運動結果を可視化する新分野・データフィットネス/FÜRDI(ファディー)

第三の女性専用フィットネスチェーンを目指し拡大中


女性専用フィットネス「FÜRDI」は、AIを活用したフィットネスマシン「PIXマシン」によるパーソナルトレーニングを提供している。運動の結果をデータによって可視化するPIXマシンはドイツで開発され、同国では既に550店舗に導入されている。日本及び一部のアジアでは、ファディー(東京都千代田区)がPIXマシンの独占権を取得し、2019年にFÜRDIとしてオープン。現在は国内で39店を展開している。


FURDI

東京都千代田区

浅野 忍土社長(46)


浅野 忍土社長(46)


PROFILEあさの・しのただ 立教大学卒業後、FCコンサルティング会社ベンチャー・リンクにて、牛角、銀のさら、カーブスなどのFC展開に携わる。退職後、ATカンパニーを創業し、600店舗以上のFC展開を支援。2018年に自らが本部になるべく、ファディーを創業し現在に至る。



マシンの計測機能により

運動の効果と成果が明瞭に




――御社は女性専用フィットネスの中でも新分野である、データフィットネスを提供されています。FÜRDIでは、フィットネスマシンとトレーナーのW体制で利用者の運動をサポートするそうですね。

浅野 FÜRDIは、ドイツ企業が開発した「PIXマシン」を使ったAIパーソナルジムです。利用者は、マシンに映るAIトレーナーの動きを真似しながら運動します。すると、マシンに搭載されたモーションキャプチャーが動きを感知し、必要に応じてフォームの修正を促します。従来のフィットネスでは人間の感覚によるアドバイスしかできませんでしたが、このマシンを使えば、動きやフォームの正確性はもちろん、どの筋肉を使ってどれくらいのスピードで動いているかも測定できます。要するに、自分の運動結果を可視化できるわけです。結果を数値化し分析することで、従来のフィットネスでは不明瞭だった効果と成果がデータで分かるようになります。ただし、マシンが優れているからと言ってマシンに任せきりにはしません。無人のフィットネスを利用してみたものの、機械の使い方が分からず結局ただ走るだけ。そして周りに劣等感を抱いてしまうというケースが非常に多く見られます。そこで、我々は初心者でも楽しく通えるよう、トレーナーがサポートします。


――FÜRDIは2019年にオープンし、2020年にFC募集を開始しました。現時点で直営1店、FC店を展開されているそうですが、なぜ今、女性専用のデータフィットネスを広めようと思ったのですか。

浅野 もともと私は、幼児教室やデイサービスなどのFC展開支援事業を営んでいまして、12年で600加盟を実現させたことがあります。そんな私のもとに1人のドイツ人が相談に来ました。「この素晴らしいフィットネスマシンを日本で展開するにはどうしたらいいかアドバイスしてほしい」と。私は「良い機械なら普通に売ってはだめだ。専門店にしてチェーン展開するべき」と言いました。総合フィットネスに卸してしまうと、流行り廃りでマシンの価値が安定しないため、専門店展開がベストだと判断しました。彼の話を聞くと、ドイツでは既に550もの専門店があるといいます。興味を持った私はドイツまで行き、専門店を視察しました。それで確信したのです。「これはデジタル版のカーブスになる」と。


現在日本で、チェーンとして安心感と均一的なサービスを提供している女性専用フィットネスは、「カーブス」と「LAVA」の2つくらいしかありません。他を圧倒する経営は素晴らしいと思いますが、ユーザーの立場になるとチェーンとしての選択肢が2つしかない、ということになります。そう考えたとき私は、そろそろカーブスやLAVAに追随する第三の女性専用チェーンができてもいいのではないかと思いました。その時に出会ったのがPIXマシンです。フィットネス業界は属人的で、特にDXが遅れている分野でもあります。そこで、デジタルを取り入れて成果を可視化し、より成果を出せる業態としてデータフィットネスをやるしかないと思ったのです。



早朝と夜は無人営業

スタッフの労働環境改善へ



店内には基本的に6台のPIXマシンが設置される

――月額6980円で1回30分のトレーニングが通い放題。団塊ジュニアをターゲットにされているそうですが、この世代は新分野「データフィットネス」に抵抗はないのでしょうか。

浅野 FÜRDIのトレーニングはシンプルで分かりやすいものですが、「データフィットネス」というワードだけ聞くと、難しそうと感じる方もいらっしゃいます。そのため、無料の体験会や見学会を開き、まずは来ていただくことで難しいというイメージを払拭します。中でも、スーパーや商業施設で行う催事が好調です。体験に来た方の90%以上が入会を決めています。


――ビジネスモデルやFCパッケージについて教えてください。

浅野 5時〜23時までの営業となりますが、5〜10時、19〜23時の間は無人営業です。24時間営業にしない理由は2つあります。1つは女性に危ない時間に来てほしくないこと。2つめは24時間型フィットネスの深夜帯利用率は3〜5%と、実はかなり低いのです。そうなると光熱費がもったいないですよね。初期投資は加盟金が360万円で4人分の研修費が60万円。マシンは6台で510万円。その他の費用を含めると、合計で1700万円ほどです(物件取得費は除く)。


収益モデルは、会員数300人で月商は約226万円。償却前営業利益は約40万円ですが、会員獲得のための販促費を計上する場合は、約21万円となります。500人で月商約412万円、利益が約192万円です。損益分岐点となる会員数は230〜250人で、半年ほどで獲得できます。ロイヤリティは売上の6%で、そのほかマシン使用料(1台3万円)などをいただいています。利益率は会員370人で、30%以上を超える見込みです。


オペレーションは10〜19時の間、1人は入会手続きやカウンセリングなどの事務、もう1人はトレーニング指導を行います。フィットネス業界の課題の1つに長時間労働がありますが、当社の場合は日曜・祝祭日は無人営業で、夏季休暇も取れます。サラリーマンと同じ時間帯で無理なく働ける環境を作っています。


――PIXマシンとともに指導にあたるトレーナーは素人でもよいのでしょうか。研修ではどのようなことを行いますか。

浅野 トレーナーはむしろ、癖のない素人の方が好ましいです。研修はオーナー研修とトレーナー研修の2つがあり、1カ月間でしっかりと育成します。オーナー様には、経営理念から行動指針や人材採用の仕方など、組織づくりに関することを全部お伝えしています。トレーナーは、トレーニング研修はもちろん、解剖学で身体の造りを学びます。


――事業開始から3年が経ちますが、御社の今後の目標を教えてください。

浅野 まず、我々が店舗を広げることによって、女性フィットネスにおける選択肢を増やします。具体的には来年で140店舗、再来年で230店舗が目標です。今年の目標は店舗展開ですが、現時点で47店の出店が決まっています。同時に多店舗展開されるオーナー様も増えてきているところです。FÜRDIによって、データフィットネスと労働環境改善の仕組みを広げていけたらと思います。

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