReFa」やマドンナとの共同開発ブランド「MDNA SKIN」、クリスティアーノ・ロナウド選手との共同開発ブランド「SIXPAD」などのヒット商品を次々と世に送り出している。



―200万台の累計出荷数(2015年5月~19年8月 EMSシリーズ実勢)を誇る「SIXPAD(シックスパッド)」や海外でも人気の美容ブランド「ReFa(リファ)」など、ヒットブランドを次々と世に送り出し、勢いそのままに1年半前に上場を果たしました。しかし、業績については今のところ、思ったような結果が出ていません。

松下 主力市場だった中国でEC規制が行われたことや、韓国で日本製品の不買運動が起きたことが響きました。株価も大幅に下落し、世間の期待を裏切る結果になってしまったことは残念でなりません。しかし、下ばかり向いているわけにはいきません。市場の信用を取り戻すのは簡単ではありませんが、我々はこれを糧にして攻勢を仕掛けていくつもりです。

―業績を立て直すためには、中国や韓国に依存し過ぎていた販売ルートの見直しや既存ブランドのテコ入れ、そして新たな収益の柱作りが不可欠だと思います。

松下 最初の一手として、新たに「NEWPEACE(ニューピース)」というブランドを立ち上げました。これは眠りに関わる製品のためのブランドで、今後「SIXPAD」「ReFa」に次ぐ第3のブランドとして育てていく計画です。第一弾では、マットレスを発売します。

―「エアウィーヴ」や「テンピュール」など、高性能な寝具が注目されています。スリープテックの市場について教えて下さい。

松下 近年、マットレスの市場は世界的に拡大していて、アメリカなどの主要7カ国だけでも4兆円を超える規模になっています。日本だけを見てもすでに約2600億円の規模があり、今後、さらなる成長が見込まれます。日本の労働生産性は、先進国の中で一番低いと言われていますが、その一因として考えられるのが睡眠不足です。健康面はもちろん、経済的な観点からも、日本人は睡眠を改善しなければならない。見方を変えると、市場はこれからまだまだ大きく成長する可能性があるというわけです。

―海外製も含め、睡眠改善を謳ったマットレスはいくつもあります。「ニューピース」はこれまでのマットレスと何が違うのでしょうか。

松下 今までは各社、生地や素材に工夫を凝らすことで特徴を打ち出していました。我々はそこに、テクノロジーを持ち込み、AIによって入眠から起床までを一連のプロセスとしてサポートできるようにしました。眠りの状態や体温変化などを測定しながら、リラックスした状態で眠れるようにマットレスが動くようになっています。また、ストレッチができる機能も搭載しています。

第3のブランド「ニューピース」にかかる期待は大きい

―既存の2ブランドについては、今後どのような改善を行っていくのでしょうか。

松下 まず「リファ」については、これまでローラーだけに頼り過ぎていた部分があったので、売上のバランスを考えながら、他の商品の展開にも力を入れていこうと思っています。特に期待しているのはこれまで美容室向けに販売してきた「リファビューテック ドライヤー」で、計画の倍以上売れていることから、4月を目処に一般販売をスタートさせます。定価は3万3000円(税抜)、ドライヤーとしては非常に高額ですが、〝プロが認めたドライヤー〞ですから、かなりの反響があるだろうと予測しています。他にもヘアアイロンやシャワーヘッドなど、今期中に多数の商品を投下する計画です。

一方「シックスパッド」は、フットタイプの販売が好調です。最近は70〜80歳代のシニア層の購入も増えているので、今後はヘルスケアの分野にも販促をかけながら、さらに売上を伸ばしていこうと思っています。また、個人向けのホームジムも開発しているところで、こちらも夏頃にはリリースする予定です。

「シックスパッド」は今後、ヘルスケア市場への販促も強化していく

―3事業の連携は考えられるのでしょうか。

松下 我々のブランドはいずれも、人の美容と健康にかかわるものですから、顧客の融合は十分に可能だと考えています。また、プロ向けの商品を一般に販売する際には、すでにある売り場をそのまま利用できるので、スピーディーな展開ができます。

3ブランドを合わせると、今期だけでもかなりの数の商品をリリースする予定です。何かが駄目になっても他の商品で売上を補完できるように、今後は各ブランドでアイテム数を増やし、強固な事業体制を作っていきたいと思います。




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