高齢者向け配食サービス市場拡大でFC店舗前年105店舗増の834店/まごころ弁当・配食のふれ愛 他/清水 貴久 社長

最終更新: 1月23日


シルバーライフ

東京都新宿区

清水 貴久 社長(46)


高齢者向け配食サービスでフランチャイズチェーンを展開しているシルバーライフ(東京都新宿区)は、2007年の創業以来成長を続け、2020年には東証1部上場を果たした。2020年7月期の売上高は前年同期比13.2%増の88億3200万円と、コロナ禍どこ吹く風とばかりにさらに拡大、100億円も視野に入ってきた。事業の肝となるFC事業は、加盟店が前年度末105店舗増の834店舗と業界トップを突き進む。(※2021年2月号「巻頭特集 コロナ禍で見えた底力 逆境を上昇気流に変えた強いフランチャイズ」より)



清水 貴久 社長(46)

Profile しみず・たかひさ

1974年7月31日生まれ。1998年警視庁に入庁、1999年ベンチャーリンク入社。2002年2月マーケット・イン入社。FC開発部長。2012年9月シルバーライフ代表取締役社長に就任。

「まごころ弁当」「配食のふれ愛」 2ブランドを主軸に展開


――2020年7月期の売上高は88億3200万円と前年比13・2%増となりました。事業セグメントは「FC加盟店」「高齢者施設等」「OEM・その他」の3つですが、いずれも好調に推移しています。


清水 「まごころ弁当」「配食のふれ愛」の2ブランドで展開している主力のFC事業は、前年同期比13・2%増の63億5000万円となりました。当社のビジネスモデルは、本部工場で調理した食材を加盟店が高齢者宅に配送するものです。


――ロイヤリティよりも加盟店への食材販売が売上高の80%以上を占めています。


清水 FC加盟店の売上高、つまり食数の伸びに比例し、当社の食材販売売上高も増加する継続収益システムです。このため、FC加盟店の増減が大きく売り上げに影響を与えますが、当社の加盟店は「まごころ弁当」496店、「配食のふれあい」338店で、合わせて対前年度比105店舗増の834店舗となりました。 


――FC事業の強みは、他社と比べて加盟へのハードルが低く、運営オペレーションも簡単な点です。


清水 FC店への加盟金やロイヤリティはゼロ、月々の会費は3万円です。店舗は来店型ではないため、立地を問わず、大型の厨房設備も不要で低コストで開業できます。調理済み食材を盛りつけ配送するだけのため、一人で事業をスタートできるといった特徴もあります


――実際、個人で加盟する例も多い。2009年4月にFC第1号開業以来、約10年間で急激に店舗数を増やしてきました。


清水 同様のライバルは多いのですが、当社の強みは1食だけでも配達ができることと、メニューの豊富さにあります。


――高齢者が食べやすい大きさや柔らかさ、味付け、栄養バランスを考慮した1000品

目を用意し、450円からという低価格で提供しています。


清水 当社の主顧客となる75歳以上の後期高齢者は、毎月の買い物や調理が難しい人で、実は取りたくて取る人は少ない。やむを得ず当社のサービスを利用する人が多いのです。このため、当社としても食の楽しみを提供していけるよう努力しているのです。


▲1食だけでも配達できるのが強み

中期経営計画を策定 売上高140億円体制へ


――今後も取り巻く事業環境は明るい。


清水 当社がメインターゲットとする75歳以上の後期高齢者人口は、2020年1872万人で、2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、2180万人にまで拡大すると予想されています。以降も増加が見込まれ市場も拡大の一途を辿るでしょう。


――このため中期経営計画によって新たな成長戦略を描いています。


清水 外部環境を背景にした売り上げ増施策では、FC加盟店のさらなる増加ほか、既存ブランドに加え、新たなブランドを立ち上げる計画です。高齢者施設向けは主力の冷蔵食材から冷凍食材へとシフトし拡販を図っていきます。また新規OEM先の獲得や冷凍弁当の直販などに強化していく計画です。


――そう考えると鍵となるのは自社工場の生産能力の拡大ということになる。


清水 当社は日替わりの総菜を低価格で提供するため、通常の食品工場ではなかなか対応できません。このため当社は自社工場を構えているのですが、現在、群馬県邑楽郡にある自社工場では、冷凍弁当の製造量は1年半でほぼ2倍に増加しました。


――その解消策として、2021年初旬に栃木県足利市に第2工場を新設します。


清水 この工場では1日15万食の冷蔵食材の生産が可能になります。これにより自社工場の生産能力は現在の4倍になります。


社内インフラ確立し マーケットシェアトップへ


――同時に保管体制の確立も進めていきます。2017年に10万食保管可能な物流センターを建設しました。しかし、2019年1月より2020年7月にかけて冷凍弁当の製造量1・9倍に伸びたことで、保管場所が足りなくなってしまった。


清水 近隣の借りていた冷凍倉庫も満杯に近づきつつあることから、新たな冷凍専用倉庫を新設することにしました。群馬県館林市に建設する新設倉庫は135万食の保管が可能になります。自社工場と保管倉庫の新設により、1日20万食の製造と保管が可能になるわけです。


――今後、事業を更に成長させていくにあたり、売り上げ拡大のボトルネックとなっているのは、倉庫不足でした。


清水 現状は工場からいったん外部倉庫を通して自社倉庫に移す工程を経て配送しています。これでは積み下ろしコストが2倍かかるうえ、その時にトラックがなければ荷物を必要な時に運べない。新倉庫が完成すれば、工場から直接移すことができるため、作業効率も上がり、輸送、積み込み、荷下ろしのコストを削減することができるようになります。


――新倉庫は、ピッキング等の作業を機械化するなど最新のシステムを導入することで、人手不足の補完と省力化を図っていきます。


清水 当社はこれらの施設の新設と、生産管理システムにより、今後、約50億円を投資していく計画です。後期高齢者が増加する2025年までに社内インフラを整備し、市場拡大期のシェアトップを目指していきたいと考えています。

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