郊外店であることの強みを発揮し、焼肉・ラーメン業態が好調地域一番店にこだわり、業態のブラッシュアップに注力/焼肉きんぐ・丸源ラーメン他/加藤 央之 社長

最終更新: 1月5日


物語コーポレーション

愛知県豊橋市

加藤 央之 社長(34)


「焼肉きんぐ」254店、「丸源ラーメン」167店など、直営・FCを合わせ、全国で12ブラン541店を展開する物語コーポレーション(愛知県豊橋市)。第51期は売上高約589億円、経常利益約39億円と、目標未達に終わったものの、コロナ禍にあって焼肉やラーメンなどの業態が好調を維持するなど、郊外に特化した事業戦略で、無類の強さを発揮している。9月に就任した若きリーダー、加藤央之社長を取材した。(※2021年2月号「巻頭特集 コロナ禍で見えた底力逆境を上昇気流に変えた強いフランチャイズ」より)



加藤 央之 社長(34)

Profile かとう・ひさゆき

神奈川大学卒業後、2009年に物語コーポレーションに入社。20年2月に業態開発本部長に就任。その後、副社長執行役員を経て9月に社長に就任。


――コロナ禍で多くの外食企業が苦戦を強いられる中、傘下の焼肉業態やラーメン業態が好調です。ラーメン業態の「丸源ラーメン」については、9月に発表された51 期決算で、昨年度から10%以上の伸びを記録しました。


加藤 全体としては昨年度の業績を上回ることはできませんでしたが、それは緊急事態宣言の前日に、直営全店で約1カ月の一斉休業に踏み切った影響によるもので、それがなければ、問題なく目標を達成できていたと思います。


――2業態が好調だった要因は何でしょうか。


加藤 大きく二つのポイントがあると思います。一つは業態そのものの強さですね。我々は常に、マーケットサイズの大きなところで自分達の力を出すことを目標に、業態開発に取り組んでいます。焼肉にしろ、ラーメンにしろ、マーケット自体は非常に大きく、需要も非常に高い。もちろん、その分だけ競合もたくさんいますが、その中で一番になることができれば、小さなマーケットで勝負するよりも、はるかに多くの顧客を獲得することができます。例えば「焼肉きんぐ」は、それまでは〝安かろう悪かろう〞のイメージが強かった食べ放題焼肉を、テーブルバイキング方式を導入し、さらに肉の品質や接客にもこだわることで〝美味しくて安いもの〞に変え、多くのファンを獲得することに成功しました。「丸源ラーメン」にしても、注文を受けてから一杯一杯スープを温めるなど、味や品質にとことんこだわっています。


――「焼肉きんぐ」をベンチマークにしている焼肉チェーンも多いと聞きます。食べ放題焼肉の新しいトレンドを作ってきたことが、一番の強みになっているようですね。


加藤 ただ、これで完成形だとは全く思っていません。だから業態自体は常にブラッシュアップしています。「焼肉きんぐ」を始めた当初は、お客様は量が多い方が満足するだろうと考えていましたが、食べ放題が定着するに従い、だんだんと嗜好が変わり、いろいろな部位を食べたいという方が増えていきました。それで一皿の量を減らしました。今では一人当たり、ドリンクも含め、だいたい15皿くらい注文されます。他の業態についても、ダメだと思ったら、どんどんブラッシュアップをかけていきます。


――傘下のブランドを見ると、いずれも郊外を中心に展開されています。


加藤 それがもう一つのポイントです。コロナで多くの方が外食の機会を減らしたと思いますが、その中で真っ先になくなったのは会社の飲み会です。だから都心部の飲食店は大きなダメージを受けました。一方で、ファミリーの外食は最後までなくなることはありませんでしたから、都心部の店舗よりも広く、密になりにくい作りになっている郊外店は、早い段階で客足が戻りました。


――FCも含め、9割以上の店舗が郊外にあるそうですが、そもそも、なぜ郊外立地にこだわっているのでしょうか。


加藤 きっかけは30年ほど前に、創業者の小林佳雄が、当時、高級なイメージが強かったしゃぶしゃぶを大衆化しようと、郊外に大きな店を作ったことでした。「ハイイメージのものを大衆向けに売れば、お客様が集まって儲かる」という、〝ハイイメージ付き大衆商法〞と呼ばれる経営手法を実践したわけです。やっていく中で、郊外立地への出店にはいろいろなメリットがあることが分かり、それで今ではそれを事業戦略の主軸においているわけです。


――具体的にどんなメリットがあるのか教えて下さい。


加藤 まず、郊外店の方が、繁華街店よりも、チェーンフォーマット化しやすいという点が挙げられます。駅前の小型店をイメージしてもらうと分かりやすいのですが、そういうお店は個人の力が強く、どちらかというと店主の人柄や技術を強みにしていることがほとんど。顧客も、こだわりの強い方が多い。つまり、繁華街であればあるほど、どんどん細分化されていくため、チェーンフォーマットには向かなくなっていくというわけです。一方、郊外店の場合はその逆で、主要顧客がファミリー層などになりますから、料理人の人柄や技術がとがっている必要はありません。重要なのは、オペレーションや接客ですから、フォーマット化しやすいんですね。


――開発した業態を直営、FCでもチェーン展開していくうえで、郊外型店舗は最適というわけですね。


加藤 外装の力をフルに発揮できる点も、郊外立地のメリットの一つです。例えば「焼肉きんぐ」は2020年10月時点で、全国に254店ありますが、それでも「マクドナルド」や「吉野家」といった大手のチェーンのように、商品や価格がすぐにイメージできるほど、ブランドが深く浸透しているわけではありません。となると、看板を含めた店舗全体の外装でアピールして集客しなければなりません。大きな店舗を作れる郊外は、これにうってつけというわけです。


▲大きな看板や店舗の集客は、郊外店の強み

――短いスパンで店舗の外装が変わるという話を聞きました。ときには「同じお店なのか」と思うほど、見た目がガラリと変わることもあるそうですね。


加藤 出店したばかりのときと、ある程度その地にお店が定着したときとでは、アピールすべきポイントも内容も変わります。タイミングや時代に合わせて、外装を変えていくことは、このビジネスをやっていく上で、必要不可欠なことだと考えています。中には外装を変えたことで、売上が5%増えたケースもあります。


――全業態でFCの加盟店が222店舗あります。FC事業の今後の戦略について教えて下さい。


加藤 新規の加盟も継続して行っていきますが、今回のコロナ禍で、ダメージを受けた加盟店もありますので、まずはそちらの支援を優先したいと考えています。本部の成長は加盟店の成長なくしてあり得ませんからね。


――11月に第1四半期決算を発表されました。売上高は約166億円で、前年同期よりも増えました。


加藤 今のところ順調ですが、まだコロナがどうなるか分かりませんので、油断はできません。今の状況の中でできることは限られますが、本部としてはとにかく業態を磨き上げ、地域で一番のお店になれるように努力していくことが重要だと考えています。また、今はいつ何が起こるか分からない時代です。起こりうるさまざまなリスクに対処できるように、マルチブランド戦略のもと、次の成長エンジンになる新しい業態の開発にも、積極的に挑戦していきたいと思っています。。

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