餃子販売年間1600万個の新興居酒屋チェーン 上場を機に、FC募集で全国展開へ

最終更新: 2019年9月5日

ダンダダン酒場

(NATTYSWANKY:東京都新宿区)



井石裕二 社長 (45)

1974年、東京都生まれ。サラリーマンを経て、26歳で現在副社長を務める田中達也氏ととともに独立。ダイニングバー、ラーメン店の経営を経て、2011年に調布に「ダンダダン酒場」1号店をオープン。今年3月に東証マザーズに上場。

「餃子」をメーンにした居酒屋チェーン「肉汁餃子製作所ダンダダン酒場」が、首都圏を中心に店舗数を急増させている。今年3月に東証マザーズへの上場を果たしたのを機に、今後はフランチャイズ募集にも力を入れ、地方都市への出店も強化していく構えだ。井石裕二社長が思い描く今後の事業展開について聞いた。


一都三県で店舗を展開


――ありそうでなかった餃子をメーンにした居酒屋業態が好調です。今年3月にはブランド発足からわずか8年で東証マザーズへの上場を果たしました。


井石 調布で「ダンダダン酒場」1号店を出店したのが2011年。上場を意識していなかったわけではないですが、ここまで早く実現できるとは思っていませんでした。色々なことに手を出さずに、この業態に集中してやってきたことが良かったのだと思います。店舗数は、5月末時点でフランチャイズ18店舗を合わせ、72店舗まで増えました。業績も好調で、2018年6月期は売上高約29億円、経常利益約1億6000万円を達成することができました。


――主力の「ダンダダン酒場」ですが、もともとは別の業態をやっていたそうですね。


井石 私がこの業界に入ったのは今から18年ほど前のことで、現在副社長を務めている田中達也と出会ったことがきっかけでした。彼は当時、ラーメン屋で働いていて、僕はその店に常連として通っていたサラリーマンでした。お店で会話を交わしたことはありませんでしたが、たまたま他の場所で遭遇した時に意気投合して、それから一緒に飲みに行ったりするようになりました。そうこうするうちに、お互いに独立の夢を持っていることが分かり、それで一緒に会社を作って、彼はラーメン屋を、僕の方はダイニングバーを始めました。


――外食業界未経験の中で、なぜダイニングバーで独立しようと思ったのでしょうか。


井石 一番の理由は、家の近所に自分が飲みに行きたいと思うようなお店がなかったからです。たまに入るお店も、色々なところが気になってしまってなかなか満足できない。それなら自分で作ってしまった方が早いと思ったのです。


――外食は始めるのは簡単でも、長くやっていくのが非常に難しいビジネスです。開業当時の経営状況はどうだったのでしょうか。


井石 出だしは順調で、月ベースで400万〜500万円の売り上げがありました。客目線で店作りしたことが良かったのだと思います。それで他業態を含め4店舗まで増やすことができました。ところが、儲かっているように見えても、実は会社としてはずっと苦しい経営状態が続いていました。売上は上がるのに利益がほとんど出ていなかったのです。原因はいくつかあったのですが、売上の規模の割に社員が多過ぎたことも悪かったのだと思います。4店舗しかないのに10人くらいいましたから。だから借入金を返済して税金を支払ったら、手元にはほとんど何も残っていませんでした。


――危機的な状況の中で、何がきっかけで新業態の開発に着手したのでしょうか。


井石 奥さんと子供がいる社員が入ってきたときに、ふと自分の中に子供の面倒まで見なければならないという責任感のようなものが生まれました。当時、支払っていていた給料は20万円程度、とても家族を養っていけるような金額ではありませんでした。ダイニングバーのままでは給料を増やしてあげることはできないと思い、それで新業態の開発に着手しました。


――新業態はどんなことをコンセプトに開発したのでしょうか。


井石 それまでやっていたダイニングバーは、主な客層が20代〜30代の独身者でした。街にはもっと色々な層の方がいるのに、ごく限られた人にしか利用してもらえていなかったのです。うまくいかなかなくなった理由はこれじゃないかと考え、それでもっと色々な方に利用してもらえるようなお店にしようと思いました。

餃子を選んだのは、自分も含め、誰もが好きな食べ物だからです。実際にお店に立ちながら「餃子は好きですか」とお客様に尋ねてみると、みんな「好きだ」と答えていました。ところが「どこで食べるの」と聞いてみると、出てくるのは自宅や大手チェーンの名前くらい。ラーメン店や中華料理屋にも餃子はありますが、ラーメンやご飯と一緒だと量が多くて女性は食べきれません。また、餃子とビールは相性が良い組み合わせだとみんな知っているけれど、実際にそれを楽しむことができるお店はほとんどありませんでした。それで餃子を食べながらゆっくりビールを飲めるお店を作ろうと思ったわけです。


――誰もやらなかったということは、業態化が難しかったからかもしれません。開発をする上で課題はありませんでしたか。


井石 もちろんいくつかもありました。中でも一番難しかったのは価格設定です。餃子は大手チェーンに行けば200円前後で食べることができます。しかし、居酒屋ではこの値段でメーン料理を出すことはできません。付加価値を付けて、最低でも450、460円にはする必要がありました。そこまでいければ利益も十分に出ます。餃子は、差別化しようとすればするほど手間も労力もかかる料理なので、それくらいの値段にしないと割に合いません。


――価格を上げるためにどんな付加価値を付けたのでしょうか。


井石 自分だったらどういう餃子を食べたいか、そういう視点で商品開発を行いました。肉がたっぷりでそれでいてジューシーで皮も美味しい、そんな餃子を作ろうと、ダイニングバーの営業が終わってから、毎晩のようにキッチンに小麦粉を種類くらい並べて奮闘しました。餃子に特化したことで、作業効率も上がり、食材ロスも減りました。ダイニングバーと比べると非常に利益率の高い業態ができたわけです。


――最近は産地や生産地などを明記することで食の安全を担保し、差別化を図る飲食店が増えています。


井石 うちは品質にはこだわりますが産地にはあえてこだわらないようにしています。というのも、商品開発を行っていた頃は、いろいろなところで産地偽装が問題になっていたからです。あえて産地にこだわらなくても、良い品質の材料を使えば美味しいものは作れます。


8坪の店舗で初月売上650万円を記録


――上場を機にフランチャイズ募集を本格化させました。基本プランを教えて下さい。

井石 店舗は25坪で55席を想定しています。客単価は2000円を少し超えるくらいですので、居酒屋としては少し安いと思います。それでもひと月平均650万円くらいの売上が見込めます。加盟金は300万円で、物件取得費を除いた初期投資は2970万円くらいになります。


――今後はどんな出店計画を考えているのですか。


井石 出店は、直営とフランチャイズの両輪で進めていきます。基本的には首都圏や一部の都市は直営で、地方はFCというイメージです。4月には福岡で直営店を2店出店しました。福岡は人口増加率が一番高く、若者も増えているので、これからFCを合わせて積極的に出店し、30店くらいまで増やそうと考えています。全体としては400店舗を目標にしています。


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