早期退職から51歳で起業/ワイズ

19年で26店舗を手掛けるメガジーへ


ワイズ

奈良県生駒市

山田 耕作 社長(70)


ワイズは奈良県で2007年に設立し、現在「サーティワンアイスクリーム」16店舗、「ビアードパパ」6店舗、「久世福商店」3店舗、「サンクゼール」1店舗の計26店舗を運営している。51歳の門外漢だった山田耕作社長は、成功に至ったその秘訣を「目の前にあった状況に果敢にチャレンジし、本部とワンチームになりながら乗り越えていった」と話す。


山田 耕作 社長(70)


1年間起業のヒントを探し

「珈琲館」への参入を決断



――山田社長のように51歳から裸一貫で起業し、ここまでの規模になったメガフランチャイジーはとても珍しいです。初めて手掛けたのは「珈琲館」だったそうですが、FC事業に参入された経緯を教えてください。

山田 もともと父親が商売をしていたこともあり、起業したいという思いはずっと持っていました。私自身はサラリーマンとして長らく大手商社に勤めていましたが、企業年金の受給資格が歳だったのを機に、早期退職をしました。退職して1年間は、失業保険をもらいながら商売や事業をしている友達を訪ねたり、FCフェアを回ったり、起業のヒントになるものを探し続けていました。そしてフランチャイズ加盟をしようと決意したきっかけが、いよいよ失業保険の受給が終わりそうな時に行ったFCフェアでの出来事です。このイベントに珈琲館が出展していたのですが、そこの担当の男性と出会い意気投合したのです。実はその彼も転職したばかりで、お互い「新しいステップだね」と話が合い、この人とだったら一緒にやっていけると思ったのです。



サーティワンの加盟を熱望

初出店で本部の予測する倍の売上



――2003年に珈琲館をオープンし、すぐ翌年に「サーティワンアイスクリーム」(以下:サーティワン)に加盟されています。新店オープンから間もないにも関わらず、新たなブランドに加盟されたのはどういった経緯があったのでしょうか。

山田 珈琲館はイトーヨーカドー奈良店での出店ということもあり、商業施設ならではの集客力が非常にありました。お店も繁盛し、朝から晩まで働いてサラリーマン時代とは比べ物にならないほどの忙しさを味わいましたね。ただそれでも収益がシミュレーション通りにはいかず、このまま10年、20年続けるのは難しいと考えていました。そんな時、定例で行われているイトーヨーカドーのテナント店長会議に参加すると、毎回サーティワンが表彰されていて、これだけ表彰されるビジネスモデルはどんなものかと気になり調べてみたのです。

 すると火は使わない、ロスは少ない、極論部屋があって電気と水があればできるという。これは加盟してみたいと思いました。しかし当時すでにサーティワンは全国に600店舗ほどあり、新規オーナーを受け入れる体制ではありませんでした。なかなか出店の交渉が進まない状況が続いたのですが、ある時、突然本部からイオンタウン天理店で出店しないかと声が掛かったのです。その店舗は本部の試算では厳しい売上予測だったためそれでは利益が出ないと誰も手を上げなかったようです。それでうちに話が回ってきたようなのですが、私は「これを断ったら未来永劫サーティワンはできないな」と思い、加盟を決めました。しかし蓋を開けてみると良い方向に予想が外れ、なんと本部の予測する倍を売り上げました。


――その後順調にサーティワンの店舗を増やされていますが、2010年には2カ月連続で出店する形で「ビアードパパ」を出店されています。


山田 サーティワンは夏に売上が上がり、冬に下がります。それに対してビアードパパのようなスイーツは夏に落ちて冬に上がるので、サーティワンの落ちこみを補えると考えたのです。1店舗は奈良県橿原のイオンモールにある店舗で、もともと本部がそこでチーズケーキの販売をして苦労されていたそうです。しかし妻が手伝いに入ってくれたり、また外で働いていた次男(現:専務)が帰ってきてくれたこともあり、お店自体は繁盛して1カ月で約万個を販売。最盛期には通路が人で埋まってしまい、警備員を入れないといけないほどでした。ブランドを見極めるポイントは本部の理念や経営者の人柄


――2015年にはサンクゼールが展開する「久世福商店」にも加盟されています。

山田社長は新規業態に参入する際、どういう観点でブランドを選ばれているのですか。

山田 久世福商店はFC展開を表立ってしていないので、紹介という形で面談をさせていただきました。正直、久世福商店の知識がなく、収益年には2カ月連続で出店する形で「ビアードパパ」を出店されています。

山田 サーティワンは夏に売上が上がり、冬に下がります。それに対してビアードパパのようなスイーツは夏に落ちて冬に上がるので、サーティワンの落ちこみを補えると考えたのです。1店舗は奈良県橿原のイオンモールにある店舗で、もともと本部がそこでチーズケーキの販売をして苦労されていたそうです。しかし妻が手伝いに入ってくれたり、また外で働いていた次男(現:専務)が帰ってきてくれたこともあり、お店自体は繁盛して1カ月で約10万個を販売。最盛期には通路が人で埋まってしまい、警備員を入れないといけないほどでした。



ブランドを見極めるポイントは

本部の理念や経営者の人柄



――2015年にはサンクゼールが展開する「久世福商店」にも加盟されています。

山田社長は新規業態に参入する際、どういう観点でブランドを選ばれているのですか。

山田 久世福商店はFC展開を表立ってしていないので、紹介という形で面談をさせていただきました。正直、久世福商店の知識がなく、収益性など何もわかっていない状態だったのですが、会長や社長の人柄に惹かれ、企業理念にも大いに共感することができ、一緒にやっていきたいと強く思いました。私は儲かるからと言って何でもやりたくはありません。お陰様で色々な本部からお話をもらうようになりましたが、実はお断りしたところは両手では足らないくらいです。私は担当者や本部全体の取り組みの姿勢、誠意があるか、そういった部分を見て加盟するかを決めています。またその商品がお客さまに喜ばれるものか、お客さまを裏切らないか、しっかり判断しています。


――ビジネスモデルも重要だが、あくまでもその本部の理念や雰囲気が決め手だと。

山田 よくジーとザーの関係について役割分担という話をされる方が多いですが、私の中ではそういう意識はなく、どちらかというとその本部の社員のような意識があります。あの社長やあの方々の力になれたら嬉しいなという気持ちがあり、とにかく本部と一緒にお客さんに喜んでもらいたいという思いを持っています。そういう思いを持てる方々とチームを組むことができたので、ここまで継続できたのでしょうね。


――今後もそのスタンスは変わらない。

山田 2024年までの出店の見通しが立っており、今秋新規業態の出店が決まっています。また他にも新業態のFC事業に参入する予定がありますが、私がFC事業に参入する決め手となった珈琲館の担当者が転職した先で、また彼にお世話になりそうです。本当に不思議なご縁が重なり、絆を大事にしてきたことが今に繋がっていると感じますね。私は事業のゴールは特に設定していないのですが、一人でも多くの人に笑顔を届けたいと思っています。吉本の「なんばグランド花月」の忘れ物で一番多いものはなんと年寄りの杖だそうです。楽しい気持ちになると、足が痛いとか腰が痛いとかそういったことも忘れてしまうということですね。私たちの店舗にも見えない杖をついて来ているお客様がいっぱいいると思うので、そういうお客様に見えない杖を置いていってもらおうという気持ちで店舗を運営しています。

 現在、私たちの店舗の総来客数は年間150万人ほどであり、それだけの人に楽しさや笑顔をお届けできたと思っています。ですから次は、近畿全体の人に届けられるようにしたいですね。


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