布団洗いに特化し国内3億枚のニーズを喚起/フトン巻きのジロー

更新日:2月3日

有人対応のお任せ洗いが急増


フトン巻きのジロー

栃木県宇都宮市

森下 洋次郎会長(44)


2017年に設立したフトン巻きのジローは、従来のコインランドリーとは大きな差別化を図った「布団洗い」に 特化したコインランドリーのFC事業を展開している。現在85店舗まで拡大してきたが、同社の森下洋次郎会長 は今後、より出店速度が加速するよう新たな仕組みを打ち出すという。

 

森下 洋次郎会長(44)


PROFILE:もりした・ようじろう

1999年に慶応義塾大学商学部を卒業後、IT企業を創業。その後2016年に東京から沖縄に移住し、コインランドリー事業を開始。翌年に株式会社ランドリージロー(現:フトン巻きのジロー株式会社)を設立し、代表取締役に就任。同時にFC展開も開始し、現在に至る。

 


既存の加盟オーナーに運営委託し

ドミナント出店の強化を計画





―フトン巻きのジローは、従来のコインランドリーと違い「布団洗い」に特化されています。なぜ布団洗いに着目したのでしょうか。

森下 当初は従来通りのコインランドリーだったのですが、私自身が店舗に立って接客をしているうちに「布団は干すもの」という常識を変えることを思いつきました。それから布団の市場について調べたのですが、一人当たりが持っている寝具枚数は2〜3枚というデータが取れました。つまり単純計算すると全国に布団が3億枚。この市場を掘り起こすことができればコインランドリー業界で圧倒的に勝てると思い、「布団洗い」サービスの確立に至りました。


―現在85店舗まで広がっていますが、今後さらに出店速度を上げるために新たな取り組みを始めているそうですね

森下 今月山形市に直営店を出店するのですが、その運営を近隣にある天童店の加盟オーナーに委ねることにしました。フトン巻きのジローは運営のノウハウが肝なので既存の加盟オーナーさんにやってもらう方が失敗する確率が低いからです。このように直営店を作ってすぐに譲渡するプランを進めていく方針です。また、譲渡ではなく運営委託の形も考えていて、その場合は運営してくれる近隣の既存オーナー に運営委託料として売上の20%を支 払います。近隣に店舗が増えることを既存のオーナーは嫌がりますが、今回の山形市の店舗のように近隣の加盟オーナーに任せることでこの問題が解決し、ドミナント出店ができるようになります。このパターンでどんどん出店を増やしていくつもりです。


―運営のモデルチェンジを図るのですね。

森下 またこのモデルは直営だけではなく、将来的には投資家さんを募って建物や内装までを準備してもらい、それを委託形式で運営することも計画しています。フトン巻きのジローの出店初期投資額は居抜きで約5000万円、新築で約8000〜9000万円と初期投資の負担が大きい。通常、加盟オーナーが運営をすることが一般的ですが、オーナーと運営者を分けること

で、これまで加盟オーナーに委ねていたリスクを分散しようという試みです。



商品タグのデータを蓄積

アプリ上で洗い方を選択



―これまでの体制と大きく変わるのですね。アプリ開発も行い、IT化にさらに力を入れていると聞きました。

森下 布団に付いている商品タグのデータベース化をしようと計画中です。 現在、受付時のオペレーションは布団に付いている商品タグを確認して、メニューから洗い方を選択するようになっています。人によってこの工程のスピードにバラつきがあるので、IT化できれば時間の削減に繋がります。商品タグをデータベース化し、アプリで商品タグを読み取れば、商品情報がヒットしそのまま決済が完了。ここまで持っていきたいですね。商品タグは布団 メーカーにより表記の仕方も異なり、千差万別です。膨大な商品タグの情報を会社の資産として貯めていけば、布団のタグ情報を持つ唯一のデータベースカンパニーになり、次のビジネスに発展させていくことができると考えています。また今はとにかく有人対応のお任せ洗い、この仕上げのクオリティをとにかく追究しています。


―コインランドリーは無人化が前提の中、有人である点は特徴的ですね。

森下 直近の2〜3カ月のデータを取り、8:2の割合でお任せ洗いの比率が増えていることがわかりました。お任せ洗いの売上の方が圧倒的に高いので、今後はお任せ洗い専門の店舗を増やしていこうと計画中です。そうすると機械の台数が減り、25坪で成立するようになるので初期投資額も1000〜1300万円くらい減らすことができます。ますます有人であることを生かす方向性が強まっていますね。


―お任せ洗いのクオリティの指標とは。

森下 まず布団の計量から始め、限界まで軽く、そして柔らかくすることを目指し、セルフとはまったく違う仕上がりを実現しています。乾燥機は基本的に一般衣類を想定とした、乾かすことのみを考えて作られているのですが、布団は寝心地が重要なので柔らくすることを重視して、今はメーカーと連携して機械の開発にも取り組んでいます。



―最近では布団を洗えるコインランドリーも増えてきています。競合の出現はどのように見ていますか。

森下 布団をセルフで洗うのって意外と難しいんです。60分乾燥に回しても乾いていない、型崩れを起こすなど、失敗するケースが多々あります。そうなると最悪な顧客体験になってしまい、次はありません。私たちは一見コインランドリーに見えるので、そもそも接客に期待をしないで来られる方が多い。そこでいい接客をして、クオリティの高い仕上がりを見せると、お客さま は非常に喜び必ずリピートしてくれます。たとえ大手が参入してきたとしても、どれだけ布団のデータがあるかの勝負になると思うので、ノウハウの蓄積に時間が掛かると思いますね。私たちは今後も事業ミッション通り全国にある3億枚の布団を洗いつくすことを目標に、接客にもこだわりを持って有人ならではの店舗づくりを展開していきます。

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