「本業とシナジーを持たせる必要はない」/シティネットホールディングス

既存店の承継とエリア権の獲得で急拡大


シティネットホールディングス

兵庫県神戸市

正岡 慎一 常務取締役(43)


シティネットホールディングスは、「ミニミニ」のFC加盟店として15店舗を展開。現在は7つの事業会社を傘下に持ち、年商は45億7000万円(2022年9月期)を記録する。そんな同社が近年注力しているのが、17店舗を出店するリユース業FC「エコリング」での出店だ。ブランドを限定させながらも多店舗展開させることで、今や同社の年商の約半分をFC事業が占めるまでになっている。



正岡 慎一 常務取締役(43)


「ミニミニ」参入をきっかけに

不動産事業を大きく展開



――御社は創業当初1999年にミニミニのFC事業に参入し、不動産事業を大きく展開されてきました。なぜ、ミニミニに加盟をしようと考えたのですか。


正岡 私を含めた当社の創業メンバーたちはもともと別の不動産会社で働いており、不動産事業をするには信用力が必要なことをよく知っていました。家主も信用がないところに物件を任せることができませんからね。そこで信用力があり、集客できる看板力があったミニミニに加盟することを決めました。ミニミニは名古屋発祥のため、当時の兵庫県ではまだ知名度は高くありませんでしたが、家主さんに会って説明をしたら分かってもらえます。また当時の不動産屋の多くは外から中が見えず、怖いイメージが強かったのですが、「minimini」という英語表記のポップな看板は珍しく、好感を持ってもらえたようでした。店内も喫茶店風の雰囲気で入りやすく、他の不動産とは差別化ができていました。私たちのモチベーションも高く、夜中の2時3時までガムシャラに働いて次々にミニミニの店舗数を増やし、そのうち賃貸だけでなく不動産管理も始めました。また、賃貸でお手伝いしたお客さまが4年、5年経つと「結婚するから家を買いたい。また手伝ってくれませんか?」と言ってくれる方々もいて、不動産売買も手掛けるようになり、どんどん不動産周りの事業を派生させていきました。



不動産業のみでの拡大に見切り

異事業への参入を決めFCを模索



――不動産業を軸に事業を拡大されてきたと思いますが、2019年にリユース業の「エコリング」に加盟されています。異業種に目を付けた理由は。


正岡 会社を成長させるために不動産事業を拡大していったのですが、スクラップ&ビルドをしてこれ以上店舗を増やすこともできない状況で、ずっと伸び悩む時期がありました。そんな時、ある日の役員会議で「不動産にこだわる必要があるのか」という意見が出たのです。そもそも私たちが不動産を始めたのは、まずは儲けたいという気持ちがあったためで、どうしても不動産でなくてはならないという使命感はありませんでした。既存事業とシナジーを出そうとするから視野が狭まっていたことに気づいたのです。仮にシナジーのある新規事業を始めて、既存事業が儲かっても新規事業単体で儲かっていないと意味がありません。でも「既存が儲かっているからいいじゃん」と言い訳ができてしまう。それも良くないですよね。シナジーはいらないという結論に至り、不動産事業だけで二桁成長させるのは無理だと一旦見切りをつけ、別事業を模索することにしました。別事業をするに当たっては、「自分たちの看板でやる」、「コンサルを入れる」、「FCに加盟する」という3つのパターンで考えました。その中で、私に下された一番のミッションが〝絶対に滑るな〞ということだったので、自分たちの看板でやるという選択肢がまず消え、FCですでに実績を上げているブランドを探し始めました。しかし昔から展開しているブランドは店舗の伸び率や回転率、商品の魅力などを判断した時に選択肢として残らず…。そんな時に身近なところでエコリングの存在を知ったのです。


――どのようなきっけだったのですか。

正岡 うちのオフィスにあるマットのレンタルをお願いしていたダスキンの加盟店の社長が、エコリングと親交があり、その紹介で知ったのです。話を聞いてみるとエコリングは既存店を引き継がせる形でFC店を出店しており、その店舗も10年、20年と営業をしている既存店。数字が付いている点に魅力を感じました。また、まとまったエリアを取得できることもプラスに感じました。

 

 FCをやろうと思うとまず物件探しをしないといけませんが、その手間も必要ないため「今すでにある10店舗をやらせてください」と本部にお願いしました。他にも手を上げている会社があったようですが、2年以内に10店舗をやるというコミットをして、承諾を得ることができました。最初は本部から10店舗以上の加盟は難しいと言われていたのですが、そこはこちらから何度もアプローチして交渉で突破しています。現在兵庫県で11店舗、愛知県で6店舗の計17店舗になり、加盟店の中で加盟数が一番多くなりました。本部の教育体制が充実人材の育成を任せ店舗拡張



――エコリングをそこまで拡張できた要因は何だと分析されていますか。

正岡 承継する店舗の売上については、加盟する前に店舗別収支表を確認させてもらっていたので、最初から見込めています。ただ直営で上手くいっているのにわざわざFC化することには疑問がありましたね。しかし本部から「出店を加速していくためそちらにリソースを増やしたい。安定した売り上げを出せる店舗をFC承継して加盟金を回収したら、新たに1店舗増やす資金ができ、人も増やさず店舗を増やせる」という話を聞いて、納得ができました。さらに3年分のデータを見させてもらい、3年の間に莫大な伸びはないけれど、落ち込みがないことを確認でき、不安要素はなくなりました。


 本部の教育制度が非常に整っており、人材の育成も半分以上は本部がしてくれています。新入社員に1ヶ月の研修を受けさせると、1日ごとに報告書がもらえ、1カ月後には店舗に入れるようになっています。自分の会社の人間くらいに思って指導をしてくれているようで、一体感を強く感じました。そのお陰もあって、どんどん店舗を拡張することができたように思います。今考えればミニミニもエリアでの拡張をしてきたので、その点はエコリングと共通していますね。最初に本部と取り決めをして、エリアを確保できたことが重要だったと思います。私たちは一つの事業を一点突破で大きくするため、経営陣は事業の間口を広くしていますが、働いている社員たちのタスクは一つに絞っています。一人の人間にあれもこれもやらせようとするとブレてしまうので、一つのタスクで一つの事業を集中して伸ばす方針で、現在も事業案件を積極的に探しています。


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