整体のマイナスイメージを払拭し368店舗まで拡大 /カラダファクトリー


電子カルテ導入、デジタル化を推進し効率アップ


ファクトリージャパングループ

東京都千代田区

村田尋一会長兼社長(57)

 

ファクトリージャパングループは、整体に特化したサロンのフランチャズビジネスを展開し、今年創業20周年を迎えた。創業当時は整体対するマイナスイメージが強かったが、同社はその点を払拭し、現在国内外合わせて368店舗(直営212店、FC156店)まで拡大してきた。節目を迎えた同社の村田尋一会長兼社長に、これまでの歩みと今後の成長戦略について聞いた。

(ビジネスチャンス2022年2月号「Top Interview」より)

村田尋一会長兼社長(57)

 

プロフィール むらた・ひろいち

1964年北海道生まれ。1983年株式会社ソシエ・ワールドに新卒入社。技術職を経て、取締役営業本部長(スパ事業、エステ事業、スポーツ事業、アイラッシュ事業、ヘアー事業)を務め、2015年6月に株式会社ソシエ・ワールド代表取締役社長、2019年10月株式会社ソシエ・ワールド取締役会長就任。2020年3月31日退任。2020年4月1日、株式会社ファクトリージャパングループ代表取締役会長(CEO)就任。2021年4月1日、同代表取締役会長兼社長(CEO)就任(現任)。

 

「暗い」「怪しい」イメージを打破

安心感にこだわり女性客が約6割に



―創業した20年前から整体業を取り巻く環境はどのように変化してきたのでしょうか。

村田 私たちは整体業ですが、まずその枠を広げてリラクゼーション業界で見たときに、日本は海外に比べて遅れていると感じていました。ヨーロッパであればスパ、タイではタイ式マッサージ、中国・台湾では足裏マッサージなど、各国でそれぞれのリラクゼーションの文化が発展していました。しかし日本にはそういった文化がなく、 20〜30年頃前からようやくリラクゼーションのビジネスが出始めてきました。ただそれでも、当社を含むリラクゼーション業界大手3社の店舗数を足しても全国に1500店舗くらいしかないので、市場としてはまだまだ伸びしろがあると考えています。


―368店舗まで伸ばしてこられた要因としては、何がありますか。

村田 整体のマイナスなイメージを変えてきたことが大きいですね。創業当時は整体に対し「暗い」「怪しい」といったイメージを持っている人が多く、特に女性から敬遠されていました。そのイメージを払拭するため、店舗のイメージカラーをオレンジにしてキャラクターを用いるなど、安心感を持ってもらえるよう注力しました。その結果、現客層の約6割が女性となっています。また集客力のあるショッピングセンターへの出店を推進したことで幅広い年齢層に受け入れられ、誰でも入りやすい安心感のある環境を提供できるようになりました。さらに、日本人の健康への意識が高まっている波に上手く乗れたことも順調に店舗数を伸ばせた要因だと思っています。今後もフランチャイズと直営店とを合わせて、1年で40〜50店の出店を計画的に行っていけると感じています。



リラクゼーションとは一線を画す強み必要性が高くリピートを固定化



―日本人の健康意識への高まりとはどういうことでしょうか。

村田 一時的なコリや痛みを改善するためだけでなく、根本的な身体作りを目的とする方が増えてきたのです。身体作りのため、予防という観点から継続的に通ってくれるお客様がいらっしゃいます。そこが整体業の強みともいえますね。


―具体的には。

村田 整体業はリラクゼーションとひとくくりにされがちですが、リラクゼーションが自身へのご褒美と位置づける人が多いことに対して、整体は「体を治す」という側面が強い。ですから定期的に通うことが必要不可欠なのです。リラクゼーションに通うのは我慢ができてしまいますが、整体はそういうわけにはいきません。私たちが運営するサロンでは、お客さまに合わせてある程度オーダーメイドの施術計画を立て、どのくらいの頻度で通ってもらうか決めています。リピートを固定化させることができる点が、リラクゼーションとは大きく違いますね。現在はお客様の健康意識をより高めていくため、〝カラダにいいこと365日〞というテーマで「KA・RA・D A365」というプロジェクトを走らせています。これは整体に来た時だけではなく、毎日自宅にいる時でもご自身でケアができるよう、ホームケアを拡充しサポートをする取り組みです。


―ホームケアの内容はどのようなものですか。


村田 公式アプリを作り、そこでセルフケアの仕方を紹介した動画を配信しています。ホームケア用のグッズやサプリメントなども開発し、365日体に寄り添うことをテーマに、サロンに来ていない間も身体作りのサポートを行います。アプリの開発に加え、電カルテも導入しました。それによりお客様の基本情報やカウンセリング、施術内容を記録して情報管理がしやすくなりました。お客様が系列店に来店される際なども、スムーズに情報の連携ができるようになっています。













電子カルテ導入、売上アップを促進

採用も強化し来年度は約300名が入社



―電子カルテを導入したことによって、どのようなメリットが発生するのでしょうか。 

村田 一番は実務の効率が上がります。スタッフにとってより施術に集中できる環境が整い、これまで以上に施術のクオリティが上がっているはずです。そのためリピート率も高くなり、一人当たりの売上が上がってきています。


―1年で計画的に40〜50店舗を出店されるとのことですが、そのためには安定した人材供給も必要かと思います。

村田 リラクゼーション業界で見た時に、大手のスタッフの雇用形態は業務委託契約や歩合制の給与体系であることがほとんどです。しかし当社は、他社に先んじて「正社員」にこだわりました。コロナ禍であってもスタッフの雇用を継続した結果、休業明けにリピーターのお客様の来店数がV字回復しました。これも安定の基盤があったからこそだと自負しています。来年度の新卒採用者は300人弱を予定しています。手に職を付けられる、健康に精通して社会貢献ができるという点に、魅力を感じ人が集まっているようです。また離職率の高い業界と言われていますが、当社の離職率については年々低下してきております。それも月に一度は各店舗の店長にスタッフ一人ひとりと面談を行うよう徹底し、成長の確認、アドバイスをするなどスタッフの育成に注力してきた結果。今後もキャリアアップ、キャリアチェンジ、評価制度など見直していけることはたくさんあるので、より離職率を抑えていけると思っています。


AIがデータ蓄積、サービスの向上に活用

店販にも注力し単価アップを狙う


―村田会長が現職に就いた昨年は、新型コロナウイルスでスタートした年でもありました。現在も事態は引き続いていますが、直近の状況はいかがでしょうか。

村田 コロナによる影響で在宅ワークが増えたことにより、体調の変化が顕著に現れ、緊急事態宣言中にも「早く営業してほしい」という声はたくさんありました。今ではコロナ疲れで来られるお客様も多いですね。ただコロナであろうがなかろうが、生活をしている限り血の巡りは悪くなり、人は必ず疲れてしまうので、整体業の必要性は高いと考えています。


―20周年を迎えました。今後の展開はどうしていきますか。


20周年とは、人でいうとようやく成人してこれからどう成長していくかという段階。

現在、「ホームケアプログラムの拡充」「過去最大の新規出店・新卒採用」「デジタルヘルスケア領域の拡大」という3つの事業方針を掲げています。その中でも、特にデジタルへの投資には力を入れています。先ほど電子カルテの導入について申し上げましたが、AIと連携させたことで、デジタルの診断ができるようになりました。どのくらい歪んでいて、このまま放っておくと数年後にはこんな姿勢になってしまうというようにです。説得力のある診断を見せることができ、お客様の健康意識を益々高めています。現在お客様の施術履歴をデータとしてどんどん蓄積しているところで、このデータを積み上げて、新しいプログラムやグッズの開発、サービスの向上に役立てていくつもりです。


―出店計画やサービスラインナップについては。

村田 年間40〜50店の出店を進め、5年後には500店舗を目指しています。5カ年計画の達成に向けて、2020年度についてはコロナ禍にも関わらず、リピーター客やスタッフに支えられて国内の店舗数を減らすことなく推移することができました。今後、国内に関しては都道府県でまだ出店が叶っていない地域もありますので、まずは、企業理念の達成を目標に当店がない地域への出店を目指していきます。

 また「のれん分け」にも注力し、熟練した社員の独立支援にも力を入れていきたいと考えております。ほかにもバスの運転手や保育士など、肉体的に疲労の溜まりやすい職業の会社に対し、福利厚生として利用してもらう提案をすることも考えています。整体を通して健康を提供し、ビジネスとして貢献していくことで、認知度やブランド力がさらに上がりいい循環が生まれるはず。当社の『私たちは感動を生み出す「人財力」で健康の促進と予防に対する意識改革を世界に広げ、社会に貢献します』という企業理念を確実に実行していきたいですね。

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