神奈川エリア中心に2業種7店舗ガソリンスタンド跡地活用が増える/ 日翔フーズ/長谷川 光利 社長

日翔フーズ

(神奈川県伊勢原市)

長谷川 光利 社長(※2020年12月号「メガフランチャイジーへの道」より)



長谷川 光利 社長(65))

親会社で土地情報収集 地主への遊休活用法を提案


神奈川県を中心にコメダ珈琲店5店舗、シャトレーゼ2店舗を運営しているのが日翔フーズ(神奈川県伊勢原市)だ。同社はガソリンスタンド等の「危険施設」の設計施工を主力とする日翔建設のグループ会社として2009年に設立された。


親会社の日翔建設は、1998年の設立以来、ガソリンスタンドの新規出店に伴う施工と、施設自体のセルフ化に伴うリニューアル工事事業の受注で、業績は過去10年間右肩上がりで実績を積み上げてきた。同社の強みは、特殊な工事が必要なため競合企業が少ないことと、ロードサイドの土地情報を収集できること。ここに目を付けたコメダ珈琲店が関東進出の足掛かりとして、同社に店舗建設を依頼してきたことが始まりだった。「ガソリンスタンド施工は基本鉄筋コンクリート作り。ところがコメダ珈琲店の店舗は木造だったので、数年間施工法を学んだ後に受注を開始しました」。日翔建設と日翔フードの社長を兼任する長谷川光利氏は話す。


この頃からガソリンスタンド業界は、自動車の販売台数の低下から、施設自体のスクラップ&ビルドが進んでいた。実際、ガソリンスタンドは22年前には全国に6万件あったが、現在は3万2000件にまで減少している。その分、日翔建設にはガソリンスタンド撤退に伴う解体需要が増えていった。するとますます地主との接点も増える、更地になった土地の次の活用法としてコメダ珈琲店を紹介するなど、関係性も深くなっていった。


日翔建設を取り巻く環境が変化していく中で、長谷川社長は新たなビジネスを模索していた。「建設業としての本業は順調でしたが、余裕があるからこそ次の成長戦略を考えました。建設業は営業マンが一生懸命日参して受注する、いわば狩猟型ビジネスです。そのためどうしても売り上げは、その年によって波がある。会社を安定して継続させるためには、もう一つの柱として、前年対比で翌年の売り上げが読めるビジネスをしていく必要があると考えていました」(長谷川社長)。

コメダ珈琲店からフランチャイジーの誘いが来たのは正にこの時だった。


▲コメダ珈琲店寒川店


「フランチャイズビジネスは、建設業と比べたら農耕型。グループ内でお互いビジネスの補完ができると考えた」(長谷川社長)。2009年、コメダ珈琲店の加盟店として日翔フーズを設立。第一号は向ケ丘遊園店。所有者は大手スーパーマーケットで、日翔建設が建物を建設し、日翔フーズが運営を行うこととなった。

「基本的には地主が所有者、建物は当社が定期借地権で借り上げるスタイルです。藤沢の店舗など場所によっては土地建物の所有もしています」(長谷川社長)。

以降、神奈川県を中心に最大6店舗を運営するまでになった。


ビジネスのリスクヘッジ コロナ禍でも被害は最小限


フランチャイジーとして順風満帆だった2018年。次の成長戦略を描いた時に長谷川社長が考えたのは、他のFCへの加盟だった。「一つの業態ではリスクも大きくなる。次はテイクアウトができるビジネスを探した」(長谷川社長)。

コメダ珈琲店はフルサービスの喫茶店という業態柄、接客できる人材を育てることが重要だ。時間をかけて確立されたこの接客ノウハウを生かしたいという思いもあった。同社が200社以上の本部を調べたところ、長谷川社長の理想にマッチしたのがシャトレーゼだったという。


「どのような時代でもおいしくて甘いものが食べたいという要望は不変。安定した需要が見込めると思った。同社の製造工場を見学したところ、製販一体ビジネスで、安心・安全商品を提供している点が共感できた」(長谷川社長)。

「女性が主役になれること」も大きいものだったという。「コメダ珈琲店はどうしても運営の柱は男性になってしまう。一方、シャトレーゼは主婦が交代でシフトに入れ、近所のパートさんを活用できる。運営も商品がポーションで販売でき、テイクアウトのため、リスクは少ない」(長谷川社長)。

こうして同社はシャトレーゼのフランチャイジーにも参画、昨年1月に第一号店舗をオープンさせた。


新型コロナで緊急事態宣言が発令された今年春。長谷川社長の多業種戦略は業績に大きな影響を与えた。「この間、コメダ珈琲店店舗の業績は大幅に落ち込みましたが、シャトレーゼは巣ごもり需要を獲得して、前年比180%で全体をカバーすることができた」(長谷川社長)。


▲シャトレーゼ座間ひばりが丘店

同社は今年の7月に計画が遅れていたシャトレーゼ2号店をオープンさせた。同店はガソリンスタンドの跡地の活用だ。日翔建設では、地主の遊休活用と売買のコンサルティングを行う企画開発部が土地情報取得の前線基地となっており、日翔フーズとの相乗効果が成長エンジンとなっている。「専門部署を通じて、ロードサイド土地所有者と次の土地活用法のご提案をします。場合によっては売買も行う。多くのFC本部から土地情報の要請も来ており、当社がその仲介を行っているのです」(長谷川社長)。


同社では今後、地元神奈川県を中心に、既存2業種のFC多店舗化を積極的に進めていく。「新規出店には、既存店との距離が重要になりますが、毎年1店舗のペースで、3年以内には10店舗から12店舗まで増やしていきたい」(長谷川社長)という。

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